はじまりのはじまり
拙い文ですが読んでいただけると幸いです。
感想などもできたらよろしくお願いします。
「いい天気だ…。」
学校帰り、少年は気持ち良さそうに街中を歩く。
―――ゴウン!
そう思った矢先重い轟音が鳴り響く。
「またアホが出たか…。」
少年は挿していたイヤホンを抜き、音の方向へ振り返る。
「定期的にアホが湧くのどうにかしてくんねーかな…。」
少年がぼやいてる内に音の発生源の方では既に大きな炎が上がっていた。
「…ん。…っておい!俺のアパートがある方向じゃねーか!」
少年は鬼気迫る顔で街中を駆け抜ける。この日から少しずつ日常が変化していくとも知らずに。
「―――はぁ!着いた!」
場所が明確に分かっている分思ったほか早く着いた。騒ぎが大きくなっているあたり相当な異能力者がやったのだろう。あたりも炎の海と化していた。
幸い少年のアパートから少し離れたところだった。
「…アパートの方に来られたらまずいな。」
暴れている張本人の姿を確認した…が、その男は全身が炎に包まれており、詳しくは見えなかった。
しかし炎の異能力だということは分かった。
一応あたりを見回すが、警察はまだ到着していないようだ。…まぁ警察にどうこうできる相手とは思えないが。
こういう場合強異能力者専用の特殊部隊が動くのだが、大概警察がまず動いてから彼らも動く。つまり警察すら到着していない今望むことはできない。さらに言えばこんな街中、今対処しなければ他の人に危害が及ぶ。
「……やるしかねーか。」
少年は気怠そうに荷物を置き、男の方へ構えた。その瞬間凄まじい地響きと共に少年は男の目の前へ駆けていった。
「あ?んだこのガキ?」
男は大して驚いた様子ではなかった。
反対に、突然電撃的な速さで登場した少年に野次馬の方はどよめいていた。
目立つのはあまり好きじゃないだけどな…などと考えていた刹那、炎の塊が目の前にあった。
「―――ッ!」
が、既の所でこれを躱した。
また炎の塊が連射される。
しかしどれも少年に当たることはなかった。
これが更に男の心を逆なでしたのか男が纏っている炎の勢いが増した。
「ヒーロー気取ってんじゃねーぞ!」
「スピード系か飛行系の異能力か知らねーが、これは避けられないだろ!」
男は身に纏っている炎ありったけを一つの大きな炎の玉にして発射した。
確かにこの距離なら恐らく常人なら避けられないだろう。だが、少年は拳を前に突き出した。
誰もが自棄になったのかと思った。しかし次の瞬間―――
―――炎は霧散した。
誰も理解できなかった。
「何をした…?」
「炎を殴った。」
男の質問に対して、少年の答えは単純かつ意味不明なものだった。
「ふざけてんのか⁉︎」
怒りに任せ、男は殴りかかってきた。が、少年はすんなりこれを片手で受けた。見た目では想像もつかないほど強い力だった。
「やっぱ大技の後だと勢い弱まっちゃうよねえ〜。」
少年はあっけらかんとした態度でそう言った。
確かに少年の言う通り、もう男には大きな炎は身体のどこにも残っていなかった。
「バカが!」
しかし男は少年の言葉を聞いて男は勝利を確信していた。
攻撃する為に体表の炎を使っただけでまだまだ身体から放出できんだよ!そう心の中でほくそ笑み、
「残念だったなぁ!丸焦げだ!」
炎を放出しようと思った、が、炎が上がることはなかった。
「なっ…⁉︎」
「あ、今異能力使おうとしてた?ごめん、ごめん。俺が触れてる限りは異能力は使えないから。」
この理解できない異常事態が男に恐怖を覚えさせた。
少年の名前は次で明らかになります。




