太陽のようなあなたと始まる新しい今日
http://ncode.syosetu.com/n9897ed/ 初等部編のリンクです
またよろしくお願いします。
前回概要:?ありません!前作小学編をお読み下さい!
既に18年の経験があったからか、それとも毎日が充実しているからか
後の1年は早かった。
晶にもちゃんと女のコとして生きていくことを伝えた。無論八年間のあの記憶は言わない。
アレは神谷だけだ。言っても混乱するだけだし、このまま墓場までもっていこ
そして今日、私達は晴れて中学生になる。
「おはよう」
「おう、おはよう。って、今日からこの制服か」
「ん」
何を隠そう、今日から私は女子の制服を着ることになった。
戸籍を変えるのは性別適合手術の後で無ければ許されない、一応辰巳の叔父さんがなんとかできそうな気もしなくはないけど、やりません
でも戸籍変えなくても、学園で男性だった事実を隠し通すことくらい簡単だそうだ
今私の設定は、何らかの病気でずっと男として育てなければならなかった女子学生として通っている。病気名はプライバシーに関わることなので秘密。
流石に最初から女性であると通すのは無理です、一緒に進学した同級生もいるからね。そうやってワケありとするのが最善。
寧ろ何だかんだって、嘘ついていないのだ。その設定は。
何らかの病気(性同一性障害)で男として育てられた、でも女性(心は)です。
ほら、嘘じゃないよ。私も約束破ってないよ。
「人を騙すって、そんな方法があったのか…」
「寧ろそれは高等技。流石叔父さん」
その設定を聞かされた時も感心したものだ。
それで嘘をついたってことにならないかって心配してた。私は約束を絶対に守らなければならない、そして約束には“嘘をつかない”が入っている。
でも叔父さんはちょっと黒い笑顔で「嘘を混ぜた騙りは下等なやり方だ、何一つ嘘をつかずに人を誘導することこそ最高の技よ」と言い切った
逆らわないようにしよ
私達がこれから入るのは、私立希咲学園中等部である。
ぶっちゃけ小学生の頃初等部だから、エスカレーターということになる。
一応、かなり有名で敷居が高い学園なはずだけれど、辰巳叔父さんに簡単にやりこまれた
学園長と教頭先生と保険の先生以外に、私の本当の性別知らないという。
学園長と保険の先生は友人らしいけど、別になんの関係もなかったハズの教頭先生はこの前紹介の時まるで叔父さんの犬のように尻尾振ってた。
……叔父さん、あんたナニやったの?
他愛もない話題でくちゃべりつつ、校門にたどり着く。
中等部からは、高等部まで同じとこに登校する。小学校は独立な建物で、凡そ電車2駅の距離があるけど、私の家は両方のど真ん中くらいにあるので、苦にならない。
ちなみに神谷ん家は中等部あたりに近い。察してくれ、高級なゴージャスな住宅街だよ、あっち。
毎日飽きずに朝になったら私を起こしに来てくれるのは嬉しいけど、神谷、なんか健気なヒロイン幼馴染ポジションで、普通逆じゃないって思う
「中等部はこっち?」
「いや、あっち部活棟だが。一人になんなよ、ここ広いんだから。」
どうやら、目の前の超おおっきい建物は高等部らしく、左手に曲がると体育館や部活棟などの施設があり、右手の奥は中等部の建物である
立派な高等部と比べて、中等部は若干小さめだけど、ピカピカしてて、新しい建物のように感じる。
外部の掃除までこまめにやっているようで、流石上流社会がよく集う学園だとつくづく思う。
「クラス分けはこっちだ。手ちゃんと繋いでおけよ、はぐれる」
「はぐれないと思う」
「どうだか、お前の方向感ほど当てにならないもんはない」
確かに16の頃新宿の東口から西口まで一時間掛かって東口まで戻ったが、今はちゃんと10分内で辿り着けると思う。
そう、この学び舎は六年もやってきたのだ、迷うはずがない!
「そう、この学び舎は六年も……」
「阿呆!大きな声で言うな、ただでさえお前目立つんだから」
「…ごめんあさい」
「それに、さっき部活棟にいこうとしなかったか?」
「これは、多分慣れで……」
「いや、お前絶対帰宅部だろ、苛められたくらいだし」
図星突かれて黙ってしまう。
実際、高一の頃は確かに部活には入ってた。後でプレッシャーとストレスに負けて辞めてしまったけど。
生粋な帰宅部ではないことだけは主張したい!嘘ついてないよ!
「なんだと、どんな部活だ。まさか華道とか……」
「何故か」
「いや、花ならお前に似合うと思って……」
「……バカン。」
「バカン言うな、神谷だ。」
またさらっと殺し文句を……本当に天性の女誑しだ
これから来るであろうラブレター嵐と告白ブームに飲まれるがいいわ、リア充め!
「んで、何の部活だよ」
「……囲碁」
「あ、納得。お前向きの競技だな。」
「ん、面白い。神谷もやってみる?」
「やめとく、俺は体を動かす方が性に合ってるんだ」
「別にバカじゃないのに……」
バカじゃないっていうか、普通に頭いい部類に入るんだよね、神谷も。
小学校のテストは簡単すぎるからあんまり宛にならないかもだけど、それでも普通に学年トップ五以内は外したことがない。
もしかしたらバカンバカン呼びすぎて自信なくなっちゃったとか
「ちげぇよ……ただ、隣には頭脳の化物がいるからな、頂上目指すんなら、運動しかないのさ」
「?誰?」
「おめぇだよ?何でその流れでわかんないの?!」
いや、高校生卒業したから、小学生レベル一位取るの当たり前なだけだけど
まぁ、褒めてるみたいだし、いっか。
慢心せずにいこ
「あ、B組だな。凛、お前の名前もあるぞ。」
「どこ?」
「見えないなら抱っこしてやろうか」
「何か屈辱で恥ずかしそうだから拒否」
どうせ私はちんちくりんなのだ、べー
「神谷が確認したなら、それでいい」
「あ、そ。晶はA組?あー、どうせならそっちも手まわして一緒なクラスにしとけばよかったな。」
「権力濫用はダメ」
「いや、事情を知っているやつがいると安心しない?」
「大丈夫。目標は普通に生きることだから。」
神谷も叔父さんやおばさん、もしくは母上と父上もだけど
どうも、私を特別扱いした方がいいと思っている節がある。
呪いを纏っているから、過剰とまでは言わないけど、普通以上に心配してくるし、甘やかそうとしてくる。
実の所、私はあんまりそういうの期待してない。
むしろ、私は特別扱いされたくない。ただの普通の女のコであれば、十分なのだ。
「そういう意味じゃ…まぁ、いいや、とにかく我慢はほどほどにな。ストレス溜まったら俺にぶつけてこい」
「ぐちゃぐちゃにしてあげる」
「え、何を?」
「乞うご期待」
「え、え?ちょっと待て、何をするつもり?おい、無視すんな!」
ちょっと意地悪言って、神谷を怖がらせてみる。
相変わらずからかい甲斐のあるやつ。
追って来る赤銅色の手をそっと取る。自分でも判るくらいににやけてしまう。
「いこ?」
「ん?ああ…」
少し照れて、あなたはぎこちない笑顔を浮かぶ。
行こう。
血塗られた未来を知っている。
でも、きっと今度はこうはならない
忘れ去られたあの日を、新しい今日で書き換える。
前と違って、今はあなたと手を繋いでいるから。
「おい、一年生は3階だが…」
「お茶目」
「それはお茶目じゃねぇ、おバカだ」
「バカ言うな、凛だ」
「セリフパクんな!!」
柄にもなく、舞い上がったのも、無理ではない
凛ちゃん一応、ボケ体質と方向音痴の属性あります
言うまでもないと思いますが、はい、私の娘なので遺伝です。
今更だけど、私属性満載だな……