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異世界ダンジョン制覇 ~目指せ楽園ハーレム~   作者: 夜桜 蒼
三章 ~異世界で成り上がります。~
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99話 天然お嬢様

ルナの案内で村の中を駆け抜け外に出ると大型犬を一回り大きくした様な黒い毛皮の狼が三匹、村の様子を伺っていた。


「あれか、デカいな。――向かって来ない?」

ダンジョン内で魔物に遭遇した時は大抵向こうから突撃してくるのだが、この狼は様子を伺いながら俺を囲む様な動きをしていた。

「横からも四匹近づいているわよ。それに反対側の狼が村に入ろうとしているみたいよ」

こっちは囮か? 横からも来てるってことは挟撃だよな? 連携が取れてるな。


「とりあえず強さがわからんし、様子見、虚空斬り! って! うお!」

前に居る一匹に斬撃を飛ばした瞬間、両側にいた二匹が一斉にこちらに飛びかかってきた。前に居た狼は斬撃を避けようとしたみたいだが、避けきれず切断されていた。


「ええい! クソ! おらァ! ッハ!」

同時に飛び掛って来た狼の右側にこちらから突っ込みフルンティングで真っ二つにし、左側の狼が背後から更に飛び掛って来たのを振り向きざまに横一閃で仕留めた。


「左の四匹も駆け出したわよ!」

ルナの声に視線を左に向けると凄まじい速さで駆けてくる狼が四匹。


「はやッ、つか怖! クソ、虚空連斬!!」

牙をむき出しで突っ込んで来る獣にゾクリとしつつ、狙いを定めて一撃、二撃、三撃と当てたが、ラスト一匹は既に目の前に迫っていた。


「セロ・グラビトン!」

グチャ! という音が聞こえて狼は地面と同化していた。

「……助かった、ありがとう」

目の前で見るのはちょっとあれだったけど。

「仕方ないでしょ。それより、反対側の狼が村に入ったわ。それで他の狼がこっちに集まって来てるわ。十五匹ぐらいかしら」

「なら村に行ったのは八匹か。フルンティング使ったから不確かだけど、そんなに硬くないし、フーカなら対処出来るだろ」

結合ダンジョンにいた鉄蟻より弱いだろう。連携とスピードが厄介だけど、フーカなら問題ないはずだ。


「それにしても地上の魔物は消えないんだよな。これの皮とか剥いだら売れるのかな?」

倒した狼は切断されたまま魔石や素材を落とすことなく横たわっている。ダンジョン内では死んだら崩れて行く魔物だが、地上に一度出た魔物は実体を手に入れたかのように死体が残っているのだ。

「売れるんじゃないの? 素材だし。後でミオ達にお願いしましょう。……お喋りはここまでよ。――ルナがやる?」

「いや俺がやるよ。新しい神具を試したい。……やばそうだったら手伝ってくれ」

「りょーかい」

既に俺たちの周りには十五体の狼が囲んでいた。



「ご主人様大丈夫かな?」

「大丈夫だよ。ジン様は私より強いんだよ? それにルナ様もいらっしゃるから」

ジン様は大丈夫。本当は一緒に行きたかったけど、むしろこっちの方が危ないと思う。流石に三十人をまとめて守るのは骨が折れそう。もう足音が近づいて来ているから村の中に入って来てる。……七匹かな?


「フーカ、耳がピクピクしておるが、もう近いのか?」

「リリカさん。はい、もうそろそろだと思います。姿が見えたら私が行きますから、リリカさんはミオさん達と警戒をお願いしますね」

リリカさんの他にはミオさんと近くに落ちていた廃材を手にした男性が六人で警戒してくれています。だけどこの人達では魔物の相手は難しいと思います。


「くそ、こんな時にダンさん達が居てくれたら」

「言うな。もう戦えるのは俺たちしか居ないんだ。俺たちが守らないでどうするんだ」

「ミオ姉さん。まだ魔力が回復していないんでしょ? 無理したらダメだよ?」

「分かっているわ。でも私達が戦わないとジン様に申し訳が立たないわ」


ん? 申し訳? ミオさん達はあまり動いて欲しくないんですけど――。

「フーカよ」

「え、あ、はい」

ミオさん達の話声に耳を傾けていたらミオさんが真剣な眼差しで私を見ていました。――なんだが嫌な予感がします。


「妾は確かにフーカには負けるかもしれん。じゃが、足でまといになるほど、――弱いつもりもないのじゃぞ?」

そう言ったリリカさんは弓矢を取り出して構えた。そして、

「あ、そこ狼来ます」

「うむ。――疾風、隼!」

ヒュンッ! という風切り音を奏でたリリカさんの矢は家の脇から顔を出した狼の額を正確に貫いていた。三十メートルは離れた位置にいた狼の額をです。


「――リリカ姉凄い」

「ええ、この距離で額を、それにこの威力。流石はジン様の従者ですね」

リムリとミオさんが感嘆の声を漏らしていたけど、リリカさんは少し残念そうな表情です。


「魔力の制御に失敗したのじゃ。主様の魔力と妾の魔力では濃度が違うのじゃな。――次は失敗せん」

新しい矢を取り出して構えたリリカさんが不敵な笑みを浮かべ私を見ます。

「はい。リリカさんは凄い方だと思います。この場はお任せします。――次は左、あの家の右側です。二匹います」


リリカさんの弓矢なら近づけずに倒せます。なら私は敵の位置を教えて接近戦になった時だけ動くことにしましょう。

貴族のお嬢様だと思っていましたが、リリカさんは思った以上にお強いみたいです。嬉しい誤算です。ただの抜けた天然お嬢様ではなかったみたいです。


「ハックション! あ! 外したのじゃ!」


…………だといいなぁ。



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