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異世界ダンジョン制覇 ~目指せ楽園ハーレム~   作者: 夜桜 蒼
三章 ~異世界で成り上がります。~
95/114

95話 手品じゃないよ?

リリカが乱れた髪を整えているのを横目にミオさんの話を聞くと結局の所、薬草より人命だろうとギルドに情報を流すことになったのだが、村と街を繋いでくれていた商人がここ数日やって来なかったらしいのだ。

ハーフの隠れ里なだけあって、誰でも招いて良いわけではないのだ。村と繋がりがある行商人に村の周りで採れた薬草や珍しい素材などを売り、食材など買っていたらしい。


「普段は週に二度ほど来られるのですが、ジン様が来られた二日前に来て以来、来られないのです」

その為、ギルドに情報が送れず日に日に魔物の数は増えているらしい。そして昨日、中型の魔物がやって来てそれの迎撃に苦戦しているおりに結界が壊れたらしいのだ。

そして魔物撃退に力を使い果たした頃に今度は盗賊達が攻めて来たのだ。


「本当にギリギリでしたね。来るのをあと一日伸ばしていたらと思うとゾッとしますよ」

もし今日ダンジョンに行っていたなら村人は全員売られていただろう。

「はい。――ですが」

ミオさんの顔が暗くなり俺に話すか迷っているように感じた。


「どうしました? ……俺にできることなら協力しますよ?」

この村には恩を受けている。協力は惜しまないつもりだ。ルナに頼んで結界も作り直してもらうつもりだし、近くにあるって言うダンジョンも後で見に行ってみよう。


「ミオ姉さん。ここはジン様を頼ってみようよ」

「ミサ……。――正直に言って今のこの現状では明日を凌ぐのも難しいのです」

ミオさんが語ったのは今、村が置かれている状況だ。


重傷者はいなくなったとはいえ、満足に戦えるのはルナが治療した五人だけ。魔物との戦い、続く盗賊との戦いで男手が減っているらしい。いくらルナでも亡くなった者まで生き返らせることは出来ない。

そして頼みの結界は壊れており今なら普通の人間の目にもこの村が認識出来てしまうこと。そして盗賊に焼かれてしまった備蓄の食料のこと。ミオさんはもうどうしようもないと思っているみたいだが、


「食物なら持って来ているし、結界はルナがどうにかする。魔物は俺達がダンジョンを制覇する。これで問題なくなった?」

簡単に話す俺の言葉に半信半疑な表情で見るミオさんにアイテムボックスからパンを取り出し差し出した。


「――――え? 今、どこから?」

「俺の秘密の能力。口外は出来るだけしないでくれると嬉しいな」

そう言って机の上に朝買いまくった食材を少しづつ出していく。気を付けないと大量に入れているからドバっと行きそうなのだ。


「もちろん喋るつもりはありませんけど――本当に、何者なのですか、貴方様は」

「すっごい、いくらでも出てくるの?」

空間から食材を出す俺に畏怖を感じていそうなミオさんと、山積みになる食材に目を輝かせているミサさん。


「だから言ったでしょう? ジンは私のパートナーだって」

「俺は俺ですよ。そんな大層な者じゃないですからね。あと流石に無限には出ませんよ。来る前に買って来たものです。皆さんで食べて下さい」

食材を出し終えてから生活用品などを別の机にも広げたのだが、かなりの高さになってしまった。崩れたら生き埋めになりそうだ。……後から手伝いの人を呼んでくれるだろう。


『ミオさん、入っても良いですか?』


丁度いいタイミングで誰か来たみたいだ。

「ルータさん? ええ、どうぞ」

ミオさんの許可を得て家の中に先ほど怪我人を支えていた男性が入ってきた。――デカい風呂敷を抱えて。


「こちら盗賊が身に付けていた武具の類になります」

「ありがとうございます。丁度良かった、こちらの品をジン様から頂きましたので数人連れて来てくれますか?」

「――すごい量ですね。分かりました。動ける者と蔵の整理をしてから戻って来ます」

ミオさんと男性が軽く話しているのを横目に置くところがなく床に広げられた武具を眺める。

いくつか普通の武器もあるけど、恐らく神具が数個はあるだろう。装備しないと確認出来ないのがメンドイな。


「すみません。お待たせしてしまって。こちらの品は綺麗に洗わせていますのでどうぞお持ち帰り下さい。……それで、なのですが、これほどの食料を頂いて私達には返す物が今はないのです。もうしばらくすると先ほど話した薬草の収穫時期にはなるのですけど、これだけの物の代金にはとても――」

「いえいえ、これは以前――お世話になったお礼です。気にしないでください。それにこの武具を貰えるならむしろ俺の方が申し訳ないですよ」

以前貰った金貨の代わりだと言ってもたぶん納得してくれないだろう。神具まで貰うんだし、またお礼に来ないとな。


「し、しかし」

「ミオ姉、ジン様が良いって言ってるんだから貰っとこうよ」

ミサさんの言葉に少し考えてからミオさんは俺達に頭を下げた。

「ありがとうございます。このご恩は忘れません」


二人に頭を下げられて苦笑しつつも上手くいったことに安堵した。


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