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異世界ダンジョン制覇 ~目指せ楽園ハーレム~   作者: 夜桜 蒼
三章 ~異世界で成り上がります。~
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92話 たおるん!


ハーフの村に持って行く買出しは終了してここからはフーカ達にご褒美を買うことにする。以前から思っていながら中々来れなかったからな。フーカはフィロから貰った冒険者用の服があるけど、リムリは奴隷商で着ていた服だけだからな。買うのが遅くなってすまん。


さっき市場を周りながら子供服が置いてある露店を少し大きくしたような店に目を付けておいたからスムーズに連れて来ることができた。フーカが持っていたバックは既にアイテムボックスに収納済みだ。これで心おきなく服選びができるだろう。


「と言う訳でフーカとリムリの服を買おうと思う。とりあえず三着づつ買おうか」

「ありがとうございます」

「ご主人様、ありがとう!」

「……主様? 妾の分は?」

「リリカは持っているだろう」


リリカは屋敷から来る時は何も持っていなかったのに家には既に着替え何かの荷物が置いてあった。

リリカの荷物はフーカ達が領主の屋敷から帰る時に乗っていた馬車に既に積んであったらしい。俺と実際に会う前に荷物だけは運ばれていたみたいだ。断られることを考えていなかったんだろうな。


「いらっしゃいませ。旦那様、――本日はこちらのお嬢さんお二人分ですか?」


リリカが「なぜ着替えを持って来てしまったのじゃぁぁ」っと頭を抱えているの眺めていると店の奥から人族の若い女性が出て来た。リリカにチラリと視線を向けたが何事もなかったかのように視線を逸らして微笑んでいる。プロだな。


「あぁ、この二人に似合う服を見繕ってくれ。一応三着づつだけど良い物があるならその限りじゃないから。代金はこれで」

「はい、かしこまりまし、た? ぇ? え?」


服の相場が分からないからとりあえず金貨を二枚手渡したんだけど、店員さんが金貨を確認してこちらを伺うような視線を向けてきた。


「……足りないか?」


「いえいえいえ! 十分過ぎます。ではお嬢様方、こちらにどうぞ。先ずは採寸いたしますね」

「お、お嬢様?」

「ははは、市場で服買うのに金貨出すのはご主人様ぐらいだね」


この店は周りの店より広く仕切りがしっかりしている。店員も人族の若い女性が三人もいるし、奥にはちゃんと着替えが出来るようにスペースが確保されている。露店以上店舗未満って感じかな。


本当は表通りの高級洋服店に連れて行こうと思ったんだけど、フーカとリムリにそれとなく聞いたら「絶対にダメ」って言われたのだ。

この店は中古服や中古服を新たに仕立て直した服が置いてあって、市場の中では結構繁盛していそうな佇まいだ。


フーカ達を待っていると別の店員? 店長? が出て来て、「オーダーメイドもやっておりますよ」って言いに来た。

とりあえずフーカとリムリ用にメイド服をオーダーしておいた。金額が分からないから金貨を一枚渡すと「高級店にも負けない最高品質の一品を仕立てます!!」と目をギラつかせて奥に戻って行った。

……お釣りの概念ってないの?


「主様! 妾にはメイド服はないのかッ!?」

「お前は家事出来ないって自分で言ってただろ? ……リリカにはこれを買ってやろう」

店先にリボンが置いてあったのでそれをリリカに見せる。

リリカの長い髪は前方で戦闘されていると広がって視界の妨げになるからこれでポニーテールにさせよう。断じてポニーテール好きだからではない。チラリと見えるうなじに魅力何て感じていないからな。


「お、おぉぉぉ! 主様から初めてのプレゼント! これが噂に聞く結納というものかッ!!」

「んなわけあるか。馬鹿なこと言ってるとやらんぞ」

この世界にも結納ってあるのか? ……昔の日本人が何かしたのか。


「冗談じゃ! ありがたく頂戴するのじゃ。むふふふ。ふふふ」

リボンを嬉しそうに抱きしめているけど、そんなに嬉しいのか? ただ露店で買っただけだぞ?

お金を払うのに近くにいた店員に視線を向けると指でOKサインしていた。さっき渡した金貨から差し引いてくれるのかな?


「……そうだ。オーダーメイドと言えば。すみません、さっきの人呼んでくれますか? オーダーメイド追加で」


俺の声に奥からすぐさま姿を現した先ほどの店員。いや、店長さんだった。二十代後半ぐらいで、両親は表通りで服屋をしているらしい。旦那はおらず、年下も好きって何を言い始めているんだ。


「オーダーメイドになるのか分からないけど、タオルって知ってますか?」

「タオルですか。聞かれると言うことはこちらではないのですね?」

店長さんが見せてくれたのは手拭いのようなザ・布だ。一応これがこの世界で一般的な体を拭く時などに使われているタオルらしい。


「ええ。もっと肌触りが良くて、厚みがあり、ふわふわした感じの、分かりますかね?」

「ええ。両親の店では扱っておりますよ。……ちょっと待っていて下さい」

店長さんが奥に戻り何やらゴワゴワした物とフワフワした物を持って来てくれた。


「こちらが貴族の方が使われる高級タオル。そしてこちらが私が考案した最強タオル「たおるん」です」

……店長さんのネーミングセンスは置いておいて。


高級タオルはゴワゴワした方で、普通のタオルよりは厚みがあって吸水性もありそうだ。ただゴワゴワしたって表現通りなんだか硬いし、肌触りが痛い。布のタオルよりは良いけど、好んで使いたいわけではない。


最強タオルの方は「たおるんです」うるさい。こっちの方は日本にあるタオルよりむしろ良い。柔軟剤でふわふわになっているかの如く柔らかくて滑らかだ。店長さんの話では吸水性にも優れているらしく、自身の最高傑作らしい。


高級タオルの方はバスタオルぐらいの大きさの物で銀貨三枚。確かに貴族向けだな。

「たおるん」の方はバスタオルサイズで金貨一枚。ちなみに今度王族に献上する予定らしい。確かに最強タオルだ。ツッコミはしない。


このたおるんだけど、素材は丸兎の毛皮らしい。帝都の方にあるダンジョンに生息している魔物で上質な毛皮になるらしい。普通は高級品の服やコートの材料になるらしいけど、この店長がその優れた吸水性と肌触りをみてタオルに仕上げたらしい。まだ完成したばかりで知っているのはこの店の店員だけみたいだ。


「なるほど。確かに良い物ですね。……これは量産するんですか?」

「……したいのは山々ですが、手間が凄く掛かるんです。一枚作るのに三日。毛皮の処理を含めると十日は掛かりますからね。一応王宮に献上するので余分に五枚ほど作ったのですが、この金額で本当に売れるものなのか」

なるほど。素材を買って時間を掛けて作っても売れなければ意味がないからな。でもこの肌触りは反則だな。

「では、五枚とも買い取ります。あと、オーダーで三枚お願いします」


「…………え?」

「はい。金貨八枚。三枚は完成したら教えて下さい。それまでに使ってみて良さそうだったら追加注文しますから」

固まって動かない店長さんの代わりに近くにいた店員に金貨八枚を渡した。顔を引きつらせて恐る恐る受け取る店員に笑いを堪えていると、店長が復活した。


「ほ、本当に、良いんですか? 金貨一枚ですよ? もちろんそれだけの価値があると思っていますけど、それに八枚分も」

「ええ。とりあえずは五枚で足りますし、これを知ったら間違いなく自分の分も用意しろって言うヤツに心当たりがあるので。後は使ってみて本当に良ければ予備が欲しいので追加で注文すると思います」


このタオルを知ったら絶対にアオイは欲しがるだろうな。それに金を持った貴族も欲しがるだろう。今のうちに買っておいて損はしないはずだ。……量産できて価格が落ちたら泣くけど。


「丸兎の毛皮は高価ですから値段が上がることはあっても下がることはありませんよ。……分かりました。ではメイド服とたおるんのオーダーを承りました。――本当にありがとうございます」



店長さんからたおるんを受け取っているとフーカとリムリが新しい服装で出て来た。手には風呂敷包みを抱えており、三着分入っているらしい。それとは別に靴とエプロンを買ったみたいだ。メイド服のことは内緒にしておこう。


「二人とも似合っているぞ」

フーカ達が選んだ服は中古服を仕立て直した物らしく値段が安いらしい。流石に金貨二枚は多すぎるので金貨一枚と銀貨二枚が返ってきた。……ちゃんとお釣りあるじゃん。オーダー品が高いってことか?


「ご主人様、それなに持ってるの?」

「私が持ちます」

「これは今晩のお楽しみだ。フーカも自分の荷物で一杯だろう。これは気にしなくていい。今触ったら後からの驚きが減るからな」


奪い取ろうとするフーカを躱して店長を含む店員四名に見送られて店を出る。後ろから「今から数日は臨時休業よ! 皆作業の準備して!」って声が聞こえて来た。俺のオーダー品は思ったより早く手に入りそうだ。


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