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異世界ダンジョン制覇 ~目指せ楽園ハーレム~   作者: 夜桜 蒼
三章 ~異世界で成り上がります。~
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89話 盟約と絆 ②

指輪に魔力を込めて発動ワードを唱えると淡い光が俺とリリカを包みこんだ。


そして指輪を通してリリカの願いを感じた。俺との確かな絆。その代償を以て盟約を結ぶと。

リリカの魔力が俺に流れてきてそれと同時にリリカが差し出す代償の内容が頭に流れ込んで来る。


リリカが差し出すのは自身の全て。一切の躊躇なく、己の全てを差し出すと想っているみたいだ。

俺が差し出すのは確かな繋がりとその証たる魔力。……これはヤバいな。指輪の力で契約がどう作用するのかも分かってしまうのだが、リリカの想いが強すぎて天秤が傾いている。

このままじゃ、リリカにだけ契約の代償が流れてしまう。たぶんそれじゃリリカは持たない。


――くそ、ヤケだ。俺とリリカの魔力を繋げてやる。魔力の根源は魂だ。魔力を繋ぐと言うことは魂を繋ぐ魂の盟約に相当するらしい。詳しいことは良く分からないけど、俺とルナが結んでいる契約に近いものになってしまうみたいだな。


リリカが全てを差し出しているからリリカの魔力は常に俺の方に流れ込むことになりそうだ。そしてリリカは俺から受け取った魔力しか蓄えることも使用することも出来なくなるな。

しかも俺かリリカのどちらかが一定以上の重症を負った時、魔力回路を通してもう片方にもダメージが通ってしまうみたいだ。

まぁプラスに考えればダメージの肩代わりが出来るわけだが。即死の場合は強制的に契約が破棄されるから問題ないみたいだけど。


いや待て、これは――リリカが全てを差し出す事にしているから、もし俺が先に死んだら道連れでリリカも死ぬぞ? ん? これってルナもかッ!? アイツこんな大事なこと黙ってたのか!!


『――ジン、リリカがもう限界よ。早く契約を締結させなさい。もし、条件が複雑になって戸惑っているなら一端中止にしなさい』


頭に小さく響くようにルナの声が聞こえてきた。意識をリリカに向けるとかなり苦しそうにしていた。

俺と魔力が繋がって俺の魔力がリリカの方に流れていたみたいだ。許容を超える魔力を受け取ってしまったみたいだ。ただこの状態で中断は出来ない。すぐにリリカの魔力を回収して適量をリリカに送り返すとリリカも楽になったみたいだ。

しかしこれ以上時間を掛けれないのは同じだな。今更変更も出来ないし、俺は絶対に死ねない事になったみたいだ。


「――これで契約を成立させる。リリカもこれで問題ないな?」

リリカに契約内容が分かるように意識化に詳細を送る。

「これは……これでは主様に迷惑が」

「俺よりお前の方が被害デカいよ。魔力が自由に使えなくなる。俺が死んだら巻き添えだ」

「元より主様より後に死ぬつもりはない。主様が死ぬ時は妾はもう生きておらん。それは良いが、魔力の受け渡しが出来ない場合、主様の魔力が使用不可になってしまうではないか」


まぁ仕方ない。リリカは自身の魔力を使用することが出来ないので毎日魔力提供をしなくてはならないのだが、これを怠った場合は俺の魔力が使えないようにしたのだ。そうでもしないとリリカと契約の条件が折り合わないのだから仕方がない。それにこれによって魔力提供が出来なかったとしても誰も死ぬことはない。万々歳だ。


「条件はこれでもリリカの方が重くなっているんだ。むしろ何でリリカは自身を捧げる事が出来るんだよ?」

ここは深層心理に近い空間だ。魂の居場所と言ってもいいだろう。ここで嘘を付くことはできない。だからこそリリカが本気で全てを差し出すってわかるんだが。


「妾達エルフにとって精霊神とは誠の神なのじゃ。その神であるルナ様がご降臨して主様を主としておる。妾にとって主様は神よりも更に上のお方となるのじゃよ? 此の身が主様の役に立つと言うなら迷う余地すらないのじゃ」


――はは、神か。近くはあるのかも知れないけどな。……リリカから伝わる想いは信仰や崇拝なんて生温いもんじゃない。……はぁ、ったく、大したヤツだよ、お前は。


「主様は妾のことを認めてくれるかの?」

「はぁ、お前はバカか?」

「はう、そう言わずとも」

「たく、家族でもないヤツの為に命かけるかよ。言っとくがリリカが契約を強制破棄したら俺の魔力回路はズタズタになるからな? たぶん魔力運用が出来なくなるだろう。そうなればルナにも被害が及んじまう。――俺はそれを認識した上で契約を結ぼうとしている。信頼しなくてできるかよ」


「っ! 主様は酷いお方じゃ。妾にどれほどの重圧を掛けるつもりじゃ? ――じゃが、主様の背負うものの一端を背負えると思うと嬉しくあるの」


今後俺達は望み通り強い繋がりを持つだろう。この指輪は今後一切の使用を禁止だ。ヤバすぎる。今回が高度な魂の盟約になったからヤバいんじゃない。これは軽い約束だろうと全て上位の盟約になる。契約を守らせるとかそんな次元の話じゃない。これは魂の束縛だ。おいそれと誰かに使える類のものじゃねぇ。


『ジン! 大丈夫なのッ!』


おっと、いい加減ヤバいな。

「リリカ、これで契約をするぞ? 今更ゴネるな」

「分かっておる。妾は主様に全てを捧げた身じゃ。主様の意思を尊重し、絶対に後悔させないように行動するまでじゃ!」 

はぁ、これ絶対ルナに怒られるよなぁ。ルナとの絆の方が強いってゴリ押ししよう。

「妾も協力するぞ。妾は主様と共にあるだけでこれ以上ないほど幸せなのじゃから」

「その言葉忘れるなよ? ――盟約の指輪よ! ここに我が盟約を締結せよ!」


頭に浮かぶ言葉を口にした瞬間、指輪に凄まじい魔力が吸われていく。意識が持って行かれそうだ。

ルナが必死に制御しているのが分かり、その次の瞬間、光が弾け契約が成立したと理解した。


いきなり現実世界に戻ったような感覚に目眩を覚えるが、視線の先にはルナとフーカ、リムリ、リリカ、そしてたわわな果実が四つあった。


「……まだ目が覚めていないみたいね。ちょっと殴ってみていいかしら? こう斜め四十五度で」

「にゃはは、これだけ凝視していて寝ぼけいるつもりかにゃ?」

「もう大丈夫でしょ! 二人共戻りなさい!」


脱衣場のドアからフィロが半身を出して怒鳴っていた。改めて前を見るとたわ――じゃなくて、アオイとミニャが立っていた。――タオル一枚で。


「ふむ。結構なお点前で」

ミニャは昨日思ったけど、アオイも中々だ。白いタオルから溢れる双丘が眩しい。何というか、――ご馳走様!


「やっぱりおかしいみたいね」

「あー、アオイ様? その格好で腕を持ち上げるのはマズイですにゃ。一端着替えましょうね~」

ミニャに引きずられて行くアオイの首から下を眺めつつ親指を立てておいた。


「ミニャ、放しなさい。数百発殴っておくから」

「それも後にしてくださいにゃ。あんまり暴れるとポロリしますにゃよ?」

「大丈夫よ。絶対守護領域があるから」

ハテナを浮かべたミニャに引きずられそのまま脱衣所へ吸い込まれて言ってしまった。……ッチ。


「ジン?」

「ジン様?」

「ご主人様?」

「主様?」


……何だろう。俺の居場所が随分と狭くなった気がするなぁ。


「って、リリカは大丈夫か? かなり無理させたはずだが」

「問題ない。これしきで弱音を吐いておったら主様の隣は歩けん」

胸を張るリリカの頭を撫でつつ、ちょっとむすっとしているルナに視線を移す。


「すまん、心配かけたな。ルナのお陰で無事どうにかなったよ。ありがとう」

「……フンだ。――ルナだって元の姿に戻れば……」

ルナが小声で呟いているけど、バッチリ聞こえているんだよね。俺がもっと強くなればルナに窮屈な思いをさせずに済むんだよな。もっと頑張らないとな。


「ジン様、本当に大丈夫なんですか? 凄い力の波動がお二人から流れていましたけど」

「うん! 凄かった! ご主人様とリリカ姉が光に包まれてルナっちが頑張ってたらミニャさんと店主さんが慌てて飛び出して来たもん! ぷるんぷるんだった!」


凄まじい魔力の波動を感じてアオイとミニャが飛び出して来たらしいのだが、その時の姿がまさに生まれたままの姿だったらしいのだ。俺の意識はリリカと深層心理に落ちていたからその姿を見ることは出来なかったわけだが。くそっ! 惜しいことをした!

フーカは胸をペタペタしている。とりあえず頭を撫でとこう。そんなに気にしないでいいと思うけどな。



「お待たせ。さぁ、バトルを始めましょうか」

腕を回しながら脱衣所から出て来るアオイにちょっと恐怖を覚えたが、すぐにフィロが出てきてアオイの頭を叩いた。


「アンタがあんな格好でいるからでしょ! ジンだってお年頃なんだからあんたが気を使いなさいよ!」

「にゃっはっは! ジンにゃんに見られて実は恥ずかしかったにゃねぇ。アオイ様もまだまだお若いですにゃ――」

遅れて出てきたミニャの頭をアイアンクローで掴み、少し赤くなったアオイが玄関に向かって行く。


「……お風呂ご馳走様。久しぶりに羽を伸ばせたわ。また来ていいかしら?」

爽やかに話すアオイだが、その右手にはミニャの顔がミシミシ言いながら掴まれており、「にぃぎゃあ! こ、これ本気! ちょ、ま、痛い、ニィギャァァァ」と猫娘の悲鳴が響いていた。


「あぁ。そういう約束だしな。毎日来てくれてもいいぞ。……ただそろそろミニャを離してやらないとここの家は殺人現場になりそうだぞ?」

ミニャは既にピクピクしている。ちょっと悲惨だ。

「あら? 仁君はミニャのことが嫌いじゃなかったの? 貴族の娘よ?」

「貴族にも色々いるって知ったからな。それにその猫とは良い関係を築けそうだ」

机に置いてあったダンジョンの詳細が書かれた羊紙をひらひらさせるとアオイはミニャをボドッと落とした。受身も取らずに床に落ちたぞ。頭ぶつけていないか?


「今回は許してあげるわ。次はないわよ?」

「あ、ありがとう、ございます、にゃぁ」

プルプルしながらミニャが起き上がった。こいつも頑丈だな。


「今度から私達が入っている時に変な実験はしないでくれると助かるわ。……あとフィロは私のよ」

実験をしたつもりはないが、迷惑をかけたのは事実か。慌てて風呂から上がらせたわけだし。だけどフィロって?

「……知ってるぞ? 奴隷なんだろ?」

「……それだけ知っていて欲しかっただけよ。また来るわ。おやすみ」

「あ、あぁ。おやすみ」

最後にひと睨みしてアオイは帰って行った。フィロとミニャもそれに続いて手を振って帰って行った。


「なんだかひと騒動だったな。……って、あ! めしめし! みんなの分作ってるだろ!」


それからフーカがもう一度アオイ達を呼びに行って、みんなで夕食を食べることにした。

渋々だったアオイもリムリの料理を食べて目の色を変えていた。流石は料理スキルだ。能面女すら笑顔にでき――いえ、何でもないです。

ギンっと視線が飛んできたので大人しく食べることにしよう。うん。美味い。


アオイ達も絶賛しているし、やはりリムリの料理はレベルが違うんだろうな。その内日本食を再現させてみようかな。アオイも喜ぶだろうし、俺も食いたいからな。



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