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異世界ダンジョン制覇 ~目指せ楽園ハーレム~   作者: 夜桜 蒼
三章 ~異世界で成り上がります。~
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76話 巨大鉄熊


「(どうやらこの階層で終わりみたいね)」

十四階層も駆け抜け、十五階層へ降りるとルナがそう言った。

「(ボスがいるってことか。また蜘蛛じゃないといいけどな)」

「(このダンジョンは熊と蜂が主だからそのどっちかじゃないかしらね?)」


「はぁ、はぁ、ジン殿どうした? 休憩は不要ぞ」

「いや、気配を探って居てな。どうやらここで終了みたいだな。また中ボスじゃないならな」

俺の言葉に安堵の表情を浮かべたリリカは姿勢を正した。


「ならこれで、ダンジョン制覇じゃな。まさか本当に二人で十五階層まで来るとは恐れ入ったのじゃ」

「まだ終わってないぞ。ボスはそこらの雑魚より強いんだし、気を抜くなよ?」

「分かっておる。足を引っ張らぬよう入口から援護に徹する」

まぁそうしてくれた方がいいかな。リリカもそれなりに戦わせたし、これで屋敷に返してもいいかな?


「(ジン、終わってから考えなさい。右手から熊が二体来るわよ)」

「(了解。ならさくっと倒させてもらおう)

熊二体を一閃して、ボス部屋を目指し駆けっこを再開する。



「ここだな。リリカ、準備はいいか?」

ボス部屋に着いて中を覗くと何やらデカい塊が部屋の中央にあった。丸まって寝てるのか?


「ちょ、ちょっとだけ休憩じゃ、こう息が上がると狙いが定められん」

リリカは深呼吸をして息を整えていた。まぁ狙いがズレて俺に当たったら最悪だしな。


「よし、いつでも良いのじゃ」

「なら行くぞ」

思いの他時間が掛かってしまったからな。早く帰らないとフーカ達が心配するし、御飯が冷める。

部屋に入ると足音に気付いたのか中央で丸まっていた毛皮がガバっと起き上がった。


「……でっっかぁ!!」

巨大熊ビックベアーか! いやこれは巨大鉄熊ビックアイアンベアー!!」


どこのロボットだよ! 巨大って付ければ何でも許されると思ってんのかッ!!

熊が完全に立ち上がると四mはある巨体を二本足で支えていた。


「ッ来るぞ!」

腕を前に突き出しかと思うと反動を付けて、前に倒れ込むように丸まりこちらに転がって来た。

まさにトラップで見る巨大鉄球のような姿だ。


「ッち、虚空斬り!」

転がって来る熊に斬撃を飛ばすが、当たっても速度は落ちず向かって来た。

「くそ、弾かれて威力が軽減してるな。リリカ避けるぞ!」

リリカを抱き上げ軌道から離脱するが、どうやっているのか俺の動きに合わせて曲がり後ろを追いかけて来た。


「じ、ジン殿! 来てる! 来てるぞ!!」

「わーてるよ!! ならこれで!!」

壁に向かって走り、そのまま壁を垂直に蹴り上がり、数m上がったところにフルンティングを突き刺しぶら下がった。

その直後、下で凄まじい衝撃が起こりダンジョンが大きく揺れた。


「(ちょ、ジン! このダンジョンは崩落仕掛けてるかもしれないのよ!」

「(分かってるけど、今のはしょうがないだろ!)」

「ジン殿、何をブツブツ言っておるのだ? それより、下ろして欲しいのだが」

フルンティングを突き刺してぶら下がる為に、リリカは肩に担ぎ直したのだが、お気に召さなかったようだ。


「よっと、……死んだ?」

「……ベァァァァァアァ!!!」

ですよね~。壁にめり込んだぐらいで死ぬなら苦労しないよな。

「リリカどっか逃げてろ。これ以上今の作戦は使えねぇし、直接ぶった斬る!!」


「わ、分かったのじゃ。気を付けよ!」

「あいよ。(ルナ、一応リリカにも気を配っていてくれ)」

「(了解。来るわよ)」


熊は目の前にいる俺に対して腕を叩きつけて来たが、数歩後ろに下がり爪ごと手を切り裂いた。

「ベェァァァァ!!」

「暴れられて崩落したら堪らんからさっさと決めるぞ。お前の強度はフルンティングならそこまで固くない」

山賊王の太刀なら弾かれる可能性もあるが、レベルが上がり続けるフルンティングに切り裂けないものはないのだ!!


「先ずは寝てもらう!」

熊の足元へ滑り込みその異様に太い足を切り裂く。

切断までは行かないが骨を断つことはできた。片足を失い、倒れ込む熊はそのまま丸まり転がり出した。


「って! リリカ! くそッ!」

熊はそのまま真っ直ぐにリリカの方へと転がり出したのだ。

くそ、間に合わん! 

「――転移!」

転移の指輪を使い熊の転がる軌道の先、リリカの目の前に転移する。


「ッ! ジン殿!?」

「これで! 終わりだぁぁ!!」

眼前に迫る熊に魔力を込めたフルンティングを下から切り上げる。熊は前面に回転している為、フルンティングに自分から切断されに飛び込んで来たようなものだ。

もっとも、フルンティングの刀身では熊の半身まで届かず、ぐるりと切り込みが入るだけで切断できず、血飛沫をモロに被り、


「セロ・トルネード!!」


熊の横側にいたルナの風魔法で熊は俺達の横に吹き飛んで行った。


「……ジン殿?」

「何も言うな」


俺とリリカは熊が切断される時の血飛沫を正面から浴び全身血まみれになっていた。ルナが吹き飛ばしてくれなかったら熊の巨体そのものが俺達にぶつかっていたかも知れない。


「(全く、正面じゃなくて横から軌道を変えれば良かったのに。水で洗い流すわよ?)」

「(頼む)」

ルナの水魔法で滝に打たれるようにして俺とリリカは血を洗い流した。


「ジン殿。今の魔法もそうだが、その前の魔法も横から放たれた。それに、妾の前に突如として現れたのは?」

流石にいろいろマズイかな? 魔法って横から放てないのかな? ……放てることにしよう。転移魔法も使えることにしよう。


「ジン、もうしょうがないでしょ。下手に隠して探られるのも嫌よ」

「ッ! 精霊様、……え。――精霊神様?」


どうやらルナが姿を見せたみたいだな。まぁ、修行が今日で終わりにならなかったらいずれバレることだしな。

「そうよ。ルナは精霊神ルナ。ジンのパートナーよ」

「な、そ、え? でも、え?」

リリカは完全にパニックになっていた。地面に跪いているが、俺とルナを見ているが視線が定まっていない。


「落ち着け、さっき自分で言っていただろ? 俺のは精霊の加護じゃないけど、ルナがパートナーになってくれてるんだよ。良かったな、精霊を連れているヤツを見ることが出来たじゃないか」

「そんな、でも、――精霊神様が? あ、ありえません! 精霊神様、どうしてジン殿に」

「ジンがルナのパートナーに相応しいからよ。それ以外何があるの?」 

「ッ申し訳ございません。決してジン様を侮辱したわけではありません」

リリカはひれ伏し、まさに神と対話しているかの様子だ。


「あー、そんなに畏まらなくていいぞ?」

「そんなわけには参りません。ジン様にも数々の非礼お詫び申し上げます」

えぇー。なに、リリカってルナを信仰でもしてるの?


「はぁ、リリカ。ルナはずっとジンと一緒に居たのよ? あなたの性格も分かってるからそんなに畏まらなくていいわ。普段通り接しなさい、ジンが困ってるでしょ」

「も、申し訳ございません。しかし、精霊神様にあのような言葉使いをするわけには」

「ルナよ。一々精霊神様って言いづらいでしょ。それに言葉使いで怒るならもっと前に怒っているでしょ? あとルナのことは他の人には秘密よ。ジンが困るからね」


「……分かりました。……ルナ様の御意志を尊重させて頂きます」

「あー、そろそろいいか? とりあえずダンジョンも制覇したし、地上に戻ろうと思うんだけど?」

熊が落とした素材と魔石を拾い、二人に声を掛けた時、


「ジン殿! リリカ! 無事か!!」


なぜか領主がやって来た。



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