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異世界ダンジョン制覇 ~目指せ楽園ハーレム~   作者: 夜桜 蒼
三章 ~異世界で成り上がります。~
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75話 ジンの知らぬところで


「ふぅ、ふぅー。これほど、急いでダンジョンを攻略したことは我らでも経験ないな」

「はい。本当にこの先にクジョウ様が居られるのか心配になって来ました。魔物を殲滅しながら進んでいるはずなのに、我々が追い付けないとは」


十階層まで進んで来たが、その間に遭遇した魔物は精々十数匹。これほど魔物がいないダンジョンも初めてだ。先を進むジン殿が殲滅していると考えるべきであろう。

戦闘の痕跡を追って進んでいるので地図がなくとも階段まで迷うことなく進むことが出来ていた。


「ジン殿はどうやって階段を探しているのだろうな。ほぼ最短ルートで階段を目指している気がするぞ。まさか地形把握のスキルでもあるのか?」


以前、超音波を使ったダンジョン内の構造把握をする冒険者の話を耳にしたことがあったが、それでも精度はそこまで良くなかったはずだ。だが、ジン殿の通った後を続くと行き止まりにぶつかることもなく階段まで導かれているのだ。


「何かしらのスキルがあるのは間違いないでしょう。そしてそれがクジョウ様が最速でダンジョンを制覇してきた理由ですね」

そういう事だろうな。益々ジン殿を手放す訳にはいかなくなったな。ジン殿が居れば深層迷宮の攻略にも光が見えるだろう。


「「バレン様、こちらです」」


アイラ達に呼ばれ部屋に入り、自分の目を疑った。

「こ、これは、――まさか巨大蜘蛛ビックスパイダー!! 地上に出て災害指定B級になった魔物だろう!!」


戦闘能力自体はそれほど高くないが、繁殖することが出来、さらに吐き出す糸は鉄線の如き強度持つ寄生種の蜘蛛だ。

以前地上で発見され討伐に向かったのだが、最後にこのダンジョンに逃げ込まれ、その衝撃で入口部分が倒壊しかかったのだ。その為、討伐の準備が整うまで入口を封印していたのだが。


「これは剣撃による傷、滅多切りになっておりますな。以前戦った時はその皮膚の硬さに手を焼いたと言うのに。小蜘蛛もかなりの数がいたようですな。切断されたもの、焼き尽くされたものが多数おります」

ジン殿は魔法剣士と言っていたが回復魔法の他にも炎系もかなりの腕前のようだな。このひと部屋を攻略するのは我らでも数時間は要するだろう。それなのに我らはまだジン殿に追い付けないのか?


「「少し熱が残っています。ここで戦闘があって一時間は経過していると思います」」


ジン殿が屋敷を飛び出してそれほど経たずに追いかけて来ている。ジン殿は戦闘をしながら進んでいると言うのにこれほどまでに速いというのか。

「セバよ。私は勘違いをしているのかも知れないな。ジン殿はまだ私より弱いと言ったが、それがそもそもの間違いだったのかも知れない」

「否定を申し上げたい所ですが、現状では難しい。しかし、確実に距離は縮まっているはずです」

「……そうだな。リリカを連れている為、苦戦している可能性もある。急ごう」




「にゃぅぅぅ。酷い目にあったにゃぁぁ」

「切り落とさなかったんだから感謝しなさい」

「ぐす、もうお嫁にいけないにゃ。ジンにゃんに養ってもらうにゃ」

「……ペットとしてなら飼ってくれるかもね」


うぅ、フィロ姉の視線が怖い。私結構頑張ったよね? 領主様相手に直談判までしたんだよ? なんでこんなに怒られてるの?


「まったく。アンタが何も言わずにジンを連れて行ったから凄い騒ぎになったんだからね」

「にゃ? そう言えばさっき野郎どもが集まってたね? どうしたの?」

「どうもこうもないわよ」



~ジンが領主の屋敷へ向かった頃~


「フィロさん! 大変だぁ!! あのガキ共、連行されちまった!!」

店の掃除が一段落付いてお茶でも飲もうかとしていると曹長冒険者のクルサが数人の冒険者と飛び込んで来た。

「――なんですって? 私は何も聞いていないわよ。ミニャはどうしたの?」


「そのミニャさんがアイツ等を連れて行ったんですよ! この辺の奴らにも聞き込みしましたが、朝からエルフの男二人とミニャさんがアイツ等の家で騒いでいたって! しばらくしてそいつらに連行される姿を結構な数が見てんですよ! フィロさんは気付かなかったんですか!」

ジンの家はたった二件隣だ。騒ぎがあったならすぐに――。


「――今日は朝から市場の方に行ってたから、その間に? でもそんな長い時間じゃ」

まさか私の行動を確認してからの犯行? 私が居たら邪魔されると思って?


「フィロさん――アンタが動くってんなら俺達も協力する。俺達はそれだけの恩をアンタから受けてんだ!」

「そうだぜ、フィロさん。一人で行こう何て思わないで下さいよ」

「アイツ等には昨日フィロさんの仇討ちを任せちまった。アイツ等が罪を全部被ることはねぇさな」

「そうだ。悪いのはブタとスペルドのヤツだろ! ガキ共を差し出すなんざ、ギルド長はどうしちまったんだよ!」


ミニャが何も考えずにジン達を差し出すとは思えない。――でも、もし私達に被害が及ぶことになり、それを回避するためにジン達を差し出したとしたら? 数人の犠牲で今回の事件を治めるつもりで。いや、有り得ない。ミニャだってジンの強さは分かってる。でも、確かミニャにはルナ様のことは説明して居なかったわね。まさか私と認識に違いがあったの?


「……他に情報はないの? カムは何か知らないの?」

ミニャが働かないから実質的にギルドをまとめている青年のことを聞くが、


「カムさんも詳しいことは何も聞いていないみたいです。それで詳しい事が分かるまでは動くなって冒険者達をギルドに集めています」

「そう。それで貴方達だけはそれを無視してここまで来たのね?」

ギルドの方針を無視して動けば罰則もあるだろうに。ジンの為? 私の為? 両方かしら。馬鹿なヤツらね。


「フィロさん、バカ言っちゃいけねぇ」

そう言い扉を開けたクルサの背後には数十人の冒険者達が店の前に集まっていた。


「あのガキ共も冒険者の一員だ。つまりは俺達の仲間だ。それに昨日借りも作っちまったしな。貴族の理不尽を押し付けようってんなら、――俺達全員、領主様と戦う覚悟もあるぜ」


――本当に馬鹿な連中だこと。


「先ずは情報を集めるわよ。いきなり処刑にはならないだろうから時間はまだあるわ。慎重に行動しなさい。いいわねッ!」

「「オォォォォォォ!!!」」



「――それで情報集めていたら、ミニャはシルバーク家の命令で連行しているって話になって、ギルド長としてじゃないからジンを連れて行ったのでは。とか憶測が流れてね、暴走させないようにするのも骨が折れたわよ」


「うぅぅ、ゴメンにゃ。でも、私も領主様の屋敷で直談判してそのままセバさん達とジンにゃんの家に直行したから抜け出せる時間なかったのよ?」

「分かってるわよ。ただそれでも何かしらメモでも置いて行って欲しかったわね。下手したら領主様の屋敷を冒険者が包囲する事態になっていたのよ?」


「それは笑えない事態にゃね……。でも、ジンにゃんは領主様に気に入られたみたいだからもう大丈夫と思うよ?」

「そうだったらいいけど。――ジンの事だからね。何かやらかしていないといいけどね」

「あーぁ。……リリカ様、随分と聞き入っていたから、帰り道にあるダンジョンに二人で入ってたりして」


「やめてよ。ジンは普段だってフーカと二人で入ってるのよ? 有り得そうで怖いわ」

「にゃはは、流石にジンにゃんだって分かってると思うけどねぇ」


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