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異世界ダンジョン制覇 ~目指せ楽園ハーレム~   作者: 夜桜 蒼
三章 ~異世界で成り上がります。~
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73話 哀れな猫

「ミニャさん、送ってくれてありがとうございました」

「送ってくれてありがとう! 楽しかったよ」

「にゃっはっは。私も楽しかったにゃ。ジンにゃんが帰るのは明日になるかも知れないけど、二人で大丈夫か――」

ジン様と別れてミニャさんに家まで送ってもらい、特に問題もなく無事家まで帰って来たのだけど、


「ミニャ!! ジン達を連れて行ったって聞いたわよ!!」

着いて早々フィロさんがお店から凄い剣幕で出てきた。いや、フィロさんだけじゃない、先日医療院で見た冒険者が沢山出てきた。

「な、なんにゃ? フィロ姉、なに怒ってるにゃぁ?」 


ミニャさんの腰がすごい引けていた。フィロさんは普段見せないほどの殺気を含んだ怖い顔をしている。


「ギルドの子から聞いたわよ。――ジンはどうしたの? まさかっ!!!」

「ッ!」

「ひッ!」

フィロさんからとてつもない殺気が刺さるように飛び出した。リムリンは私の背中に隠れて悲鳴を短く漏らしていた。無理もない、ダンジョンのボスと対峙した時より遥かに恐ろしいのだから。それを正面から叩き付けられるミニャさんは堪らないだろう。


「ご、ごご、誤解にゃ!! 確かに連れてったけど問題はないにゃ!!」

「問題がないわけないでしょ!! なんでアンタはジンを置いて帰ってんのよ!!!」 


「ふ、フィロさん! ジン様が残ったのはジン様の意思ですッ!」

ちょっと違うけど、これ以上はミニャさんが可哀想です。ジン様の為に領主様へ説得をしてくれた恩もあるのです!


「フーカ、貴方達も怪我はないのね? 奴隷契約も健在ね?」

「はい、大丈夫です」

どうして奴隷契約のことを聞いたのか分からないけどフィロさんはとりあえず落ち着いてくれたみたい。


「それで、ミニャ? 問題ないってどういうことかしらね?」

「大丈夫にゃ! ジンにゃんの罪は帳消しってことで話は付いてるにゃ! 今居ないのもジンにゃんのバカが私の話を聞かないで領主様の所に残るって言ったからにゃ! ね、フーカちゃん!」

「……」

「フーカちゃんッ!!!」

「ミニャ?」


ジン様をバカ呼ばわりするからです! でも恩人には違いありませんね。

「ジン様はきちんと考えがあって残ったと思います。だから大丈夫です」

「そう。――――ならいいわ。アンタたちも分かったでしょう! もう帰りなさい!!」


「「「うぃース」」」 


冒険者の方達はフィロさんに挨拶をしてバラバラに帰って行った。何だったのでしょうか?


「ミニャは来なさい。詳しい話を聞かせてもらうわよ?」

「そんなに心配しなくても大丈夫にゃ! ホントにゃ、ホント――――」

ミニャさんはフィロさんに引きずられて店に入って行った。

フィロさんはルナ様に治療してもらってから強さが格段に上がったと思うな。


「フーちゃん、もう大丈夫?」

リムリンは私の背中で涙目だった。

「大丈夫だよ。フィロさんが優しいのはリムリンも知ってるでしょ? あんまり怖がったらダメだよ」

「う、でもあれはムリだよ。体が動かなくなっちゃったよ!」

「うん。あれは仕方ないと思うよ。でもフィロさんを怖がっちゃダメ。フィロさんはリムリンの為に本当に命を懸けてくれたんだから」


リムリンが本当に怖がっているとは思っていないけど、フィロさんがすぐにお店に戻ったのはリムリンが怯えてたからだと思う。フィロさんは私達の為に怒っていたんだから。私達のことを心配していたんだから。


「うん。今度謝らないとね」

「お礼の方が良いよ。ジン様と一緒に行こうね」

「うん!」

なんだがリムリンが妹のように思えて来たなぁ。私の方が妹だったんだけど。




「それで? どういうことになっているの?」

「だから、ジンは無罪放免だって! ジンの功績とブタの死を天秤に懸けてもらってお咎めなしって運びになったんだから!」

ミニャは私は頑張った! って誇らしげに言っているけど、どうもそれだけじゃない気がするのよね。


「それで? どうしてジンは残ったの?」

「それは、そのー。わぁぁぁ待つにゃ! 言う、教えるから!」

「早くしなさい」

席を立つだけでミニャはペラペラ喋ってくれた。よく躾られた猫だこと。


「つまりジンはリリカ様が政略結婚的な意味合いで同行することを知らないわけね」

「教えようとはしたんだよ? 止めもしたんだよ? 一緒に帰ろうって胸を押し付けもしたんだよ?」


「……最後の件については後でお仕置きするとして。領主様はそんなにジンのことを買っているの?」

「うぅぅぅ。そうにゃね。昨日の夜、ジンの功績を説明した時は特にリリカ様が食いついていたから、そんなに悪い話でもないかも知れないけど。領主と繋がりが持てるわけだし」


「そう。――でも、結婚を許しているわけではないのよね? あくまでリリカ様を同行させることでジンが他国に行かないように監視させる的なことよね」

「んー。どうかな、領主様はそう考えているって思ってたけど、茶会のやり取りを見ていると随分ジンを評価していた気がする。リリカ様は冒険者に憧れているから、まさに英雄の様な活躍をするジンのことを特別に思ってもおかしくないかも」


「……その事はフーカ達には?」

「領主様のお嬢様が来るかもって軽くだけ伝えたけど、理解はしていないかも?」


……フーカは敏い子だから気付いているでしょうね。ただの貴族のお嬢様ならフーカに軍配が上がりそうだけど。リリカ様は武芸にも秀でてるって聞いたことがあるわね。それに年頃の娘でもあるし。私達には無い武器も持ってる――。


「フ、フィロ姉? ど、どうしたの? なんで私の胸をそんな見てるの? ジンに押し付けたのは緊急事態だったからだよ? ジンも満更でもないって顔してたし、大丈夫だよ?」

「巨乳は死ねぇ!!!」

「ひぅっ! ちょ、待ってよ! アオイ様も巨乳だよ! デカいよ! ぷるぷるだよ!」

「うるさい!! そんなこと聞いてない!! その乳切り落とす!!」

「ふにゃぁぁぁ!! ちょっフィロ姉!! それ真剣!! 斬れる! キレるよそれぇぇぇぇぇ!!!」




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