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異世界ダンジョン制覇 ~目指せ楽園ハーレム~   作者: 夜桜 蒼
三章 ~異世界で成り上がります。~
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71話 剛胆

「(……どうやらこの階層で終了みたいね。奥に強い力を感じるわ)」

九階層の階段を下りた所でルナがそう報告してくれた。


「どうやらこの階で終わりみたいだぞ? ボスの気配がある」

「なに? ジン殿、それはおかしいぞ。冷静になって思い出したのじゃが、この周囲にあるダンジョンは確か浅いモノでも十三階層はあったはずじゃ。屋敷の近くに新たに生まれたダンジョンはセバ達が処理しておったからの。妾も元々は新たなダンジョンだと思って入ったのじゃからな」


リリカは領主の娘としてこの辺りのダンジョンの攻略具合は把握しているらしい。……それで結界壊して中に入るのか?

五階層を超えても続くダンジョンに違和感を覚えて八階層を超えた頃には確信に変わっていたのだ。


「リリカ。分かった時点で報告しろよ」

「すまぬ。ジン殿と潜るダンジョンが楽しくての。ジン殿も分かって降りておるとも思っておったしな。上の階層を目指さぬという事は制覇するつもりなのだろう?」


なるほど、そう捉えていたからか。俺には転移の指輪があるから修行気分だったけど、リリカにとっては攻略に向けての行動に見えていたんだろうな。

「なるほどね。それじゃ、このダンジョンは何階層かわかるのか?」

「そうじゃな。資料で見ただけじゃから確信は持てんが、十五階層か二十一階層のダンジョンが屋敷の近くにあったはずじゃ」


現在が十階層だから深い方でも半分か。魔物の強さはそれほどでもないから制覇できる気もするが。

「(ルナ、気配はどうだ?)」

「(近くに二体、奥に感じるのは動いていないわ。ボスじゃないとしてもその辺の魔物より強いはずだからね)」

「(了解)リリカ、ボスじゃなくてもこの先に強い反応はある。どうする? 二十一階層だったとしたらまだ半分だ。一旦地上に戻るか?」


俺は階段を指差しながらリリカに聞く。リリカがもう限界が近いと言うならこのまま上の階層を目指す。

「妾はまだ大丈夫じゃ。出来ることならまだ進みたい、進んで制覇を成し遂げてみたいのじゃ!」

「ここじゃなく別の所でも制覇は出来るぞ? 家に戻ればフーカもいる。今より安全に制覇することもできるぞ」


正直、リリカはフーカより弱い。フーカと攻略していたなら恐らくもう五階層は下にいるだろう。遠距離戦ならフーカが負けるかも知れないが、少なくともダンジョン攻略ならフーカに軍配が上がるだろう。


「妾は安全に守られ最下層を目指したいわけではない。妾も冒険をして、ダンジョンを制覇したいのじゃ!」

「領主の娘としてか?」

「それもあるかも知れん。しかし、妾は一人の冒険者としてダンジョン制覇を楽しみたいのじゃよ」

そう言ったリリカの表情は疲れを感じさせないいい笑顔だった。


「はぁー。なんだかお前の世話をするのは骨が折れそうだ」

「世話をして欲しいわけではないぞ? 妾のことは仲間と思うが良い」

こんな偉そうな仲間はいらんよ。……はぁ、とりあえずルナが言ってる気配の所に行ってみるか。



「これは――なにがあったのだ」

三階層まで来たがジン殿に会う事はなかった。そして落盤した場所に来て驚いたことが一つ、ダンジョンの壁に抉られたような地割れがあったのだ。


「これは、剣撃ですね。ミニャ殿が言っていた虚空斬撃でしょう」

話には聞いていたがこれほどの威力と言うのか。しかも落盤したダンジョンでこれほどの技を恐れることなく使うその剛胆には恐れ入る。


「「よく崩落しなかったですね」」


「……ダンジョンの外壁事態はかなりの強度がある。それを見越してのことかも知れんな。流石に真似はできんが」

この剛胆さにここに来るまで出会わなかったことを考えると。


「ジン殿はこのダンジョンの制覇に乗り出した、ということだろうな」

「……まさか、と言いたい所ですが、そのまさかのようです」

「「こっちに戦闘の痕跡があります。私達が来た方向と違う方です」」

戦闘の痕跡を探しながら後を追うと矢の痕がいくつも見つかった。


「これは、まさかここでリリカの修行をしているのか」

三階層に入ってから魔物の数が激減していた。おかしいとは思っていたが、狩り尽くしながら下層を目指しているのか。


「「落ちたついで?」」


「……それが冗談に思えん所が恐ろしいな」

「このダンジョンは十五階層です。いくらクジョウ様でも配下の者がおらず、リリカ様と二人では無理なのでは」

ジン殿は普段犬人族の少女と二人で潜っていると言っていた。リリカがその少女と同等の力とするなら無理でもないのかも知れない。


「「クジョウ様は武器を持っているのですか?」」


「「あ」」


セバの方を向くとセバは難しい顔をしていた。

「身体検査まではしておりませんが、私の見たところクジョウ様が武器を携帯していたとは思えません。ミニャ殿と犬人族の少女は武器を預けてくれましたが、ジン殿は素通りしておりました」


「つまり、ジン殿は武器どころか食料も持たずにダンジョン制覇をしていると?」

リリカは双剣と弓を持ち歩いていたはずだ。双剣をジン殿が使っているのか? そんな慣れない武器でダンジョンを制覇するつもりなのか?


「「実際の所、五時間程度で十階層を制覇しています。十五階層は八時間程度で攻略できると考えたのでは?」」

「……それだけ聞くと馬鹿にしているとしか思えんが。実績があるからたちに負えんな。セバ、現在の装備で彼らを追い掛けることは可能か?」

ダンジョンを制覇するつもりで来たわけではないので、装備もアイテムも簡単なものしかない。


「ジン殿が魔物を倒しながら進んでいると仮定するならどうにか。今なら魔物の数も少ない筈です。しかし、そうなると旦那様のお力もお借りする必要が出て来るかと」

「構わん。アイラ、アイリ。お前達は痕跡を探しながら進め、戦闘は私とセバが受け持つ」


「「かしこまりました」」


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