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出会いの始まり

 全体のの物語変更に伴い、前話の一部ストーリー改変がされてます。

 私はまだ5歳で保育園に通っていた頃、お父さんの転勤の都合でこの町へやってきた。

 私たち友沢一家のやってきた所は『鈴ヶ丘町』と言う町。ここは昔、鈴蘭が咲き誇る花畑があったらしい。少し前、都市開発に伴い、この町もベットタウンの計画が立てられた。しかし、土地開発の際、住民が鈴蘭などの花畑を保護する運動が盛んに行われたため、鈴ヶ丘町開発は自然保護されたベットタウンを目指した開発がとり行われたらしい。

 今では、南の方角へ流れる天美川を沿って南部の地域は商店街などがあり、中部に住宅街、南部と中部に挟まれた場所には都市部や他の地域へ続く公共交通機関が揃っている。また、北部の方は丘になっていて、一部の裕福層の暮らす住宅街と、林や花畑などの自然が保護されている自然公園がある。

 鈴ヶ丘町は都市部から電車や車で一時間程度のエリアにある。また、自然が近くにあり、住宅街でも一部の場所では家庭菜園や農場がある。地域住民も温厚で平和な町として、この町はよくラジオなどで紹介されることがしばしばある。そのため、鈴ヶ丘町に住みたいと憧れる人も多いらしい。


 私の家族は4人家族。お母さんは専業主婦、妹は私より2つ下。お父さんは精密機械を作っている大手の会社に働いている。私たち家族が引っ越してきた理由は、お父さんは元々地方の支社の課長だったが、本社で事業拡大で引き抜かれ、都市部の本社に勤める事になったかららしい。

 鈴ヶ丘町に移住する事にした理由は、お母さんが好きな園芸を楽しんでほしいため、とお父さんは言っていた。給料が良くても貯蓄を怠らないお父さんは、この町に引っ越す資金もちゃんとあり、一軒家を買ったらしい。


 私は鈴ヶ丘町に引っ越してから、保育園は鈴ヶ丘南部保育園に通う事になった。3ケ所あるうちの、南部の商店街を南に抜けた先にある保育園。

 妹も年少として入ったが、始めの頃は不安で泣き止まなかったらしい。私はというと、案外ワクワクして登園していたとか。でも、不安も少しあったと思う。



 ――私の運命の歯車は、この鈴ヶ丘南部保育園へ入った時から動き始めたのだろう。

 


 この保育園に入った時、20人ほどクラスメイトが出迎えてくれた。やんちゃな子が多い中、永井 志信、彼だけはどこか落ち着いた雰囲気があった記憶がある。

 決して引っ込み思案だったり、根暗なわけではない。彼は男子も女子も関係なく仲良く遊ぶ子だった。周りの子もどこか信頼をしているかのように、彼を誘って遊んでいた。しかし、志信の目は、まだ小学校にも上がっていないにも関わらず、何か希望を持った輝かしい瞳をしていた。


 そんな彼に話しかけられたのは、通い始めた初日のお昼頃だった。


 「ゆずかちゃんはどんなあそびが好きなの?」


 保育士の先生から簡単なお話を聞き終わってから、まだ誰にも話しかけられなかった時、初めて彼に話しかけられた。他の子たちは外で遊んでいる中、彼は私の元へ駆け寄ってきてくれた。

 突然の事に、私は少し驚きと戸惑いがある中、こう答えた。


 「かけっことか、すきかな」


 志信は私の声を聞くと、にこやかに笑う。


 「じゃ、いっしょにあそぼうよ!」

 「……うん!」


 志信の笑顔を見た私は、少しだけあった不安が全部吹き飛んだ。そして、私は直ぐに靴を履き、志信の小さな手を握った。そして、2人で他の子が遊んでいる外へ駆け込んだ。



 


 保育園を卒園する頃になると、私は多くの友達に囲まれた楽しい時間を過ごしていた。特に、志信とは住んでいる場所も近所だったためか、私は彼と遊ぶ時間が一番長かった。

 志信は活気があるが、幼いながらも勉強熱心で落ち着きのある子だった。私はというと、所々やんちゃでいたずら好きだったため、時々保育士の先生に怒られたり、ケガをしたりと落ち着きが無かった。でも、志信と一緒にいるときは安心して遊んでいた。

 

 卒園後、大半のクラスメイトは別々の小学校に行った。私は南部保育園の近くにある鈴ヶ丘南部小学校に入学した。

 志信も南部小学校に入学したが、1年生の時は私と別クラスになったため、1年間ほどあまりあう事ができず近くにいても遠い存在になってしまったと感じた。


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