別の新しい話 そして新たな誕生
続きを読んでしまったか、後戻りをするなら最後のチャンスをやろう
闇の中を歩いている。 過去の記憶は霞のように消え、今の私はただ意識がもうろうとしたまま、足を前へと運んでいた。 それが日常だと思っていた。だが突然、何者かに意識を引き裂かれ、気づけば真っ暗な空間に一人取り残されていた。
「ここは……? 一体私はどうしたの?」
琴音はかすれた声で呟く。 目の前には、これまでの人生で積み重ねてきた“楽しい記憶”と“悲惨な記憶”が、まるでガラス片のように散らばり混在していた。だが彼女はそれに気づかぬまま、ただ歩み続ける。
やがて、遠くに一筋の光が差し込む。 その光から声が響いた。
「あなたはまだ、こちら側に来てはいけない」
声は直接、頭の奥に押し寄せてくる。
「また……? 今度は何よ」
琴音は立ち止まる。瞬間、携帯電話が震え、着信音が闇を切り裂いた。 画面にはただ一言
――「引き返せ」。
迷惑メールとして受信されたその短い言葉に、琴音は嫌悪感を覚え、携帯の電源を落とす。 その単純な行動が、すぐ後に訪れる危機を招くことになるとは、彼女は知る由もなかった。
目の前には季節外れの“アネモネ”が咲き誇っていた。
「水もあげてないのに、こんなにきれいに咲いている……」
琴音は軽く呟く。だが次の瞬間、花々の中から一人の人間が立ち上がった。
「カーネーション……? いや、匂いが違う。あなたは紫陽花ね」
その人物はゆっくりと近づいてくる。琴音は逃げようとするが、謎のフィールドに覆われ、足は縛られたように動かない。 携帯でSOSを送ろうとするが、先ほど電源を落としたため、助けを呼ぶ術はない。
「あなたのせいで、世界線がおかしくなっちゃったじゃない!」
彼女は叫び、琴音の胸倉を掴むと、下腹部に刃を突き立てた。 鮮血が溢れ、視界が赤に染まる。
「じゃあね、紫陽花。前回の話も、以前の話も、これで何も変わらず起きないことね」
意味不明な言葉を残し、彼女は闇に消えていった。
「……音……! ……琴音……!」
声が聞こえる。懐かしいようで、しかし思い出せない。愛していた人の声かもしれない。 返事をするのが常識だと、琴音はか細い声で応じる。
「よかった……! 生きてた……!」
声の主は安堵し、琴音の手を強く握る。
「自分の名前は? 今がいつかわかる?」 問いかけに、琴音は答えた。
「私の名前は琴音ではなく、“紫陽花”。いつかは……わからない」
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これが転生か…興味深い、しかし彼女が現代に帰ってくることが迷惑だデータとしては面白いものになりそうだ。やつを代わりに生贄にして夜通し儀式を行って正解だったな、あの時後輩に負けたあの”悪魔”を犠牲にして…
研究員のレポートNo2
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君がここまで読んでしまったから彼女が古より復活してしまった
悪い話ではない、続きが出ても読まない方がいい、さらに最悪な結果が君たちを待っているであろう




