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異説大東亜戦争  作者: たこ焼き
一章
54/80

日英講和締結す

すみません、遅くなった割には余り書けていません。

日英講和もあっさり書いてます。



           日英講和締結す





「また、会えましたな、ミスター・ハロルド。」

「ええ、ミスター・シゲミツ。」

日本外相重光葵と英外交官ハロルド・マクマホンは、

一九四二年九月二日の対談と同じく天津郊外で合流を果たした。

「申し訳ありません、チャーチル卿自ら、対談をする予定でしたが、

スエズが独逸の手に渡った今、通行ルートが確保できなかったので…。」

「仕方がありませんよ、では交渉に移りましょうか。」

ハロルドが椅子に腰かけたのを見て再び重光は口を開いた。

「それで、英国自ら対談を要請するとはどういうことでしょうか。」

ハロルドは苦笑いをしながら重光に語りかけた。

「独逸がスエズを占領したことは承知のことだと思います。

このため、英国とインドとの輸送ルートが隔絶いたしました。

正直なところ今の英国にインド全土を守りきるのは難しいのです。」

「それで、我が国にどうしろと。」

「率直に言いましょう、三国同盟を脱退していただきたい。」

「ふーむ。」

そう言うと重光は椅子に深く腰掛ける。

「以前も言いましたが、それは条件次第です。

インドの独立を容認していただけるというなら、それも可能でしょう。」

「インド全土の独立はまだ、英国としては容認できません。

チャーチル卿はヴィンディヤ山脈を境界として、

東と西に領土を分け、東を日本が、西を英国が運営することを考えています。

無論、この戦争が終わり次第独立にむけて動くとのことです。」

「英国はなにか思い違いをしていませんか。」

そういうと重光は言葉を続ける。

「我が国はインドの独立を求めているのです。

確かに今の世界情勢でインドから兵を撤退させるのはできないことはわかります。

インドは独立、東インドを日本が、西インドを英国が、

インドから基地を借用するという形なら対談に応じることは可能です。」

「……、わかりました。おそらくチャーチル卿も納得していただけるでしょう。

それで、インド洋での制海権の話ですが……。」

その後の極秘対談も順調に行われた。

決定した内容は、

一九四三年二月一五日に日本は三国軍事同盟を脱退する。

同日に、英国はインド、ビルマを含む東南アジア諸国の独立を承認する。

同日に、英国と日本は講和する。賠償金、及び領土の割譲は双方とも求めない。

一九四三年から、日英両国はインド洋での主力艦の運営を禁止する。

インドの基地借用の期日は今大戦終了後、一年以内とする。

そして、英国との講和と同時に、

オーストラリアとの講和を行うことも決定した。

これにより、日本軍は戦線の縮小を可能にした。

輸送ルートの保持に苦戦していた日本にとっては大きな助けとなった。

無論、独逸、イタリアとの同盟を脱退することには大きな反対がおこったが、

東条陸相、米内総理などの尽力により、なんとか国内はまとまった。

インド洋での脅威がなくなったため、日本はついに米本土攻撃作戦、

通称尬作戦の実行に着手した。





一方、アフリカの連合軍を駆逐した独逸は再びソ連侵攻を開始するため、

アフリカの兵力半分を東に集中させていた。

残りの半分はイギリス占領のために温存する予定である。

しかしソ連の方は工業地帯のウラルを占領されたため、

予定していたより、軍の増強ができていなかった。

ソ連軍は士気も低く、勝利は絶望的に思われていた……。





「同志元帥、考え直しては頂けませんか。」

「私はもう元帥ではないよ、同志ミハエル。」

「この国家の危機を救えるのは閣下しかいないのです。」

シベリアの地で顔を真っ赤にして喋っているのは、

ミハエル・エフレモフ中将である。

「それは間違っているよ、ミハエル。

この国家存亡の危機にクーデターなど起こしてみろ。

それこそ、ヒトラーの思うつぼだぞ。」

「しかし……。」

「貴様の国を思う気持ちはわかる。

私もこのままここで死ぬのはごめんだ。

だが物事にはタイミングがある、今は待て。」

モスクワ占領の罰でシベリアに流刑されたジューコフ元帥は、

そう言うと瞑目した。

ここ最近のソ連内の情勢は極めて不安定だ。

ジューコフのもとにクーデターの誘いが来たのはこれが四回目だった。

しかし、ソ連の情報部も無能ではない。

おそらく、このミハエルの動きも掴んでいるのだろう。

しばらく黙って立っていたミハエルだったがため息をつくと部屋から出て行った。

無論、ジューコフとて、このまま国家の危機を見ているほど呑気ではない。

独逸軍がソ連に再び侵攻してくるのは時間の問題だろう。

彼は椅子から立ち上がると扉を開け外に出て行った。






日英講和の内容はどうでしたか?

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