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異説大東亜戦争  作者: たこ焼き
一章
46/80

米軍驚愕す

今回はあっさりですね。

次は艦隊決戦あたりが書けると嬉しいです。

           米軍驚愕す






米攻撃部隊隊長ロス中佐は、

海を覆い尽くすように広がっている連合艦隊を発見した。

視界に入らない艦もいるほどの大艦隊である。

ロス中佐は、

珊瑚海海戦、ミッドウェー海戦でも攻撃隊長を務めたベテランである。

味方戦闘機と敵戦闘機が鎬を削っている間に、

艦隊の上空にたどり着き、敵艦に標準を定める。

その時、通信員であるウェールズ少尉が叫んだ。

「隊長、左方の空母を見てください。」

狙いを定めていたロスは彼を怒鳴りつける。

「話しかけるな、ウェールズ。なにを見たって……。」

怒鳴りながらも左方を見たロスは唖然とした。

目に広がるのは先ほど狙っていた空母の一、五倍はあろうかという、

馬鹿でかい空母だった。

「何だ、これは……。」

これほどの巨大な空母をジャップが作ったとは信じられなかった。

あの化け物のような戦艦を見たときも驚愕したが、

この空母はあの戦艦の大きさすら上回るように見えた。

それでもロスは平静を保つと、ウェールズに命令を出す。

「司令部に連絡を入れろ。我、巨大空母を視認す。

排水量は七万トンを遥かに上回ると思われる。

補助滑走路を有しており、速力は三十五ノットになると思われる。

くりかえす、敵巨大空母を視認す。」

「電信、打ち終わりました。」

報告を聞いたロスはにやりと笑う。

「どうしたんです。」

ウェールズの問いにロスは不敵に答えた。

「どうせ狙うなら、大物の方がいいだろ。

目標変更だ。あの巨大空母を叩くぞ。」

さすがはベテランのパイロットである。

列機達が逆落としに日本艦隊に突っ込んでいくのを見ながら、

ロスも機体を急降下させた。





第一航空艦隊旗艦「信濃」では、

第一航空艦隊司令長官小沢中将が上空を睨みつけていた。

戦艦十隻、重巡十二隻、軽巡四隻、駆逐艦三十四隻という大艦隊で、

がっちり陣形を固めており、

上空には百機を超える烈風が空母群を守っているとはいえ

米軍の攻撃隊を完全に撃退することはできなかった。

八十海里後方に輸送船団を後退させておいたのは正解だったといえよう。

二十五ミリ機銃が猛然と火を噴くが、

急降下してくる敵機を撃ち落とすことはできなかった。

高度八百メートル当たりで敵機が爆弾を投下する。

以前の米軍とは比べ物にならないぐらい勇猛な突撃である。

信濃艦長、小田切大佐による必死の操縦で、

八発中、六発は避けることができたが、

一発が甲板中央に、一発が艦尾辺りに命中する。

凄まじい轟音と共に、火の手が起きる。

「被害状況知らせ。」

「甲板は貫通しておりません、被害軽微。」

「艦尾の方も舵もききますし、被害軽微です。」

小沢もほっと胸を撫で下ろす。

上空では烈風が敵戦闘機を片づけ、

爆撃機、雷撃機の攻撃にかかっている。

周りを見渡すが、煙が上がっている艦はそう多くない。

しばらくするとあれほど騒然としていた上空も、

烈風のエンジン音が聞こえるだけになっている。

ぞくぞくと被害状況が報告されてくる。

空母「信濃」、直撃弾二発受け、小破。

空母「海鳳」、直撃弾一発受け、小破。

空母「龍驤」、至近弾二発受け、小破。

空母「龍鳳」、直撃弾二発、魚雷二本受け、大破。

火災が広がり、総員退去。後自沈。

戦艦「伊勢」、直撃弾一発受け、小破。

他、重巡一隻小破。駆逐艦二隻沈没、二隻大破。

三百三十四機に攻撃された割には被害軽微といっていいが、

空母「龍鳳」がやられたのは痛かった。

龍鳳の乗組員の内、大半が退艦できたのはせめてもの救いだったが。





一方、ウェールズの報告を受けた司令部では騒然としていた。

「七万トンを超える空母だと。」

ニミッツも思わず声を上げる。

「それでは、先ほどの攻撃はジャップの全兵力ではないのでしょうか。」

不安げに呟く参謀にニミッツは答える。

「七万トンを超える空母だ。おそらく搭載機は百機を超えるだろう。

まだまだジャップには余力があると考えた方がいいだろう。」

そういってニミッツは唇を噛み締める。

そうはいっても対抗の手段がないのだ。

戦闘機は第一次攻撃隊の迎撃で全滅。

対空陣地も実に六十五パーセントが破壊された。

報告が入ってきたのはその時だった。

「敵第二次攻撃隊捕捉。数はおよそ四百機。」

ニミッツは倒れそうになる体を必死で支える。

参謀たちのいる前で、倒れるなどという無様な真似はしたくなかった。

エンジンの轟音が聞こえてくる。

彼にはそれが絶望を運ぶ音に聞こえた。








最近角田中将が影薄いですね。

活躍させたいとは思うのですが…。

あと、ご意見ご感想頂けると嬉しいです。

なんというか、マンネリになってるような気がしなくも…。

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