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異説大東亜戦争  作者: たこ焼き
一章
42/80

英東洋艦隊再編

今回短いです。すみません。

ご意見ご感想いただけると嬉しいです。

           英東洋艦隊再編






英首相チャーチルは軍港に並ぶ艦隊を眺めていた。

戦艦「クイーン・エリザベス」「ウォースバイト」

「デューク・オブ・ヨーク」「キング・ジョージ5世」

「レゾリューション」「ラミリーズ」

空母「イラストリアス」「フォーミダブル」「ヴィクトリアス」「インドミダブル」

重巡八隻、軽巡十隻、駆逐艦十八隻の大艦隊である。

「これだけの艦隊が英本土から東洋に移るのは大丈夫なのですか。」

側近の質問にチャーチルは答えた。

「しかたあるまい、米国との協議のうえだ。」

しかし、チャーチルも機嫌が悪い。

U-ボートとの戦いでは大型艦は邪魔なだけとはいえ、抑止力として存在してきた

大艦隊がインドに移動するのは心細かったからだ。

ソ連との戦争が一段落している今、

独逸がアフリカに兵力を増強することはわかりきっている。

アフリカの英部隊の支援として、

この艦隊は置いておきたいというのがチャーチルの本音だが、

大量の支援物資や兵力を送ってくれている米国の要請を断るのは難しかった。

「米国は何としてもハワイを日本に占領されるのは避けたいのだ。

もし占領された場合、米本土は空襲の脅威にさらされるし、

またハワイを取り返すのには大きな犠牲をともなうからな。」

「だからインドに新東洋艦隊を派遣し、日本の行動を牽制すると言うわけですな。」

「ああ、

戦艦六隻に空母四隻の兵力はさすがの日本海軍も簡単に倒せる相手ではあるまい。

我々は戦う必要はない。あくまで抑止力として働ければいいのだ。」

「しかし、日本軍はビルマに大規模な航空基地を置いております。

それに弱体とはいえ東南アジアの国々も軍隊を設立したようです。」

「それは聞いておる。どれくらいの兵力なのだ。」

「ビルマの航空基地にはおよそ五百機の航空機があります。

東南アジアの海軍は駆逐艦を主力とする部隊のようです。」

「そうか、ビルマはともかく、アジアの海軍は大した敵ではないな。」

「ええ、我ら東洋艦隊の敵ではありません。

おそらく日本海軍も、

あるていどの艦隊は東南アジアにおいておかなければならないでしょう。」

「それでかまわないだろう。それよりあれはどうなっている。」

「首相、それは私の自宅で話しましょう。

ここでは誰が聞いているかわかりません。」

「そうだな、すまない。」

そう言うと二人はその場からゆっくり離れていく。




「それで日本外交官との対談はどこで行うのかね。」

「はい、中国です。あそこは今、日本と講和しており内戦中とはいえ中立国です。

日本も了承してくれました。」

「そうか…。無論講和はできんが、日本とある程度協力することは可能だ。」

「しかし、米国にばれたら大変なことになるかも知れません。」

「外交とはそういうものだ。

一秒前までは味方だった国が敵になっても何ら不思議なことではない。

現に、日本とイギリスは少し前まで同盟国だったのだからな…。

日本との同盟を切ったのは間違いだったかもしれんな。

もしまだ同盟を続けておれば、この戦争はもう終わっていただろう。」

そう言うとチャーチルは葉巻を持ち、火をつける。

「米国の要求も答えているのだ、文句ばかりは言わせんよ。」

ビルマは痛いが、インドの独立さえ阻止できれば、それでよかった。

チャーチルはそう考えていたのだった。





「英国が対談を許可しました。」

「そうか。」

嬉しそうに言ったのは重光外相である。

「断られるのは覚悟していたが、想像しているより欧州の戦況は独逸有利らしいな。」

「ええ、独逸大使館の情報では独逸は現在アフリカに兵力を増強しているようです。」

「アフリカの連合軍が駆逐されたら次はおそらく英本土だろうからな。

チャーチル卿もなりふりかまってはいられなくなってきたと言うわけだな。

対談内容は、インド独立についてが主体となるだろうな。」

「そうですね、英国としては、インド独立はなんとしても阻止したいはずです。」

「だが我々もボースと約束しているのだ。

英国との講和でもない限りインド独立の中止はあり得ないだろう。」

重光は英国との対談が実現したことを歓びはしたが、

なかなか簡単にはいかない対談になることが予測された…。





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