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異説大東亜戦争  作者: たこ焼き
一章
41/80

米太平洋艦隊就役中

         米太平洋艦隊就役中





「素晴らしい光景だな。」

そういって感嘆するキング海軍作戦部長である。

「ありがとうございます。」

その目に広がるのは、

空母群の壊滅した米国が新たに機動部隊を再建するために就役させようとしている

エセックス級空母である。

「エセックス」「ヨークタウンⅡ」「イントレピッド」「レキシントンⅡ」

の四隻は一九四三年二月頃には就役する見込みになっている。

サラトガは米本土に運ばれはしたが、修復の見込み無しとされ廃棄された。

「フランクリン」「バンカー・ヒル」「ワスプⅡ」「ベニントン」

の四隻はどう頑張っても六月頃になるため、

軽空母でも抗甚性を重視したカサブランカ級空母が十隻、

一九四三年二月頃に就役する予定である。

それにしても米国の国力は凄まじい。

それと同時に航空機の生産も進み、

主力艦上戦闘機は既にF4FからF6Fへ、

主力艦上爆撃機はドーントレスからヘルダイバーへ、

艦上攻撃機はアベンジャーのままである。

「エセックス級空母四隻にカサブランカ級空母が十隻か…。

これで航空機戦力はどれくらいかね。」

「およそ七百機といったところでしょうか。」

「そうか、ジャップの機動部隊は戦闘用軽空母含め五百五十機程度と聞く。

十分に勝てる戦力だな。」

そう言って彼はドッグを後にし、ハワイにいるニミッツ長官に電話をかけた。

「やあ、ニミッツ君、航空機輸送は順調かね。」

「キング作戦部長…、ちょうど私も連絡しようとしていた所です。」

「どうしたんだ、元気が無いぞ。」

「……、先程航空機輸送に使っていた、

ボーグ級空母「ボーグ」「コア」の二隻が

ジャップ潜水艦部隊の雷撃を受け沈没しました。」

「何だと。」

キングは冷や汗を噴きだしながら呟く。

ドッグでの安易な考えは吹き飛んでしまった。

「護衛として駆逐艦十二隻を着けていましたが、ジャップの潜水艦は

U-ボートのように集団で待ち構えており、駆逐艦も四隻が沈みました。

潜水艦も三隻は沈めたようですが。」

「なぜだ、ジャップに航路が知られていたのか。」

「いえ、ジャップは長大な航続距離を誇る飛行艇を持っていたようです。

ミッドウェーからハワイを超え、軽空母を発見、

恐らく近海にいた潜水艦にそれを連絡し撃沈させたようです。」

「そうか…、現在ハワイにある航空機はどれくらいかね。」

「戦闘機はF6Fが百二十機、F4Fが八十機、P-38が六十機、

P-40が八十機といったところでしょうか、バッファローもありますが、

あれは役に立ちません。

爆撃機はB-17が二十機、ドーントレスが百二十機機。

雷撃機はアベンジャーが百二十機、デバステーターが四十機程度です。

それにカタリナ飛行艇が四十機、合計六百八十機です。」

「F4Fはどうしたんだ…。

ハワイには航空機輸送する前から七百五十機の航空機がいたはずだ。」

「キング作戦部長、ジャップの通商破壊によって満足な補給が届きません。

航空機の整備がいきとどかず、F4Fは三十機ほど空戦不可能な機体があります。

残りはバッファローですが…、整備は一番後回しです。

八十機のバッファローで動くものは少ないでしょう。」

「わかった、戦艦部隊の方はどうなっている。」

「ワシントン、ノースカロライナ、サウスダコタ、インディアナの四隻は

海戦で十分活躍できると思いますが、

真珠湾から引き揚げた戦艦四隻は浮き砲台にするつもりです。」

「うん、それが一番いいだろうな。

なんとしてもジャップの侵攻はここで止めなくてはならん。

輸送船は護衛を着け、十分に送ろう。」

電話を切ったキングは噴き出た冷や汗を拭う。

これ以上航空機を輸送できないのは痛い。

彼はこの前トマス参謀に言われたことを思い出していた。

「ジャップはまだ正規空母をもっているかもしれないか…、

そうなれば、航空機数は同等、戦艦も怪物を持っている…。」

そう呟いたキングは、

ジャップには勝てないのではという言葉が脳裏によぎったのを

首を振って誤魔化した。

海軍作戦部長が弱音を吐くわけにはいかなかった。





その一日と十時間ほど前、二式飛行艇の空母発見の通信を受け取った、

通商破壊専用艦「巡潜四型」六隻に「乙型」十二隻の計十八隻が

ハワイ北東三百二十海里のポイントに集まった。

伊17の潜水艦艦長である大口少佐は静かな声で命令した。

「敵は空母二隻に駆逐艦十隻以上だ。

我が部隊はこれを包囲し殲滅する。」

声を上げるものはいないが、嬉しそう顔が乗組員に広がる。

今まで輸送船を沈めてばかりだったのだ、初の戦闘艦との対戦である。

「油断するなよ。」

大口少佐はそう言ってにやりと笑う。

「一番潜望鏡上げ。」

大口はそう言うと潜望鏡を覗く。

黒い影がうっすらと見える。駆逐艦だろう。

「針路修正、右七度。」

とりあえず駆逐艦を避ける形で針路を取る。

「潜望鏡下げ。」

「どうですか。」

「まだ距離がある、空母は視認できなかったが駆逐艦がいるのは見えた。」

「速力を上げる必要はないんですか。」

「いや、敵駆逐艦がいるんだ、原速以上出すとスクリュー音がひどいからな。

もう一度潜望鏡を使いたいから音は立てたくない。」

しばらくして大口はまた下令した。

「一番潜望鏡上げ。」

彼は思わず息をとめた。

目の前には一隻の空母が映っていた。

「先任、距離は。」

「八千です。」

「よろしい、潜望鏡下げ。面舵五度、新針路一一五。」

彼は満足した表情で言う。

「乗組員に告げる。こちら艦長。

敵空母を発見した。現在海上は東の風が吹いている。

西から接近する我々には有利だ。」

伝達器の元を離れ、再び潜望鏡の元へ戻る。

しばらくすると報告が届いた。

「水測より司令。水中音波探信儀の探信音を捉えました。

艦首方位、〇一二、〇〇五、三五四、三六六です。感四。」

敵も潜水艦に怯えているようだ。

「距離三千。」

「いよいよだな。一番潜望鏡上げ。」

「早すぎませんか。」

部下の声に大口は言った。

「少し早いがあまり近づくと他の味方の雷撃を受けかねん。

酸素魚雷なら航跡は出にくいし大丈夫だ。」

潜望鏡を覗くと空母の腹が見える、絶好の状況だった。

「発射管制盤。」

「用意よろし。」

「方位。」

「〇〇二。」

「距離。」

「二千八百。」

「敵速。」

「十五ノット。」

「敵針。」

「〇八八。」

「捕捉、発射雷数四。雷速四五ノット。」

「射角二十二度。」

「発射用意よろし。」

大口は最後の命令を下す。

「発射用意…。射っ。」

「潜望鏡下げ。」

大口は艦内時計を睨む。

一分が永遠にも感じられる。

ストップウォッチを持っていた部下が一分八秒を告げた瞬間、

甲高い金属音が伊17を震わせた。

その後すぐに重苦しい爆発音が三回聞こえた。

「やった。」

艦内は歓喜の渦である。

大口もにやけた口を押さえながら命令する。

「戦いはこれからだ。駆逐艦が来るぞ。

退避行動に移る。深度百。」

伊17はゆっくりと前傾していく。

爆発音が聞こえる、爆雷だろうと思ったが爆発音の中に

金属が裂けるような音が聞こえる。

味方の潜水艦の音か、敵の音なのかは彼には分らなかった。

一時間ほどその場で停止した後、深度五十まで浮上し針路を基地にとった。

彼らが上げた戦果は軽空母二隻轟沈、駆逐艦四隻轟沈というものだった。

味方潜水艦三隻を失ったが、

ハワイの航空機輸送を停止させたということでは、

彼らは素晴らしい戦果を上げることができたのだった。






二式飛行艇ってすごいですよね。

現在でもこれを上回る機体は、

存在していないとまで言われている機体です。

ちなみに航続距離は約七千キロです。

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