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異説大東亜戦争  作者: たこ焼き
一章
39/80

作戦会議白熱す

最初に言っておきますが、

東条英機は別人として読んでください。

性格、大分違うと思います。

            作戦会議白熱す





帝国議会では白熱した議論が行われていた。

独逸がソ連に猛攻を仕掛けている今、ソ連を叩くべきだと言う北進派。

このまま、ハワイを占領し、

米本土に攻撃を仕掛け講和に持っていくべきだとする米本土攻撃派。

そしてこれ以上戦線を広げるのは止め、独逸の勝利を待つ、停戦派。

おおまかにこの三つに分かれていた。

「独逸がウラルを占領するのは時間の問題です。

今、日本がすべきことは独逸に協力し、ソ連を崩壊に導くことです。」

そう力説するのは杉山陸軍大将である。

それに反論したのは伊藤海軍中将だった。

「我が皇国は、勝利を続けているとはいえ、かなり疲弊しています。

確かにここで持久戦に持っていくことは下策ですが、

ここはハワイを占領、すみやかに米本土に攻撃し、

講和に持っていくべきかと。」

「本土を攻撃したからと言って米国が講和に応じるのかね。」

そう言ったのは停戦派の三浦中将である。

「確かに、

我が国は今ソ連に手を広げるほどの国力は持ち合わせていない。

だが、ハワイ占領もまた補給線の問題が出てくるだろう。」

……このように、ずっと議論を続けている。

いつまでたっても終わる気配はない。

そのとき軍令部総長永野大将が席を立って言った。

「もはや、これ以上議論をしたところで決まるまい。

私としてはソ連への宣戦布告は反対だ。

米国の日本本土爆撃により日ソ不可侵条約は反故になったようなものだが、

いまだ放棄したわけではない。

持久戦は下策だろう。といってハワイ占領もできたとしても補給が続かまい。」

「ハワイを占領する必要はないのでは。」

そう言ったのは野崎陸軍中将である。

「もう米国に運営できる正規空母はありません。

ならハワイは無視して、いっきに本土へ行かれてはどうでしょう。」

「それは難しいですね。タンカーを連れていくにしろ米本土は遠すぎます。」

「ならば一時占領、本土爆撃の後は撤退すればよろしいのでは。」

野崎中将の声に山本が立ち上がる。

「うむ、私もそれが一番なのではと考えていた。木村君。」

そう言って山本は木村護衛艦隊司令長官に話しかけた。

「ハワイまで補給線を広げるのは難しいかね。」

「正直申し上げますと…。

どんなに頑張っても補給線の維持は三カ月が限界でしょう。」

「うーむ。」

さすがの山本も唸る。

「三か月となると、ハワイ占領で空母が傷つくことは許されんな。」

ハワイ占領がまとまりそうな気配を感じ、杉山大将は反発する。

「関東軍には我が陸軍、六十万の精鋭がいます。

戦車も最新鋭の三式中戦車が生産されています。

ソ連など鎧袖一触です。」

「杉山君、現実を見たまえ。」

そう言ったのは陸相の東条英機大将である。

天皇を敬愛する東条は、関東軍の独断専行を深く反省し、

主戦派から外交解決派に変わった男だ。

これほど、反米開戦派が陸軍、海軍の上層部にいたにもかかわらず

結局、米国と戦争になったのは、やはり米国が戦争を望んでいたからだろう。

「ウラル方面では、装甲百ミリになろうかという戦車が戦線に出ていると聞く、

三式中戦車の主砲は七十五ミリ、敵戦車の装甲を破るのには相当難儀するだろうな。」

杉山はなにも言い返せない。

「陛下は米国との講和を望んでおられる。

ならばそれを全力で実現するのが軍の役目だ。」

この後、北進派、停戦派を押さえ、ハワイ占領作戦が決まった。

おおまかな内容は、海軍は現在運用できる最大兵力を持って、

ハワイの敵航空兵力、艦船兵力を撃滅する。

陸軍は満州の精鋭八個師団を持って、ハワイに強襲、これを占領する。

いまだ計画には至っていないため極めて大まかな内容ではあるが、

ここにハワイ占領作戦が可決された。





一方、軍令部では新暗号作成に勤しんでいた。

第十課では、ほぼ徹夜で作成に及んでいる。

暗号強度の高い陸軍の暗号を参考にし、さらに発展させたものである。

しかし、どれだけ急いだとしても、三か月はかかるといった所だ。

急いで作った所で、早々に暗号解読されては意味がない。

それでも乱数表の変更では限界があるというものだ。

一刻も早い暗号作成が期待されていた。





そのころ欧米では遂にウラルを独逸が占領、

そろそろ補給線の限界だと悟ったヒトラーは進軍を停止、

ソ連のセロフに布陣をしき、占領地の経営を始めていた…。

「諸君、ソ連はもう限界だろう。」

正直、独逸軍も限界なのだがヒトラーはおくびにも出さず言葉を続ける。

「日本が米太平洋艦隊を壊滅させ、東洋の覇権を握ったいま、

アフリカを我が手に治めるときがきたのだよ。

ロンメル君、君にはアフリカ戦線の総指揮をとってもらう。

無論兵力の増強もする。」

「ありがとうございます、総統。

かならずやアフリカを我が独逸の手に。」

独逸空軍総司令官ゲーリング元帥は面白くなさそうにロンメルを睨む。

彼は総統のお気に入りのロンメルが気に入らないらしい。

「総統、日本はハワイを占領するのでしょうか。」

「うむ、ハワイを取れば、米本土は目の前だ。

必ず取るに違いない。」

海軍音痴のヒトラーとしてはこれが精一杯なのだろう。

「日本がソ連に仕掛けるという可能性はないでしょうか。」

参謀の一人がヒトラーに尋ねる。

「どうだろうな…。

どうせならウラルを攻撃している間に攻め込んでほしかったが。」

ヒトラーはそう言うと飾ってある世界地図を見る。

大きく広げられたその地図は独逸領を示す真っ赤な色で埋め尽くされていた。





「日本がまた講和要請の書類を持ってきたようです。」

「そうか、ありがとう。」

英首相チャーチルはそう言うと椅子に座った。

情況は極めて悪い、

書類を検めてみると

講和の条件は植民地の独立を求めるものだった。

しかし、インドはどうしても独立を認められない。

インドはイギリスの至宝であり、

イギリスが強国であるために無くてはならないものである。

しかし、太平洋艦隊、英東洋艦隊を駆逐したいま、

日本の連合艦隊に太刀打ちできる艦隊は地球上に存在しない。

陸軍兵力もソ連が弱り切っているため関東軍を動かすことができる。

今の状況では到底インドを死守することはできないのだ。

チャーチルは葉巻を口にくわえ火をつける。

あれほど待ち望んでいた米国の参戦も蓋を返して見れば、

戦況は好転しているどころか悪化している。

確かに米国の国力に勝てる国家は無い。

時間さえあれば枢軸国を崩壊させることは難しくは無いのだ。

ただ、このまま負け続けていたら、米国では厭戦気分が国民に蔓延するだろう。

ルーズベルト、チャーチルが恐れているのはそれである。

チャーチルは、以前は簡単に破り捨てていた講和要求の書類が

破れなくなっている自分に嫌気がさしていた。

「歳かな、私も…。」

彼はそう言うと窓の外を眺めた。

どんよりとした雲は彼の心を表しているようだった。





なんかこの後、どうすればいいか悩みますね。

ハワイ侵攻、ソ連と戦争、インド独立、

どうすればいいか本当に悩みます。

意見とかくれたら参考に成るので、

よろしくお願いします。

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