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異説大東亜戦争  作者: たこ焼き
一章
25/80

MI作戦検討会

よろしくお願いします。

感想送ってくれるとうれしいです。

              MI作戦検討会





連合艦隊旗艦「武蔵」の作戦室には長方形のテーブルを取り囲む形で

提督たちが並んでいる。

そこには、シナ派遣艦隊を除く、帝国海軍のおもだった頭脳がそろっている。

連合艦隊司令長官をはじめとして、戦艦部隊の主である高須四郎中将、

本土防衛の任を負っている第五艦隊司令長官の細萱中将、

南方作戦の主力となった第二艦隊司令長官の近藤信竹中将、

ポートモレスビー攻略を成し遂げた第四艦隊司令長官の井上中将、

そして、

帝国海軍最強部隊の名を得ている第一航空艦隊の司令長官南雲忠一中将、

二航戦司令官山口少将、六航戦司令官角田少将、三航戦司令官大西少将、

五航戦司令官原少将、第十一航艦(基地航空隊)司令長官塚原二四三中将、

先遣部隊となる第六艦隊(潜水艦部隊)司令長官小松中将、

第三水雷戦隊司令官橋本信太郎少将、そしてそれらの部隊の参謀長達、

いずれも少将級である。

軍令部からも第一部長の福留少将が来ている。

たった今、

改めて角田少将による珊瑚海海戦の戦闘経過報告が終わったところだった。

黒板にはその略図が描かれている。

空母二隻中破、軽空母一隻大破という対米戦始まって以来の損害を受けてはいたが、

敵空母二隻撃沈、一隻中破という大戦果を挙げた角田少将、原少将

ポートモレスビーを無事攻略させた井上中将を批判する者はいなかった。

珊瑚海海戦の報告が終わった後、口火を切ったのは南雲だった。

「長官、山口君、角田君、大西君と子細に検討しましたが、

今回のMI作戦には考え直すべき点が多々あるように思えます。

率直に申し上げてもよろしいでしょうか。」

横に座っていた黒島参謀が色をなして立ち上がったが、山本は軽い身振りで制した。

「いいとも、率直に言ってみたまえ。そのための顔合わせだ。」

「まず、基本的に疑義がありますのは、これが二正面作戦だということです。

せっかくの大兵力を繰り出しながら、これでは戦力が割れてしまいます。

主目的を一つに絞り、それに全力を集中すべきです。」

「しかし、アリューシャンは叩かねばならぬ。」

細萱中将はそう言うと続けた。

「敵が北方から反攻してくる可能性もある、陸軍の思惑もある。」

本土防衛の任を持つ彼はかねてから北方の脅威を気にしていた。

アリューシャンからの攻撃ルートが断ち切られればひとまず安心である、

その気持ちが寡黙な彼を動かしたのだ。

「いや、アリューシャンは当面の脅威にならぬと考えますな。」

山口少将は持ち前の野太い声で言った。

「夏は霧が深く、冬は荒れていて、一年のうちのほとんどは作戦ができません。

それに敵は空母二隻を失い、残存空母は残り少ないはずです。

とてもそれを北に回す余裕はないはずです。」

「アリューシャン作戦は切り捨てろと言うのかね。」

宇垣参謀長が言った。

「たしかに牽制作戦は必要でしょう。

だが、機動部隊をわざわざ回すことはありますまい。

アッツ、キスカの占領は機動部隊抜きでもできます。

第五艦隊にいってもらうのは

よろしいでしょうが、機動部隊は主目的に集中させるべきです。」

「うむ、しかし、北にも機動部隊は必要ではないかな。」

山本長官が言った。

「珊瑚海の戦訓を忘れてはいけません。敵が二隻または三隻でも、

こちらは全力を集中する必要があるでしょう。

さもなければ敵を叩き潰すのは難しいでしょう。

さらに言えば、

第一航空戦隊はミッドウェー島攻撃と敵機動部隊撃滅の二つの任務を

負わされていますが、これも兵理上感心できませんな。

兵装転換の時に敵襲を受けたら脆弱な空母はひとたまりもありません。」

「第一航空戦隊はそれだけの力は無いということか。」

宇垣が皮肉たっぷりに言った。

「そうではない、山口君の言うのは、槍先はひとりの相手に定めた方が良いと言うことだ。」

南雲が珍しく穏やかに言った。

「幸い、わが空母は正規空母六隻、軽空母四隻がMI作戦には運用できる。

第一航空戦隊は敵機動部隊を、三航戦はミッドウェー攻撃を担当するのが

いいだろう。敵機動部隊は必ず出てくる。」

「機動部隊がそういう考えなら、わしの方は要らん。」

温厚で寡黙な細萱中将もさすがに顔をこわばらせながら言った。

「五艦隊だけで何とかしよう。」

「まあ、待て。」

その場のピリピリした空気をほぐすように山本が発言した。

「原君、五航戦の修理はどれくらいかかるかね。」

「翔鶴の方はすくなくとも二カ月、瑞鶴の方はなんとか一カ月以内で収まるかとは

思いますが…。」

「そうか、信濃級空母の建造はどれくらいかな。」

その質問に答えたのは造船中将の細川中将である。

「急ピッチで進めてはいますが、どんなに急いでも七月初旬といったところです。」

信濃級空母とは、改大和級戦艦の費用で作られた排水量七万トンの超大型空母である。

航空主義の台頭著しいとはいえ、日本海軍に根強く残る大鑑巨砲主義者によって、

大和、武蔵は建造されたが、改大和級戦艦は廃止され、純粋な正規空母として、

「信濃」「葛城」が建造されていた。そのスペックは後に説明する。

「よろしい、瑞鶴の方を優先して修理させよう。呉工廠の全力を尽くして

なんとか今月中には終わらせよう。とにかく飛行甲板が使えればいいのだ。

それをAL作戦に回そう。それでも足りなければミッドウェー方面から支援させよう。

それでどうかね、細萱君。」

「分かりました。そういうことならば…。」

搭乗員を多く失った珊瑚海海戦だがこの世界の搭乗員は充実している。

空母の艦載機搭乗員は二直制を取っている。

さすがに史実の戦争後期の米軍のように三直制は取れないが…。

「他に意見は。」

「MI作戦はどうしても六月七日でなくてはならないのでしょうか。

将兵は連戦で疲れています。作戦延期を願えないでしょうか。」

そう言った近藤中将は教養人タイプだが、

南方作戦では連合軍艦隊を撃滅させるという、

輝かしい実績を挙げている。その言葉にはおのずから重みがあった。

「ご承知のとおり、N日は熟慮の末決定されたものであります。」

黒島中佐が切り口上で言った。

「すなわち、残月が夜明けまで残り、艦載機の行動が可能な日だということです。

上陸作戦と、朝夕の兼ね合いも理想的です。

これを逃すと、あと一カ月待たなければなりません。

敵に貴重な時間を与えることになってしまいますぞ。」

「だが一カ月延ばせば敵は新空母を投入できるというわけではないだろう。

拙速の作戦は大怪我の元だぞ。」

近藤中将の言葉はそこにいた実戦部隊の気持ちの代弁である。

誰もが時間が足りないと痛感していた。

これだけの大作戦である。万全の状態で挑みたかった。

「その件についてもあい分かった。今一度軍令部とすり合わせを行う。

無用な悔いを残さぬよう、人事を尽くすことにするから安心してもらいたい。」

山本はそう答えた。検討会の閉会が自然と告げられたかたちになった。





やっと信濃級空母出せました。

スペックはミッドウェーの後に出します。

南雲中将、自分は嫌いじゃないのでちょっと性格違うかもしれませんが、

許してください。

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