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ドラゴンマスター 第5話

次の日、いい気分で目覚めた私たちはそっと街を抜け出した。

あいつらに見つかると厄介だからね。

数時間後、私たちはある遺跡の入り口に居た。

地球で言うギリシャやローマにあるような感じかな。

一見すると、ただの遺跡だけど、実は、結界が張り巡らせてある。

誰か他人に知られるのを防ぐためと、盗賊から守るためだ。

「マスター、ここは?」

「ここが私達の国の入り口よ。さ、早いとこ行きましょ」

建物の入り口にある階段を下りようとする。と。

「ほぅ、こんな所に遺跡があったとはな」

突然後ろから声がかかる。

「あ、あんたたちは!」

あの盗賊たちだ。気付かれていたんだ!

「こんな所に何の用よ! さっさと帰りなさいよ!」

「近付かれたくないのを見ると、やはりここに何かあるようだな」

冗談じゃない。こいつらを異世界なんかに連れて行ったら大変なことになる。

「また返り討ちにしてあげるわ」

「そう何度もうまくいくかな? 先生、出番ですぜ」

物陰から、長身の剣士らしい男が現れた。腰に長い剣を2本ぶら下げている。

「魔法使いの女というのはお前か」

「そうよ」

「なんだまだ子供じゃないか。かなりの強者と聞いていたんだが」

剣士は、少し拍子抜けしたような表情だ。


「あなた、何で盗賊なんかの手伝いをしているのよ」

「俺は傭兵だからな。金さえもらえればなんだってやる」

そう言って男は、腰に掛かっている一本の剣を抜き放った。

「マスター、私、少し剣の心得があります。ここは私に任せて下さい」

そう言ってシイルが私の前に出る。

「判った。頼んだわよシイル。残りのチンピラは私が抑えとくわ」

「俺らの恐ろしさを見せてやる!」

「何よ、弱いくせに。えばるんじゃないわよ」

「くそぅ、どこまでもコケにしやがって……やれ、やっちまえ!!」

そう叫ぶと、一斉に襲い掛かってくる。

「しつこい! 風よ!」

私を中心にして、暴風が吹き荒れ、私に向かってきた男たちは次々に巻き込まれていく。

「ぎやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

あっさり吹っ飛ぶ盗賊ども。ほんと、弱っちいなぁ。


離れた所で、シイルと剣士は静かに対峙していた。

「さて、どれほどの腕前か見せてもらおうか。いくぞ!」

剣を構えた途端、男の姿が一瞬見えなくなった。

速い?!

「くっ?!」


ギリギリの所でシイルが受け止める。

「シイル!」

速い……! だけど、シイルも一歩も引いていない。

お互いの剣が当たり、乾いた音が響き渡る。

目が追いつかないくらいのスピード。凄い――


「なかなかの腕はあるな。だが、これならどうだ!」

突如、男の剣から光が発射される!

「なっ?!」

突然、大きな音を立てて、シイルの後ろの地面が裂けていた。

何、今の?!

「よくかわしたな」

シイルの服の腰の辺りが、裂け、紅く染まっていた。

「くっ、何て剣技わざ、人間の癖に……」

「シイル! 大丈夫っ?!」

「だ、大丈夫です、こいつは私一人でなんとかします」

「いい心がけだ。久々に楽しめそうだな」

ニヤリと笑みを浮かべる剣士に、私は恐怖を感じていた。


「いくぞ!!」

剣士が剣を一振りする度。

「くあっ……」

シイルの身体から鮮血が吹き出る。

「っく……太刀筋が見えない!」

じりじりと押され、腕や足に一つ、また一つと傷を作っていく。

戦っているというより、一方的にいたぶられている。

力の差は明らかだった。

「はぁっ……はぁっ」

「ほぅ、まだ立っていられるのか」

シイルは既に血まみれだった。普通の人間なら、とっくに倒れているだろう。

「俺の剣技を何度も受けて、立っている奴はお前がはじめてだ」

「やあぁぁっ!!」

懇親の力をこめて剣士に切りかかるシイル。しかし、

「そ、そんな?!」

あっさり受け止められる。そして。

「しまった!」

剣がぽっきりと折れ、地面に突き刺さる。

「どうした、こんなものか、お前の剣技は?」

「う、うるさいっ」

「さあ、どうする? 命乞いでもするか?」

男の言葉を無視して、シイルが魔法の詠唱に入る。

「ほう、魔法か。面白い。その威力、確かめさせてもらうっ」

『アイスブラスト!』

グオオオォォォォッ

剣士の周りの空気が凍りつく。

普通の人間なら一瞬にして氷漬けだ。だけど

「ぐ……なかなか強力だな」

この剣士にはあまり効かなかったらしい。

ホントにこいつ人間なの?

「その甲冑……魔力でコーティングしているわね」

なるほど、防御も完璧ってわけね。

「よく見破ったな。ではこちらも本気を出させてもらう」

ズラッ

剣士は腰にかかっていたもう1本の剣を抜く。

に、二刀流?!

「シイル! 逃げて!!」

「これで……終いだ!!」

さらに強い衝撃がシイルを襲う。

「ぅあぁぁぁぁぁっ!!」


全身を切り裂かれ、大量の血を吹き出して、地面に崩れ落ちるシイル。

あっという間に赤黒いシミが地面に広がっていく。

「嫌ぁぁぁっ!! しっかりして、シイルッ!」

「この技を喰らって無事だった奴はいない。諦めることだ」

そ、そんな。シイルが負けちゃうなんて!

地面にへたり込んだ私に向かって奴は言った。

「悪いが、お別れだ。痛くないように一瞬で終わりにしてやろう」



続く

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