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第6部第6話

>Naomi

大広間に机を円状に並べて一様に席に着いた。

「では、改めて自己紹介といきましょうか」

まず最初に、ルビスが立ち上がり、口を開いた。

「コランダムの新しい君主になった、ルビスです。

 この度はお集まり頂きましてありがとうございます」

ルビスは、一通りの顔をくるりと見渡した後、ぺこりと一礼した。

「まずは、私共の出席者の紹介をさせて頂きます……さ、スピカ」

「はい」

ルビスに諭され、スピカさんが席を立つ。

「ルビス様の近衛であり、騎士隊長を任せられている、スピカ=フェンネルだ」

ぽつりと一言だけ言ってスピカさんは席に座ってしまった。

「……スピカ、他に何か無いの?」

「いえ」

警戒しているのか、緊張しているのか、いつものスピカさんよりやや硬い感じだ。

ルビスは困ったと言った様子でため息をついた。

「……アイリ、お願いします」

「はい。アイリ=クリスティアです。

 ルビス様の身の周りのお世話と、身辺警護をしています」

「ふん、身辺警護の割には、随分と貧弱だな」

早速、魔族側の男にチクリと釘を刺される。

「な、なによっ」

「お前の戦いぶりを見せてもらったが、こいつに負けるようではまだまだだな」

男は隣に居る女性――見た目私と同じくらいの歳に見える――をチラ見した。

「むぅ……確かに、この間は負けたけど、次は判んないよ」

「どうだか」

「ラウル、止しなさい」

ノエルの一言で男性は申し訳なさそうに席に着く。

「ごめんなさい、どうぞ続けて」

「私は、ルビス様に憧れて、今、ここにいます。

 ルビス様のために働けることを誇りに思っています。

 ルビス様を守るためなら身を盾にする決意です。

 それで命を落とすことになっても……私に悔いはありません」

「アイリ、貴女……」

ルビスの瞳が少し潤んでいた。

続けて、リュートさんが席を立つ。

「私はリュート=ミシュラル。出身は水の都、アクアリウムですわ」

「あら、貴女は水の人なのね」

「それがなにか?」

「いえ、特に意味は無いのだけれど……火と水って、仲良かったかしら?」

「……確かに、過去には何度もお互い同士傷付け合っていましたけれど……

 でも、私はルビス様を尊敬しています。ここにいるアイリと同じ位愛していますわ」

「リュートぉ」

今度はアイリさんがうるうるしていた。


「では次はこちらの番ですね。マナ」

ノエルがさっきの女性を紹介した。

「はい、私はマナ。秋本眞奈美です。

 以前はセラ様とそこに居る由希さんの下で働いていました」

名前が出た先生は軽くノエルに向けてお辞儀をする。

「今はノエル様の元で働かせてもらってます……それで、水口さん」

「え、わ、私?」

いきなり名前を呼ばれてビックリした。

「私、貴女に謝らなければいけないことがあるんです」

何だろう?

「和也さんを魔域に連れ去ったのは私です。ごめんなさい」

「え、ええぇぇぇぇぇ?!」

思わず叫んでいた。

「じゃ、犯人は先生じゃなかったの?」

「まあ、手引きしたのは私だけど、実行したのはこの子」

私の後ろにいた先生が補足してくれた。

「私、元は和也さんと同じ学校の生徒だったんです」

「和也と同じってことは、南高?」

「はい」

あ、そういえば、何か行方不明だっていうニュースを見た記憶が。

「もう、私は死んだことになっているでしょうけど」

少し苦笑いを浮かべた。

「私の得意技は自分の影を操ることです」

「影って、分身ってこと?」

「いいえ。それじゃ、ご紹介しますね。トモ」

彼女の言葉に応える様に、ズルリと影が蠢いた。

「ひぃっ」

アイリさんが小さな悲鳴を上げた。

「私の友人のトモです。この子も実は同じ学校の友達だったんだけど」

彼女から簡単な経緯を聞かされた。

「どうやらこの二人? は、ツヴァイとセラによって魔力を注ぎ込まれたらしい」

「死んだ人間を生き返らすだなんて……そんなの、自然の摂理に反していますわ!」

リュートさんはかなり憤慨しているようだった。


続いてさっきの男が席を立つ。

男性は彼しか居ないということもあり、皆の視線を一身に受けている。

「我はラウル。ノエル様の側近をここ数十年務めている」

何か態度が凄く偉そうだ。

「今回はお前たちの本心を見極めるために来た。

 少しでも我々魔族を馬鹿にした態度を取ってみろ。ここにいらっしゃるノエル様が――」

ノエルは、ふぅ、と溜息をついた。

「ラウル……貴方はもう良いわ……」

「え、あ、はい……」

しぶしぶ席に着く。どうやらこのラウルという男、ノエルにだけは弱いみたい。

「ごめんなさい。彼はこういうことは余り慣れていないもので」

「いいけど、全然判んないよ」

「彼は、私が一番信頼してる部下です。それで良いですか、ルビス様?」

「そうね、貴女がそう言うなら、無理には聞かないわ」


最後にノエルが席を立った。

「新しく、魔域全体を統べる魔王になった、ノエルです。

 私が目指すもの――それは、前王の残した遺恨を、一刻も早く取り去ることです。

 我々魔族は、多種族を虐げ過ぎました。

 今のままでは、この世界に未来は無いと思うんです。

 私の考えに賛同して貰えている仲間は少ないのですが……

 まずは、精霊の中でも特に人望のあるルビス様に、私の考えを伝えたいと思っていました」

ノエルの言葉に、ルビスが深く頷いた。

「そうですね、あなたの考えは理解できるわ……ただ、一つ聞いて良いかしら」

「はい」

「あの時……お母様はなんて言っていたの?」

核心に迫る一言。ルビスはこの事をずっと聞きたかったんだろう。

「サファイア様は、私の手で自分にトドメを刺せと仰っておられました」

ノエルの一言に、私達はみんな息を飲んだ。

「精霊の王を殺せば、私に自然に部下がついて来るようになる、と。

 でも、私は本当にこれで良かったのか、正直判りません」

「ノエル、私は別に貴女の事を恨んではいないわ」

「ルビス様?」

「確かに、お母様が亡くなってしまったのは残念だけれど。

 でも、お母様がそう望んだと言うのなら、私は貴女を責めたりしない。それに――」

ルビスがすっと右手を差し出す。

「お母様は、魔族の中で一番信頼できる人に今後のことを託したのでしょう」

「ルビス様……ありがとう」

お互いにがっちりと握手を交わす。そして抱き合った。

ノエルの瞳から、涙が溢れていた。

なんにせよ、最悪の事態は逃れることが出来たみたい。


「それでは、残りのメンバーを紹介しましょうか」

ルビスが後ろに居た私たちを集めた。

「みんな順番に自己紹介して下さい……そうですね、ナオミから」

ルビスが私を指差した。慌てて私は一歩前へ。


「水口直美です。多分、この中では一番力は無いと思うけど。

 でも、やっぱり、私はルビスとコランダムが好き。だから、私この国の役に立ちたいの」

そこまで言って、私は肝心なことを思い出した。

「ルビス、二人に姉さんのことも紹介していい?」

「ええ。そうですね」

「ええっと、今ここには居ないんですけど、私には陽子という双子の姉がいます。

 姉は普段、コランダムでルビスの侍女をしてます。

 姿がそっくりだから判り辛いと思うけど、見かけたらよろしくお願いします」

「ここに居るナオミとヨーコの二人は、コランダムの後継者候補です」

ルビスの一言に皆の視線が一斉に私に集まった。

「ちょっとルビス、まだ決まったわけじゃないんでしょ?!」

「ふふ、期待してますよ」

「えぇ~」

駄目だこりゃ。


「由希と言います。ここに居る玲子の姉です。

 以前は紅蓮のセラの元で働いていましたが、今はどこにも属していません。

 セラに魔力を注入され、魔族となってしまいましたが……」

額の瞳がギロリと輝く。

「それでも、人間としての心は失ってはいません」

「お姉様……」

「正直、世界がどうとかは興味ないのだけれど。

 たった一人の家族である玲子だけは絶対に護るわ。それが私の生きる理由よ」


「鷹野玲子です。

 成り行きでなぜかここに居ますが、皆さんと出会えてよかったと思っています。

 今は、コランダムの魔法学校に通いながら王宮で生活しています」

「お、おいちょっと待て!」

突然、ラウルと名乗った男が叫んだ。

「何ですか?」

「お前のその腰に下がっている剣……もしや!!」

「ご存知なんですか?」

「勇者が使っていた聖剣だろう!」

彼の言葉に、ノエルも驚いていたようだった。

「間違いないようですね……レーコ、まさか貴女が手にしていたなんて」

「よく判らないです。確かに、剣は持っていますが……これってそんなに凄い剣なのですか?」

「それに貫かれれば、私もただでは済みません。その位力を持った剣なのです」

ノエルの一言に、魔族達は一斉に息を呑む。

「私も一度、その剣で、ゼクスと共に闇に封印されましたから」

「では、ますます慎重に使わなくてはならなくなりましたね」

「良かったね、ノエル。鷹野さんが良い人で」

「あのね、ナオミ……冗談は止めといて下さい……」

冗談で言ったつもりじゃなかったんだけどな。


「森野由美子です。職業はサモナーです。

 今日は私の友達を紹介します」

ユミちゃんの後ろからシイルとメルが出てきた。

「こっちが羽精霊シルフのメル」

「よ、宜しくお願いします……メル=プリーツです」

「でこっちが白竜ホワイトドラゴンのシイル」

「マスターの命だから仕方なく来たわ。何でわざわざ……」

「え、竜族?!」

アイリさんが思わず身を乗り出した。

「私も初めて見ましたわ」

二人の熱い視線がシイルへと注がれる。

「あ、あのね……私、見せ物じゃないんだけど」

シイルはどう反応して良いか分からず、戸惑い気味だ。

「ご、ごめんなさい、でも、私ドラゴン族って会うの初めてで」

「まあ、あまり精霊とは会う機会は無いかしら。

 メルともマスターを介してじゃなければ会わなかっただろうし」

「そうですね」

「マスターって……主人ってことですの?」

怪訝な表情のリュートさん。

「はい、最高のご主人様です」

メルはとびきりの笑顔で答えた。

「そこまで人間を信頼しているだなんて……私には無理ですわ」

「そうだね。流石に心まで支配されたくはないもんね」

リュートさんの言葉にアイリさんがうんうんと頷いている。

「そんな……支配なんかされていません! 私は自分からお願いしたんです!」

「え……自分から? 何で?!」

「貴女には何か悪い術でもかけられていらっしゃるのですわ!」

「そんな事無いです。ご主人様は私を助けて下さいました。その恩返しがしたかったんです!」

「ほらほら三人共。今は精霊同士言い合ってる場合ではありませんよ」

ルビスが皆の間に割って入る。

「何だ、精霊同士で仲が悪いのか。そんな結束力で我らに対抗できると思うのか?」

「私たちも同じでしょ、ラウル。お互いまとめるのは難しいみたいですね、ルビス様?」

「ええ……」

ルビスはやれやれといった感じで溜息一つ。


後ろではまだ三人が言い争っていた。

と、ユミちゃんがこっちに近付いてきた。

「あの、ノエルにお願いがあるんだけど……いいかな」

「ユミコ、どうかしましたか?」

「私ね、こうして魔法を覚えて、あの子達まで従えたのには理由があるの。

 ナオには話してあるんだけど、私ね、十二の時に、両親を殺されてるの。

 それで、引き取ってくれた人の話では、犯人は魔族の中の誰かじゃないかって」

ノエルの顔色が変わる。

「私、どうしても、両親の仇が取りたくて……そういった情報があったら教えて欲しいの」

「そうですか……貴女にそんな過去が……」

「迷惑だっていうのは解かってる。特にノエル達にとってはあまり良いことじゃないよね」

そのままノエルの両手をガシッと掴む。

「こ、こら、お前、ノエル様に失礼だぞ!」

「でも、私、このままじゃ嫌。早くこれにケリをつけたい」

ノエルは対処に困っているようだった。

「私のわがまま、聞いて欲しいの。お願いっ」

「そう言われても、犯人が判って無いとこちらとしても動きようがないですし」

「そっか……そうだよね。ごめん、無理言って」

しゅんっとなるユミちゃん。

すると、意外なところから助け舟が現れた。

「もしかすると、ユミコの助けになるかもしれません」

「そ、それホント、ルビスっ!」

「ええ、確信は持てませんが……精霊の中に、魔族に手引きをしたものが居るのです」

「え……!?」

ルビスの説明に、私は言葉を失った。

時空の扉を壊したのは、魔族じゃなくって精霊だってことなの!?

「ほう……それは実に興味深い。聞かせてもらおうか」

男が身を乗り出してきた。

「どういう経緯かは分かりませんが、5年前、何者かによって時空の扉が破壊されました」

「5年前って、もしかして……」

「そうです……丁度ユミコのご両親が殺された時期と同じですね」

「そんな……」

「なるほど。ゼクス様が復活されたのもこの時期だな」

「そうです。これは無関係とは思えません」

「つまり、魔王を復活させるために、あの扉を開けたの?」

「恐らく。ただ、これはあくまで推測です。違う目的があったのかもしれません」

何か話が核心に迫ってきた感じがする。

「あの時空の扉は、精霊たちの中でも数える程の者しか結界を解くことが出来ないのです」

「それを破壊されたということは、その人は、相当な力を持っているということ?」

私の疑問にルビスは首を縦に振った。

「ええ、魔王ゼクスに匹敵する……あるいは、それ以上の力を――」

「精霊の中にもそのような力を持つ輩が居るとは驚きだな」

「扉が破壊された時、お母様は、魔王復活をある程度予測していたのかもしれません」

「だから私をこちらの世界に来させ、それを何とか食い止めようと思ったのではないのでしょうか」

「でもルビス、どうして、そんな大事なこと、黙ってたの?」

「貴女達には伝えるべきことじゃないと思っていたし……」

ルビスの声のトーンが少し下がった。

「情報が漏れたことで、犯人を刺激しないためにもその方が良いと思ったのです」

「犯人って、ルビス、まさか!?」

「ええ、知っています。その人物の名前も、素性も」

「そんな!?」

「今は何処にいるか全く判りませんが……もしかしたら、案外近くに潜んでいる可能性もあります。

 これは、貴女達を信頼しての話です。今後事態の進展があるまで、一切他人に話さないで下さい」

その時、部屋の扉がノックされる。

皆一斉に扉の方を振り向いた。

入ってきたのは桐花さんだ。

「皆様、夕食の御用意が出来上がりました。リビングの方へお越し下さい」

「え、もう?」

「時が経つのは早いですね。それでは一時中断して食事にしましょうか」


リビングに入ると、大きなテーブルに美味しそうな料理が山のように並べられていた。

「うわ……凄ーい!! これ全部桐花さん1人で?」

「はい。さ、冷めない内にお召し上がり下さい」

皆一様に席に着いたとき、私の隣に座った彼が一言。

「毒とか入っていないだろうな」

「あのね、そんな訳無いでしょ。もっと他人を信用しなさいよ」

「ふんっ」

うわぁ……その態度、超ムカツク!!

ふと、反対側の席を見ると、早速ルビスが鷹野さんに注文していた。

「あ、レーコ、いつもの奴、お願いね」

「またお酒飲むんですかぁ? 今日くらいは皆さんいらっしゃるんですから」

「そーよ、ルビスがお酒飲むと、止まらなくなるんだから、ダーメ」

「えぇ~、いいじゃないですか、ナオミのケチぃ」

私の口撃にルビスは明らかな不満顔。

そうこうしている間に、ルビスの前には数本のワインが用意された。

「んぐ、んぐ――」

止める間もなく、早速グビグビと飲み始める。

「はぁ~~~……やっぱりこれが無いとやってられませんね~」

1本丸ごと飲み干した後、顔を赤らめながら、満足そうにしつつ、手には既に2本目のボトルが。

もう完全に出来上がってしまっている。今日はもう会議は無理そうだな……

「全くルビスは……って、あれ、アイリさんどうしたの?」

「な、何か……私の憧れのルビス様のイメージが……」

そう言って涙目になるアイリさん。

あ~、凹んでる。まあ、無理も無いか。

「うっ……うっ……ルビス様のばかぁぁ……」

あ、アイリさんヤケ酒……

「アイリ、あんまり飲むと、明日、大変ですわよ!」

隣に居るリュートさんの注意もあまり耳に入っていないようだ。

「いいのぉ、ほっといて……るびすさまぁ……しくしく……」


続く


あとがき

「こんにちは、ルビスです」

「前回からお邪魔してます、ノエルです」

「ソフィア、起きないわね。どうしましょう」

「ルビス様、折角ですからそのまま進めてしまいませんか?」

「仕方ありませんね。ゲストも来ている事ですし」


「ということで、今回はこの方々に来ていただきました」

「こんにちは。水口直美です。みんな、私が主役だってこと、忘れてないよね?」

「樋口陽子です。今回1人だけ全く出番がありませんでした。mの陰謀を感じます……」

「そんな事無いでしょう、二人共」

「そうですよ。ヨーコはたまたまじゃないですか?」

「だからって、皆出てるのに何で私だけ……」

「私が名前紹介しなかったら、完全に忘れられてたよね」

「しくしく……」

「大丈夫ですよ、ヨーコには私が居るじゃないですか。貴女は1人じゃないですよ」

「るびすぅ……」


「姉さんはほっといてっと。今回はメンバーの顔合わせだったね」

「今までの登場キャラほとんど登場したわけですね」

「何とか精魔戦争は回避できたね」

「ええ、でも、まだセラたちの企みがわかりませんし」

「やっぱりノエルも気になる?」

「当たり前ですよ。彼女は本当に危険なんです」

「判るよ、それはすごく」

「(ボソッ)絶対に……阻止しなくちゃ」

「え? 今何か言った?」

「い、いえ何も……」

「ノエル、まだ私やルビスに何か隠してるんじゃないの?」

「そ、そんなことないですって。もう、何言ってるんですか」

「何か怪しいなぁ」


「ん……」

「あ、ソフィア気が付いたわね」

「大丈夫? 急に気を失ったけど」

「ええ、なんとか大丈夫……って……」

「お目覚めね。王女ソフィア」(にやり)

「――っ!!!」(ふらっ)

「そ、ソフィア?! ノエル、もういい加減によしなさい!」

「ごきげんいかが、王女様?」(くすくすくす)

「……こわいよぉ、るびすぅ」

「ソフィアも、自業自得ですよ」


「だいじょうぶですか、おかおのいろがだいぶすぐれないようですけど」(棒読み)

「心配してるように聞こえないわよ……それより、貴女達双子だったのね」

「妹の直美です、こんにちは。私達、ルビスの守護を受けてるんです」

「ちょっとルビス! どういうこと?!」

「どうって……そのままですよ」

「一族の宝珠まで渡すなんて……貴女、一体何考えてるのよ!!」

「い、いや、別に、ってちょっとやめて、ソフィア、痛っ、イタタタタタっ!!」

「ルビスの馬鹿――っ!!」






(しばらくそのままでお待ちください)







「まだやってますよ、あの二人……」

「収拾つかなくなりそうだから、この辺で締めちゃおっか」

「そうだね」

「それではお相手は、魔王ノエルと」

「水口直美と」

「樋口陽子でお送りしました~」

「それではまた次回~」

「さようなら~」


「ところでさぁ、次からもあの2人で良いの?」

「ちょっと不安……ですね、やっぱり」

「うんうん」



「大体いつもルビスは……」(ぶつぶつ)

「うう……今日のソフィア怖いよぉ……しくしくしく」


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