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車の雑談

今日の体験談

雑談です。

私は根っからの車好きでありまして。

とは言っても、給料の全てを旧車やドリ車に溶かしてしまう程のアホという訳ではなく、ごく一般的な範囲での車好きであります。

田舎住みでもあるので、幸いにも昔からの男友達の殆どは自動車整備士という恵まれた環境の中、古今東西、ミゼットからエルフの青ダンプくらいの中型車までなら現代に写真の残っているような所謂『自動車』なら一通り運転だけはしてみた経験は出来てました。

あらゆる車を運転してみて、『普段使い』も出来て、一番面白い挙動の車というのを求めた結果、今はBMW 116i E87 という車を自家用に使用しています。これも当初のままでは少し不満があって、ステアリングをナルディのクラシック36に那須の牛革を巻いた特注の物に変えたり、1,000km毎にフューエル1入れたり、3,000km毎のオイル交換時にベルハンマー7入れたり、いろいろと『乗り味』にこだわっている、という程度の『車好き』です。

そんな中、昨今噂の『ロードノイズを減らすデッドニング』というものに少々惹かれるものを感じまして、『どうせやるなら徹底的にやってみて、面白い結果が出たらYouTubeの動画にでもしてウケて元取れたらヤり得じゃね?』なんて思ってしまったんですよね。

そう、どうせやるなら徹底して完璧を目指さすのでなければやりたくないとは最初から思っていました。

施行したのは日産やホンダの現役の整備士たち。工賃、残業代という名目で払った飲み代は10万円弱。車用、建材用問わず、とにかく現時点で最も吸音効果の高い吸音材、吸振素材を買い集めるのに50万円弱。

吸振素材は結局車用の薄くて吸振効果の高い物をドンガラ状態の鉄板部分の全面と、インナーフェンダーやダッシュボードなど全ての樹脂パーツの裏面全面を覆うように貼り、吸音材は車用よりももっと薄い割に(データ上は)格段に吸音効果の高いダイキン製の建材用防音シートで座席のある車内空間のガラス部分の以外ドアも床も天井もパネル下も全面隙間なく内張の下に張り詰めました。

3人の整備士と私自身も毎日コツコツと内張剥がして吸振と吸音の素材をはっ付けて、また内張を貼り直しての作業を延々と繰り返して約3ヶ月。やっと出来ましたよ。

素材の分、車両重量が17kg重くなりました。

で、今日の午後、施行完了後、初めて走行してみたのですが、まず最初に思ったのが『これ…、やっちまったなぁ。』でした。

完全に『やっちまったなぁ』の大失敗だと思います。走っていて、ほとんど何の音も感じないです。

エンジンをかけた直後のアイドリング状態では、ほぼ無音無振動でプリウスみたいです。

国道くらいの路面状況だと、60キロくらいではプリウスよりもっと酷く、ロードノイズすらほぼ皆無。2000回転くらいだと遠くの方で小さく『ぬーん』っていう聞き慣れない不気味な音が聞こえる感じで、まるで耳栓をして運転しているような、無音室が空に浮いて動いているような変な感覚に襲われます。

車というのは少なくとも運転者には『運転している』という実感を持たせる音なり振動なりが僅かにでも必要不可欠で、それら全てを取っ払ってしまったら却って危険で、何より運転する楽しみが無くなってしまうものだと分かりました。

特にBMWなんかが提唱している『走る喜び』なんていうのには、エンジンの音や振動などという要素も充分に加味されていて、それらを全部取っ払ってただ走行性能だけを体感してみればロードスターやインプレッサなどの日本車に比べて挙動が鈍重で魅力に欠ける車だと分かります。要は、やや大きいエンジン音や重くて硬い足回りから来る欧州車独特な振動などは、それそのものが『味付け』であって、その『ダシ』をわざわざ60万もかけて濾して抜いてしまった事で何も『旨くない』ものにしてしまったという事です。

今回は『良い勉強になった』と思うようにしていますが、実際のところ、この車は1回乗っただけで『手放そうかな』とも思い始めており、その思いは強くなるばかりです。

車は、その作られた時代ごとの『純正』が如何にバランスがとれているかという点に注目して魅力を感じるべきかと思います。

今回のように無闇に静粛性を向上させたり、例えばエンジンを載せ換えて走行性能だけ上げたりしても、トータルバランスが崩れて可笑しな車にしかならず、魅力が失われるだけです。

やっぱりね、四六時中寝ても覚めても車のことばっかりやってるメーカーの人たちが考え抜いて作った車に素人が思い付きで手を加えたってトータルで元より良くなるなんてことは無いと思います。

失敗談でした。

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