”腰痛高校生”〔Ⅵ〕
薬がなくなってしまったので、病院へ行くことになった司。
レントゲンを撮るが結果は異状なしで・・・
いつの間にか眠ってしまっていたようで、目を覚ますと午前2時だった。
トイレに行き、つけっぱなしになっていた電気を消してもう一度眠ろうとする・・・が、痛くて眠れないのだ。
眠ってしまえば痛みも何も感じないのに、一度でも起きてしまうと、再度眠ろうとしたときに眠れなくなる。一度はこのような経験をしたことがあるのではないだろうか。
ベッドに入っても、いつまでも眠くならなかったので、スマホでASMRを聴く。
ASMRを聴きながら横になっているといつの間にか眠っていた。
――――――――――
翌朝、9時頃に目が覚めた。
正直もっと眠っていたかったが、目が覚めてしまったので起きることにした。
例のごとくゆっくりゆっくり階段を下りて1階へ向かうと、父さんも母さんも起きていた。
「おはよう」
と声をかけると、
「「おはよう」」
と返ってくる。続けて母さんが、
「朝ごはん、今持っていくからね」
と言ってくれたので、先にトイレに行き、顔を洗う。
戻ってくると、父さんがテーブルに朝ごはんを並べてくれており、
「父さんと母さんはもう食べたから、司も早く食べな」
と言われたので、早速食べ始める。
「いただきます」
「はい、どうぞ」
食事を済ませると薬を飲む。朝食後に1錠飲むと残薬が残り1錠になってしまう。
父さんと母さんに、今日で薬が無くなることを伝えると、土曜日でも診察をしている整形外科を探してくれることになった。
「この病院なら、土曜日の午前中は診察してくれるみたいよ」
と、母さんがスマホの画面を見ながら言う。
そこは、車で20分程の距離にある総合病院だった。早速電話をし、診察している確認が取れたので父さんの運転で病院へ向かう。
――病院到着後
受付を済ませると、
「整形外科B-10の近くでお待ちください」
と言われたので、Bのゾーンを目指す。“目指す”というと言うと大げさかもしれないが、総合病院なのでそれなりに距離がある。
たどり着くと、診察室横の壁にあるカゴにファイルを入れて呼ばれるのを待つ。
しばらくすると、
「佐久間さん、佐久間司さん」
と看護師さんに呼ばれたので、診察室に入ると、
「こんにちは」
と先生から挨拶された。どこか病院とは違うな、と思いながら
「こんにちは」
と挨拶を返す。
丸椅子に座って診察が始まるのを待つ。若干の沈黙の後、問診票を見ながら、
「腰が痛くなっちゃった?」
と聞かれる。
「はい」
「そっか、今他の病院に行ったりしてる?」
「数日前に近所の病院に行きましたけど、そこで出してもらった薬がなくなったので今日来ました」
「そうなんだ。じゃあ、まずレントゲン撮ってみようか」
「はい」
「じゃあ、看護師さんが案内してくれるから、待合で待っててください」
「わかりました」
言われた通り、レントゲンを取りに行くために一旦診察室を後にする。
診察室から出ると、一緒に看護師さんも出てきて、
「じゃあ、レントゲンですので、放射線科に行かれてください」
案内図を見せながら行き方を説明してくれる。
説明が終わると、
「撮影が終わったらまた戻ってきてください。戻ったらこちらにファイルを出してお待ちください」
と付け加えた。
案内された通りに『放射線科』と書かれた場所に向かい、受付にファイルを出して、呼ばれるのを待つ。総合病院なので、長時間待つことも覚悟していたが、思ったよりすぐに呼ばれた。
「佐久間さん、お待たせしました。レントゲンの検査ですね。服やズボンに金属などがついていませんか?」
「はい、ついてません」
「わかりました。では、撮影していきますね」
早速撮影が始まると、放射線技師さんの指示に従って、色々な体制になる。前傾姿勢や後ろに反った姿勢など、正直辛い姿勢もあったが、何とか撮影は終わった。
撮影を終え、整形外科の診察室の前に戻り、呼ばれるのを待つ。
病院の待ち時間など特にすることもないので、すぐに退屈になる。
診察室の前に来てから1時間後、
「佐久間さん、佐久間司さん、お待たせしました」
と呼ばれた。
診察室に入り、椅子に座ると、
「レントゲンの検査、お疲れさまでした。」
と、先生が言ってくれた。それから少しの間、先生はパソコンの画面でレントゲンの画像を見て、
「うん。特に問題ないね」
と、言った。
「そうですか」
「うん。レントゲン上では問題ないように見えるけどねぇ。ただ、レントゲンではわからないものもあるから、一応MRIも撮ってみましょう」
ということで、人生初のMRIが決まった。
「ただ、今日はMRIが撮れないので、来週の火曜日に予約を入れます」
「わかりました」
「では、今日は帰って大丈夫ですよ。検査の予約表をお渡しするので、待合で少し待っててください」
「わかりました」
診察室を出て言われた通り待っていると、看護師さんが検査予約表と処方箋を持ってきてくれた。
「お待たせしました。次回、MRIの検査がありますので、記載の時間までに受付を済ませてください」
「わかりました」
「お大事になさってください」
結局、一連の診察と検査が終わると12時を過ぎてしまっていた。
薬局で薬を受け取って家に帰ると、母さんが出迎えてくれた。
「おかえりなさい。病院はどうだった?」
「レントゲンは異常なかったけど、一応MRIも撮ることになったから、予約してきたよ」
「そうなのね・・・心配だわ」
そう母さんがつぶやくと、
「大丈夫だよ、母さん。司はまだ若いんだから、大したことないよ」
と、父さんが笑いながら言う。
腰痛に若さなんて関係あるか・・・?と思いながら、母さんが作ってくれていた昼食を食べた。
今回のメインは病院です。
レントゲンを撮影したものの、異常なしとの診断でした。
一応MRIもすることになり、司は人生初のMRIを撮ることになりました。
調子が悪くて検査をしても異常なしと言われると、原因は何なのか、どうしたら良いのか、困ってしまいますよね。
MRI検査で痛みの結果はわかるのか・・・
次回もお楽しみに!!
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