表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/24

⭕ 初めての患者 5‐1

◎ サブタイトルを変更しました。

 

──*──*──*── 1ヵ月後


 5回目の診察にさんがた。

 今日きょうの予約時間は15時だ。


 さんはも1人でていたけど、今日きょうは子供とている。

 さんの子供かな??


──*──*──*── 診察室


セロフィート

こんにちは、さん。

  今日きょうはお子さんも一緒ですか? 」


名倉谷

「 えっ?

  いえ、息子じゃないんです…。

  兄の息子でして…… 」


セロフィート

「 御兄さんの息子さんですか? 」


名倉谷

「 はい…。

  この子はみつるって言います。

  ひかりと書いて “ みつる ” と読みます 」


セロフィート

「 初めまして、みつる君。

  ワタシは心霊カウンセラーのセロッタ・シンミンです 」


マオ

「 こんにちは!

  オレは助手のマオ・ユグナルだよ 」


名倉谷 光

「 …………………… 」


名倉谷

「 すみません!

  みつるは昔から無口な子でして……。

  人見知りのが有るみたいで…… 」


セロフィート

「 構いません。

  マオ、みつる君に紅茶とクッキーを出してください 」


マオ

「 分かったよ 」


 オレはテーブルや魔法の(マジカル)ティーセットを取りに行く為に診察室を出た。


セロフィート

「 甥っ子さんと一緒にられた経緯を教えてください 」


名倉谷

「 はい。

  セロッタ先生から頂いた処方箋のとおりに、絵葉書やメッセージカードを買いに行きました。

  近所の100均や本屋に行って買ったんです。

  セロッタ先生の言われたとおり、色んな種類の絵葉書やメッセージカードが売られていましたよ。

  値段は張りますけど、ってるメッセージカードも沢山あって、選んでいた時間は楽しかったです 」


セロフィート

「 それはなによりです 」


名倉谷

「 自宅に帰ったら、絵葉書とメッセージカードを送る相手を選んで、よくじつには出しました。

  先ずは両親,本家の従兄いとこ,兄と妹に出しました。

  疎遠な友人達には面白そうなメッセージカードを選んで出しました。

  数日後に不仲だった兄から連絡がて、それからはなんも兄と連絡を取り合っていました。

  兄をづかいながら、それとなく俺の近状報告を伝えながらLINEラインをしていたので、兄からみつるの事を相談されたんです。

  まさか、不仲な兄から独身の俺に子供の事を相談されるなんて思いもしませんでしたよ! 」


セロフィート

「 御兄さんはみつる君に対して心配ごとでも有ったのでしょうか? 」


名倉谷

「 はい……。

  俺が自宅で起きてる心霊現象に悩んでて、セロッタ先生の心霊カウンセラー診療所にかよってる事をチラッとLINEラインに書いてたんです。

  みつるは幼い頃から人のない場所をジッと見ていたり、気味の悪い絵を描くらしく、奥さんからも気味悪がられているそうです。

  接し方にも困っているみたいで…… 」


セロフィート

「 成る程──、みつる君の目には肉眼では見えない存在が見えている──という事ですね?

  絵に描いているのはほかの人には見えていない存在を描いている──という事でしょうか 」


名倉谷

「 は、はい!

  そういう事だと思います!

  セロッタ先生、どうにか出来ませんか?

  兄からは『 バツ4になるかも知れない! 』って言われてるんです… 」


セロフィート

「 先ずは、捉え方を変えましょう 」


名倉谷

「 捉え方……ですか? 」


マオ

「 お待たせ~。

  みつる君、1人用のソファー持ってたから此方こっちに座りなよ。

  キノコンにフルーツティーを作ってもらったんだ。

  此方こっちはクッキーだよ 」


名倉谷 光

「 …………………… 」


名倉谷

みつる、折角だし厚意に甘えな。

  フルーツティーなんてカフェで買うと1.000円もするんだぞ。

  クッキーもいから食べてな 」


名倉谷 光

「 ……………… 」


 みつる君は無言のままうなずくと、オレが持ってた1人用のソファーに座ってくれた。

 キノコンのイラストが描かれているマグカップの中にフルーツティーをそそぐ。

 クッキーを並べているスイーツ皿の中央にもキノコンのイラストが描かれている。


マオ

「 どうぞ。

  好きなだけしていからな 」


 みつる君は無言でコクリとうなずいてくれる。


セロフィート

「 マオ、さんにもフルーツティーを出してください 」


マオ

「 分かったよ。

  ティーカップ持ってる! 」


 オレはティーカップを取りに行く為に診察室を出た。


セロフィート

「 “ 見えないモノが見えている ” と表現するのが一般的ですが、本来は違います。

 みつる君は “ 見えている ” のではなく、“ 見させられている ” が正しいです 」


名倉谷

「 見させられている……ですか?? 」


セロフィート

「 そうです。

  みつる君は本来ならば見えなくていモノ,見える必要の無いモノ,見たくもないモノを敢えて “ 見させられている ” 状態です。

  簡単に言えば、みつる君は被害者です 」


名倉谷

「 被害者……ですか? 」


セロフィート

「 そうです。

  だ幼いみつる君が “ さとる ” 事はむずかしいです。

  みつる君は “ 使われている ” だけです。

  みつる君を避ける事も気味悪がる事もないですよ。

  みつる君が “ 見させられている ” モノを否定する事もないです。

  みつる君はなにも悪くないので、遠ざけるより優しさと思いりを持って接してください 」


名倉谷

「 あの、どうしたらみつるは普通の子供に戻れるんですか? 」


セロフィート

「 御両親次第です。

  みつる君は “ 使われている ” に過ぎません。

  原因は御両親に有ります。

  御両親が変わらなければ、みつる君は今の状態のままです 」


名倉谷

「 原因は兄夫婦に有る……。

  兄夫婦に原因が有るのに、なんみつるいやな思いをしないといけないんですか!!

  あまりにも理不尽じゃないですか!? 」


セロフィート

「 親に “ 知らせ ” を掛けるより、子供に “ 知らせ ” を掛けた方が本気になり易いからです。

  子供は夫婦の宝です。

  子供に “ 知らせ ” を掛ける事で、夫婦2人がともに “ 悟る ” 事を要求されています。

  片親だけが1人で悟っても問題は解決しません。

  御兄さんは一家を支える大黒柱であり、ちょうですね。

  ちょうにはちょうとしての使命,役目が有ります。

  ちょうという立場での “ 自己の住位 ” が有ります 」


名倉谷

「 自己の住位…ですか? 」


セロフィート

「 御兄さんに関しては、長男としての自己の住位,兄としての自己の住位,夫としての自己の住位,父親としての自己の住位,職場での自己の住位,部下としての自己の住位,先輩としての自己の住位,同僚に対する自己の住位,取引先相手に対する自己の住位──。

  さま(ざま)な場面でさま(ざま)な立場の自己の住位が有ります。

  奥さんにも同様に自己の住位が有ります。

  嫁ぎ先に対する嫁としての自己の住位,主婦としての自己の住位,義娘としての自己の住位,妻としての自己の住位,母親としての自己の住位──。

  兄姉弟妹きょうだいいるなら、姉としての自己の住位,妹としての自己の住位,義姉としての自己の住位,義妹としての自己の住位──。

  共働きをしているなら、職場での自己の住位ですね。

  主婦業や子育ては片手間で出来る事ではないです。

  出来る女性もるでしょうが、すべての女性が出来る訳ではないです。

  主婦には主婦としての役目があります。

  主婦としての役目を放棄したり,ないがしろにしていると、1番弱い子供に “ 知らせ ” が掛けられます。

  共働きは悪くはないですが、働いている事を言い訳にして主婦業をおろそかにする事,放任する事は宜しくないです。

  たまに手抜きをするのは構いません。

  仕事を優先し、しょっちゅう手抜きをするのは宜しくないです。

  主婦の本業は、家をけるちょうの代わりに内助の功を発揮して家を守る事です。

  夫婦は()(ろく)が基本です。

  ()の妻が、(ろく)の夫を押さえ付けたり、しりに敷いたり、上から目線で命令や指図をしたり、のも宜しくないです。

  みつる君に掛かる “ 知らせ ” で夫婦になにを教えようとされているのか──、なにを伝えようとされているのか──、なにを悟らせようとされているのか──、カウンセラーのワタシには分かりません。

  これは現代の御兄さん夫婦にとっては耳の痛くなる内容かも知れませんね 」


名倉谷

「 ………………みつるの為に兄夫婦が変わる努力をしてくれるのかな…… 」


セロフィート

「 それは御兄さん夫婦次第です。

  今回は特別にさんの御兄さん夫婦へ処方箋を書きましょう 」


名倉谷

いんですか? 」


セロフィート

「 処方箋は出しますけど、実行するかいなかは御兄さん夫婦次第です。

  強制は出来ない事を忘れないでください 」


名倉谷

「 分かりました…… 」


セロフィート

「 診療所の名刺もれておきます。

  さんは、出来る限りみつる君と仲良くしてください。

  みつる君の味方でてください 」


名倉谷

「 はい、分かりました。

  こころけます 」


セロフィート

みつる君はスマホ(スマートフォン)を持っていますか? 」


名倉谷

「 いえ、持ってないです… 」


セロフィート

「 そうですか。

  なにか困ったときには、話し相手が必要ですね。

  働いているさんは忙しいでしょうし。

  ──さん、これをみつる君に使わせてください 」


名倉谷

「 あの、これは── 」


セロフィート

「 診療所のホームページサイトにアクセスが出来る専用の折り畳み式のスマホ(スマートフォン)です。

  キノコンを見ながらMAILメールLINEライン,電話で話す事も出来ます。

  ちなみにほかの用途には使えません 」


名倉谷

「 セロッタ先生、これはいくらするんですか? 」


セロフィート

「 これは非売品です。

  売り物ではないですし、貸し出すだけです 」


名倉谷

「 貸し出し……。

  スマホ(スマートフォン)まで貸してもらえるんですか? 」


セロフィート

「 特例です。

  みつる君の事は終わりましょう。

  ──此方こちらさんの処方箋になります 」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ