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⭕ 初めての患者 2


──*──*──*── 翌日


キノコン

「 セロフィート様、さくじつの患者からきよじおの画像が届いてますエリ 」


セロフィート

「 確認しましょう 」


マオ

「 激安の塩を部屋の中に置いてなにが分かるって言うんだ? 」


セロフィート

「 塩に掛けたのはコーティング魔法マジックだけではないと言う事です。

  人間の手にはえない心霊現象ならば、きよじおの色が変わっています 」


マオ

「 人間の手にえない心霊現象だったら?

  形而下的な科学検証で解明の出来る現象ってヤツならきよじおは変わらないって事? 」


セロフィート

「 そうです。

  形而上的な心霊現象で有るならば、目に見えない原因が患者自身に有る事になります。

  目に見えない原因を解明し、改善する手助けを処方箋でします 」


マオ

「 処方箋は出すけど、するしないは患者任せってヤツだな。

  ──で、どんな画像が送られててるんだ? 」


 セロと一緒にノートパソコンの画面を見る。

 ちなみにノートパソコンは古代エンシェント魔法マジックで起動するようになってるから、回線とか使ってない。

 ノートパソコン自体も〈 (原質)(みなもと) 〉で構成して出した物だから、タダだったりする。


キノコン

「 セロフィート様,マオ様、此方こちらきよじおの画像ですエリ 」


マオ

「 セロ──、これがほん昨日きのう渡したきよじおなのか?

  色が付いてるけど── 」


セロフィート

きよじおに色が付いてる場所では、心霊現象が起きている事をあらわします。

  危険度に依り、きよじおの色が違います 」


マオ

「 危険度? 」


セロフィート

「 青色は比較的弱い現象,緑色はほど(ほど)な現象,黄色は注意すべき現象,赤色は危険な現象,黒色は危険な現象,きよじおがコップから散乱していると──引っ越しを進める事になります 」


マオ

「 う~~ん、飛び散ってるきよじおは無さそうだな。

  青色,黄色,赤色の3しょくに変わっていて──、色が変わっない場所も有るな 」


セロフィート

「 浴室が青色,台所が黄色,ベランダが赤色ですか 」


マオ

「 セロ、これで処方箋を書くんだ? 」


セロフィート

「 どんな現象にも必ず意味が有ります。

  心霊的な現象を使い、いやな思い,怖い思いをさせてでも伝えたい事,教えたい事,悟らせたい事が有るのです。

  〈 (霊妙な能き)(の主宰者)(、諸天善)(神諸菩薩) 〉から作られたセロフィートであるワタシには、生物のようぶっしょうを感受するしきのうはないです。

  〈 (霊妙な能き)(の主宰者)(、諸天善)(神諸菩薩) 〉に御伺いする霊観は授かれません。

  〈 (霊妙な能き)(の主宰者)(、諸天善)(神諸菩薩) 〉は理由も無く心霊現象という人間がこのまない現象を使ったりしません。

  〈 (霊妙な能き)(の主宰者)(、諸天善)(神諸菩薩) 〉の御意趣のマトる事が出来れば、おのずと心霊現象はおさまります。

  用事が無くなれば、部屋で心霊現象が起こる事もなくなります 」


マオ

「 でもさ── “ (霊妙な能き)(の主宰者)(、諸天善)(神諸菩薩) ” なんて言っても患者にはつうじないんじゃないか? 」


セロフィート

「 患者には “ しん(諸天善神)ぶつ(諸菩薩) ” と言えばつうじます 」


マオ

「 でもさ、患者の中には “ しん(諸天善神)ぶつ(諸菩薩) ” の存在を信じない人や否定する人もるんじゃないか?

  怒って帰っちゃうかもだそ? 」


セロフィート

「 知った事ですか。

  だすけをする為に開業した訳ではないのです。

  去る者は追いません。

  それに必ず “ しん(諸天善神)ぶつ(諸菩薩) ” をれて話す訳では無いですし 」


マオ

「 そっか。

  昨日きのうの患者──さんだっけ。

  次はごろ診療所にるんだ? 」


キノコン

「 本日、午後16時に予約がはいってますエリ 」


マオ

「 そうなんだ?

  昨日きのう今日きょうるなんて暇なのかな? 」


セロフィート

さんの為に処方箋を作成するとしましょう 」


マオ

「 どんな処方箋を作るんだ? 」


セロフィート

「 診察で分かります 」











 16時になると、予約をれていた患者第1号のさんがた。


──*──*──*── 診察室


セロフィート

さん、こんにちは。

  処方箋のとおりに実践してくれたようですね 」


名倉谷

「 は、はい!

  あの、色が変わっていたきよじおを袋にれて持ってました。

  コップと色の変わってないきよじおも── 」


セロフィート

「 はい、たしかに受け取りました。

  マオ、保管室へ運んでください 」


マオ

「 分かった 」


 オレはセロからかみぶくろを受け取ると診察室を出た。


セロフィート

「 先ずはきよじおを使った検証で判明した事を御伝えします。

  浴室が青色,台所が黄色,ベランダが赤色でした。

  色が変わった場所で心霊現象が起きている事が判明しました。

  ベランダは比較的危険です。

  心霊現象が起きている場所には──応急処置でコレを置いてください 」


名倉谷

「 これは……置物ですか?

  可愛いですね(////)」


セロフィート

「 キノコンの形をした消臭剤です。

  中には特殊な備長炭がはいってます。

  中身の備長炭が無くなる前に新しい備長炭を補充するようにしてください。

  備長炭は受け付けで貰ってください 」


名倉谷

「 は、はい……。

  あの、応急処置って事なんでしょうか? 」


セロフィート

きよじおの色が変わった部屋は、よどみが集まり易い場所です。

  心霊現象を無くす事は出来ませんが、よどみを吸い取る事で心霊現象を弱める効果は有ります 」


名倉谷

「 心霊現象を弱める……。

  無くせないんですか? 」


セロフィート

「 ワタシは除霊の専門家ではないですし。

  おはらい,祈祷,除霊…などをしても構いませんが、一時的におさまるだけです。

  別の現象が起こる事になりますから、根本的な解決にはなりません 」


名倉谷

「 えっ……おはらい,祈祷,除霊をしても一時的な効果しかないんですか?

  根本的な解決にならないって…… 」


セロフィート

「 心霊現象は結果です。

  結果には原因が有ります。

  先ずは原因を解明し、改善,解決に向けて地道に取り組みます。

  用事が無くなれば、心霊現象は勝手におさまります 」


名倉谷

「 そういうものなんでしょうか? 」


セロフィート

「 自宅で起こる心霊現象を無くしたいのでしょう?

  処方箋は此方こちらで用意をします。

  本気で心霊現象をしたいなら、処方箋を信じてさん自身が努力をされる事です。

  他力本願では根っ子を抜く事は出来ません 」


名倉谷

「 根っ子……ですか? 」


セロフィート

「 草取りで例えると分り易いですか?

  草を抜くには根っ子から抜かなくては、草を無くす事は出来ませんね。

  土の上にえている草は現象です。

  今回はさんを悩ませている心霊現象を指します。

  おはらい,祈祷,除霊をする事は、土の中に根っ子を残した状態で草を刈る事を指します。

  土の中に根っ子が残っているので、再び草がえてます 」


名倉谷

「 そうなんですか?? 」


セロフィート

「 言葉だけではなく絵を描いて説明した方が分り易いですか? 」


 セロフィートはペンを持ち白紙に根のえた草の絵を描いて、患者(名倉谷)に見せる。


セロフィート

「 草を完全に無くす為には根っ子を引き抜く事です。

  心霊現象を完全に無くす為には──、根っ子である “ 原因 ” を解明し、解決,改善に向けて取り組みます。

  確実に根っ子を引き抜く為に土を掘る行為を指します。

  実践する事で御意趣のマトる事が出来れば、根っ子を綺麗に引き抜く事が出来ます。

  根っ子ごと草が抜ければ、さんを悩ませている心霊現象は自然におさまります。

  心霊現象を使い、さんに用事が無くなるからです 」


名倉谷

「 ……………… 」


セロフィート

さんの為に処方箋を出します。

  ──此方こちらが今回の処方箋の内容です 」


名倉谷

「 今回の処方箋……。

  ──あ、あの……これをほんにするんですか? 」


セロフィート

「 強制ではないです。

  実践する,しないは実際に取り組むさん自身が決めてください 」


名倉谷

「 …………日常生活の中でなにい “ よかった ” を探す。

  “ うれしい ” を探す。

  “ ありがたい ” を探す。

  ──あの…………ほんをしてくなるんですか? 」


セロフィート

さんは先ず、自分自身に対して自信を持ってください。

  日常生活の中でなにい “ よかった ” や “ うれしい ” や “ ありがたい ” にき、日記に書き残す事で感謝の念をはぐくみます。

  心の基盤,心の根は感謝です。

  感謝の気持ちで()の生活を送る事で、視野が広がり自信も付きます。

  先ずは1ヵ月、続けてみましょう 」


名倉谷

「 は……はぁ……はい…… 」


セロフィート

「 おや、むずしいですか?

  日記帳は此方こちらを使ってください 」


名倉谷

がとう御座います…… 」


セロフィート

今日きょうの診察は終わりましょう。

  1ヵ月に御会いしましょう 」


名倉谷

「 はい……。

  がとう御座いました 」


セロフィート

「 御大事にしてください 」


 患者(名倉谷)は不安そうな表情をしながら診察室を出る。

 ソファーに腰を下ろして座り、名前を呼ばれるのを静かに待った。

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