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✒ 犠牲者が、また1人


 は●●●県の中に在る●●●郡●●●ちょう●●●あざ●●●と呼ばれている地区だ。

 その地区に在る最寄り駅から徒歩15分の土地に、心霊カウンセラーなるおもに心霊的な現象に悩まされている人達を対象ターゲットにしてカモる……じゃなくて、救済の手を差し伸べては心霊的な悩み相談を真摯に聴聞し、悩みを解決に導く方法を教える診療所が在る。


 心霊カウンセラーとして患者にカウンセリングをするのは、オレの相棒──なんちゃって吟遊大詩人のセロフィート・シンミンだ。

 なんでセロが “ 心霊カウンセラー ” なんていう “ 怪しいカウンセリング ” を人間に対してというと、もの “ 発作 ” が原因だ。


 最寄り駅から約15分の土地を買って、元から建っていた倒壊しても状態の廃屋敷を取り壊して更地にしたあと、住居けん心霊カウンセラー診療所をセロが古代エンシェント魔法マジックでパパッと建てて、2人で引っ越したんだ。

 1階が心霊カウンセラー診療所,2階と3階が住居,屋上にはリラックスが出来る開放的な庭園になっている。


 診療所の建っている土地は “ いわくき ” らしく、地元じゃ有名な場所だったらしい。

 オレは診療所を建てる際に取り壊した廃屋敷が “ いわくき ” だったなんて一切も聞いてない。

 放置され続けていた廃屋敷墟の土地を持ち主から買い取って、土地の権利書をこころよく譲ってもらえたらしいんだけど──、怪しいもんだ。

 土地の持ち主にほんなにをしたのかセロに問いただしたいけど……、怖くて聞けないんだよなぁ~~。


 当然の事、セロは “ なんちゃって吟遊大詩人 ” だから、カウンセラーの資格なんて持って無い。

 ものように〈 (原質)(みなもと) 〉で構成した本物の資格を立派ながくれて、これ見よがしに壁に掛けてある。

 実際には無免許の “ なんちゃって心霊カウンセラー ” な訳だ。


 そんな事を知らない大勢の患者達が、セロのカウンセリングを信じて診療所に診察を受けにるわけだ。

 助けを求めて訪ねてる金持ちの患者達は、知らないあいだにカモられている。

 成金野郎からは容赦なくガッポリと治療費を請求している以外にも悪どい診療所だ。


 一般的な庶民には良心的な治療費を請求しているし、貸し出し用の道具も無料で提供している。

 無い所から搾り取っても仕方無いからな!


 ちなみに心霊カウンセラー診療所は完全予約制で早いもの勝ちだ。

 患者は1ヵ月に1回だけ診療所に予約をれられるようになっている。

 診察時間は1人に付き約60分だ。


 開業した頃の心霊カウンセラー診療所は宣伝すらしていなかったからかんどりが鳴いていた。

 だけど、現在は予約でパンパンに埋まっている。 

 心霊カウンセラー診療所は開業してから2年もしないあいだに有名になり、他県からも患者がてくれるようにすらなっていた。


 ──で、今回の患者は初めてさんだ。

 常連の患者さんの紹介で診療所を訪ねてたらしい。

 当然、予約ははいってない。

 紹介者の患者さんが診察中にセロに相談をして、紹介者の為に診察日をゲットしたんだ。


 じつは診療所にる患者の大半が、常連の患者さんからの紹介だったりする。

 仕事関係で他県へ出張する色んな職業の患者さんがるから、出張先で出会った人達に診療所のチラシを手渡してくれているらしい。

 だから遠くの他県からでもわざ(わざ)診療所にてくれる訳だ。


 心霊現象に悩まされている人ってるんだよな~~。

 診療所としては診察に患者のはなしを聞いて、患者に見合った処方箋をセロが手渡して終わりだ。

 なん大した事はしていないのにガッポリと出来ちゃうんだ。

 ラクなもんだ。


 こんなボロい商売しててバチが当たらないか心配になるけど──、〈 (霊妙な能き)(の主宰者)(、諸天善)(神諸菩薩) 〉に作られたセロフィートのセロがしてる事だし、大丈夫なんだろう。

 〈 (霊妙な能き)(の主宰者)(、諸天善)(神諸菩薩) 〉の信頼を裏切らない限りはセーフらしいし。


 そんな訳で、診察室では “ なんちゃって心霊カウンセラー ” による初患者の診察が始まった。

 オレはセロの助手だから患者に紅茶と紅茶に合うスイーツを出す。

 ちなみに紅茶とスイーツは心霊カウンセラー診療所のマスコットキャラクターでもあるキノコンが用意してくれている。


 セロにしか出せないげんしんすい──場合に依っては “ しんげんすい ” とも言う ──を使って作っている紅茶とスイーツだから、診療所でしか飲食が出来ない代物だ。

 じつげんしんすいは、人間の身体からだに害は無いんだけれど、薬物より厄介な中毒性のあるヤバい水だったりする。


 診察にたびに患者へ飲ませたり食べさせたりしては体内に摂取させるから、身体からだげんしんすいを欲するようになるわけだ。

 で──、患者は紅茶とスイーツを摂取する為に1ヵ月に1度、予約をれたくなる訳なんだなコレが。


 診療所の裏ではげんしんすいに使って作ったキノコン特製の手作りスイーツも販売されている。

 支払う前に診療所の診察カードをレジカウンターでスキャンすると2割引きされるようになっている。

 買った値段に応じて毎回、キノコンの非売品オリジナルグッズも貰える嬉しい特典付きだ。


 診療所の患者しか入店の出来ない会員制のスイーツ店になっているから、スイーツを買いたいが為にわざ(わざ)診療所にて患者になる人もるぐらいだ。

 「 ネット販売して欲しい 」って言う声が患者から出るほどにキノコンじるしのスイーツは患者に大人気だ。


 今回、診察を受ける患者に出したスイーツはプリンだ。

 カラメルは無いけど、キノコンの焼きいんはいっている。

 この焼きいんには種類があって、スイーツに依って押されている焼きいんが違うんだ。

 一寸ちょっとした遊びごころだったりするけど、これも大好評だったりする。


 また1人、セロの犠牲者が増えた。

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