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混ざりモノの冒険記  作者: みやふか
第1章:邂逅編
7/10

1-3:無事、冒険者となる


ゼノ、フェイ、ゼーレ、アリーザの4人は冒険者ギルドの中に入る。



「すげぇ、冒険者がたくさんいるぞ!!」

ゼノは興奮しながら叫ぶ。



冒険者ギルドの中は様々な目的の冒険者で溢れていた。

依頼を受け、その精算を行う者が大多数を占めるが、冒険者のパーティーを募集する者や併設する酒場に足を踏み入れている者もいた。



ゼノは冒険者達を観察する。

見知った武器を持つ者もいれば、使い方の分からないような武器を持っている者もいる。

純粋な人間もいれば、亜人と呼ばれる人の身体に動物の特徴を持った者も少なくない。

長い耳を持つエルフや低身長だが、怪力を持つと言われるドワーフも散見される。



冒険者ギルド内は活気に満ちあふれていた。



「ゼノさん、ゼノさん、あそこで冒険者の登録ができるッス。自分は落とした鞄が届いていないか見てくるッス」

アリーザはそう言うと、左の方を指さす。

その方を見ると、複数のカウンターが見えた。



恐らく、受付の類いだろう。

そこには何人かの職員がおり、冒険者に応対していた。



「それじゃあ、自分は行ってくるッスー」

アリーザは奥の方へ駆けていった。

「お、おい!集合場所はどうするんだよー!」

ゼノの声は届かなかった。



「とりあえずは冒険者の登録ってのをやるしか無いみたいだな」

ゼーレが呆れたように言う。

そして、ゼノの中から出て飛ぼうとする。



しかし、それはゼノによって阻まれる。

飛ぼうとしたゼーレを指で摘まむ。



「今飛んだら目立つに決まってるだろ!」

「しゃーないな」

ゼーレはつまらなさそうにゼノの中に戻る。



「とりあえず行ってみるのダ」


3人は受付の方へ移動する。

それほど待つことも無く、ゼノたちの順番が回ってきた。

受付にいたのは制服を着た女性職員だった。



「ここで冒険者の登録ができるって聞いたんだけど」

「そうですよ。こちらに必要事項をお書きください」


女性職員は愛想良く、書類を手渡してくる。

必要事項といっても名前と年齢くらいのものだが。



ゼノは備え付けのペンで必要事項を記入し終わると、書類を返却する。

女性職員職員は確認を終わると、装置か何かを取り出す。



「これで、あなたの能力を測定します。冒険者の適性を測る装置です。ではここに手を置いてください」

「こうか?」

奇妙な装置に興味をそそられながらも、ゼノは指示に従って装置に手を置く。

すると、よく分からない文字が浮かび上がる。

ギルドの職員にはその文字が読めるようで、装置から浮かび上がる文字に目を通していく。



「そんなことって、、、」

文字を読んだ職員が絶句した表情を浮かべる。

「少しお待ちくださいね。確認事項がありますので」

職員はそう言うと装置を持って奥の部屋へ行ってしまった。



「まあ、アレだよな」

「アレだな」

「アレなのダ」



大方ゼノの魔力量の話であると3人は納得する。



数分後、ギルドの職員が戻ってきた。

そして真剣な眼差しで告げる。


「お待たせいたしました。あなたの測定結果を確認したところ、非常に申し上げにくいのですが、、、――冒険者の適性がゼロであることが分かりました。以上の結果より、当ギルドではあなたが冒険者になることを推奨できかねます」



大体、内容を予想していたゼノは特に反応することもなく、告げる。

「そんなことは承知で来た!冒険者の登録を頼む!」



「で、ですが!毎年何人もの冒険者がその命を落としています。それほどに危険な職業なんです。私たち冒険者ギルドはそういった被害を最小限にとどめることも目標としています。そのための適性検査でもあるんです」

焦った職員がゼノを必死に引き止める。



自分の命を案じてくれる事に感謝しながら、ゼノは言葉を返す。

「俺はどうしても冒険者になりたい、ならなくちゃいけないんだ。もちろん命を捨てるつもりも無い。だから、頼む」

ここで躓いてなるものかという思いを言葉にして紡ぐ。



少しの間、職員が考え込む。

「分かりました。そこまでの覚悟がおありでしたら、認めざるを得ません。冒険者証を発行しますのでしばらくお待ちください」

ゼノの熱意に職員が根負けして折れた。

そして、再び奥の部屋へ向かう。



「ありがとう」

そう、一言だけ告げた。



少しの時が経ち、ゼノに冒険者証が手渡される。

そこには自分の名前とその他よく分からないことが書かれていた。



「今から担当を変え、冒険者になるにあたっての説明を行います。エンジュさーん、お願いしまーす」

「はいはーい」


そう言われてやってきたのは、エンジュと呼ばれた人物。

薄鈍色の髪の色をした女性職員、そう言うことができれば良かったものの、その容貌は「成人した女性」とは異なっていた。



「子供がどうしてここにいるんだ?」

目の前の受付にいる人物を見てゼノが言い放つ。

「誰が子供だ!!」

食い気味にエンジュが答える。



そう、エンジュの見た目はかなり幼かったのだ。

身長もフェイと大差なく、かなりの童顔だ。

ギルド職員の制服を着ているものの適したサイズが無かったのかその丈に合っていない。



「これでも20は超えてるっつーの」

エンジュがふてくされながらギルド職員のカードを見せてくる。

そこにはエンジュの年齢が記されていた。



「やっぱ見えねぇ」

「まだ疑うのかっ」


見れば見るほど子供にしか見えないゼノであった。



是非是非、評価等おねがいします!

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