表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

偽物屋、今日も元気に開店中!

初投稿です。至らぬところばかりですがご覧になって頂けると幸いです。

 僕は冬森皐月ふゆもりさつき。中肉中背のこれと言って特徴のない高校一年生である。まぁ特徴といえば男としては珍しい名前だろうか。家族は父、母、弟と僕を含め4人である。    

 さて、自己紹介はここまでとして本題に移ろう。僕は今絶賛反省文を書いているところだ。どうやら遅刻5回はしてはいけないことだったらしい。不満に思いながらも、僕は真面目で模範的な学生なのでしかたなく書いていた。

「おい、たったの反省文一枚だろう。さっさと書け。」

 こう僕に声をかけてきたのは我がクラスの担任であり体育教師である森田秀典もりたひでのり先生である。僕は当初逃走を図ったのだが、40歳超えとは思えない脚力を発揮した森田先生によって捕獲された。

 しかし、この生徒指導室に監禁されるのももう終わりだ。なぜなら、ついに反省文を書き終わったからである。僕は鼻高々に森田先生に提出した。

「おい冬森!これはなんだ!」

 何故か大変お怒りである。

「ちゃんと書きましたよ?」

 目上の人には敬語を忘れない、素晴らしい人間である僕はそう訪ねた。

「同じ文章を繰り返してるだけだろうが!」

 なんと駄目らしい。謝罪の意を示すため「ごめんなさい、もうしません。」と400字詰めの用紙にびっしり書いたのだが。

「書き直しだ!!」

 なん…だと…この僕が放課後の貴重な10分を使って書き上げたものがやり直しだと…?頭は大丈夫だろうか。

 このあと20分かけて書いたものを却下され、色々な謝罪の文を書いたものを提出してやっと開放された。時間にして計55分である。放課後の55分はなかなかに重い。僕は邪智暴虐たる担任を恨みながら帰路についた。

 ああそうそう、僕が通う高校は男子校である。甘酸っぱい青春ラブコメを期待していた読者には悪いが僕に男色の趣味が目覚めない限り起こらないので了承してほしい。

 そして我が家へ1時間程かけて到着した僕を迎えてくれたのは見知らぬ美少女、ではなく愛犬の信濃である。犬種は柴犬、生後10ヶ月の我が家のマスコットだ。親愛の表現として手や足を本気噛みしてくるところなど大変可愛らしい。ちなみに性別はメスである。

 親愛の表現をたくさん受けた僕は痛む手足を抑えながら自分の部屋へと向かった。そう、この部屋こそ僕が愛してやまない場所である。家族からよく汚部屋と言われるが僕なりに最適化しているだけである。どうこういわれる筋合いはない。

 荷物をおいた僕はとりあえず宿題をするため机に向かった。

 30分後、毎日すべき宿題である英語の単語ノートを埋めた僕は急に襲いかかってきた睡魔に抗わずにベットに倒れ込んだ。どうやらあの55分は想像以上に僕の体力を奪っていたらしい。そして僕は夢の中に落ちていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ