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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第3章 ラヤーナ争奪戦?
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3-5 王子の訪問


『ラヤーナ~・おはようなの~~~』 


「ラティ、おはよう。」


『今日もたくさん薬売るのね~・いっぱいお客さん来るのね~』


「そうね。お祭りも明後日からだし、昨日あたりから町に滞在している人も増えてきているわ。ギルドにもいつもより多く薬を置いてもらっているけれど、購入したい人が増えているようなの。だから一度夜に森の家に戻って薬を追加で作ろうと思うのよ。そのまま夜、精霊の森に行って明日ローラ様に他の王国への販売について少しお話しておきたいわね。」


『女神様に伝えるのね~・みんな喜ぶのね~・薬はいっぱい作ったほうがいいと思うのね~・ラティも手伝うのね~』


「ラティ、ありがとう、お願いね。」


『任せてなのね~・今日はお店の後アウロレリア王国の人とも話しするのね~』


「そうなのよ…。ラティが昨日、この人は信用できる、って言ってくれたし、私もこの人は大丈夫だと思ったから販売することは問題ないの。薬を作る速度も上がっているから、販売する量も問題なく作れると思うわ。実際にどれくらいの量を卸すのかは今日の相談次第ね。」


『その分の薬も作るのね~!・アウロレリアの人嬉しいのね!!』


「ええ、この国人たちだけではなく、他の国の人たちも薬を使ってもらえるようにしないとね!今日はギルドで相談した後、森に帰って薬を作りましょう。」


『戻る前にお肉ね~!・アルバス喜ぶのね~!!』


「そうね、忘れないように買っておきましょう。」


朝の支度を終えると、ラヤーナはレスリーたちが待っているダイニングへ向かう。朝食を作っているフランカの手伝いをするためだ。


「おはようございます、フランカさん。」


「おはようございます、ラヤーナさん。」


「「ラヤーナ、おはよう!」」


「レスリー、ユリア、おはよう。今日も元気いっぱいね。」


「うん。今日もいっぱいお手伝いして、明後日の夜は、ラヤーナとお祭りに行くんだ。」


「ユリアも!ラヤーナといっしょにおまつりまわるの!!」


「私も楽しみにしているわよ。あ、ヘリットさん、おはようございます。」


「おはよう、ラヤーナさん。店もだいぶ人気のようだね。」


「はい。フランカさんやレスリー、ユリアがいて本当に助かります。」


「今日の夕方は他国からのお客様との交渉もギルドであるのでしょう?」


「はい。他の国の人たちにもできるだけ使っていただければと思っています。」


「昨日は他国からいらして購入されていったお客様も大勢いらっしゃったのよ。同じ商品は3つまでと制限を付けておいてよかったわ。人気がある商品はすぐに売り切れてしまうもの。」


「そうですよね。人気のあるものはできるだけ多めに作っているんですが、すぐに売り切れてしまうので、もっと作る量を増やそうと思っています。」


「ええ、そのほうがいいと思うわ。でもラヤーナさんが一人で作っているのでしょう?無理はしないでね。」


「はい。気を付けますね。」


朝食を取りながら、今日一度森に帰り、明日の夕方町に戻ってくることをヘリットたちに伝える。薬の在庫は十分あるとはいえ、思っている以上に購入希望者が出てくるかもしれない。この薬が少しでも早く広まることで助かる人が増えるのであれば、できる限り多く作り、販売できるようにしたい。そのために、夕方ギルドでの相談後、そのまま森に薬を作りに戻ると伝える。レスリーとユリアは、お店の準備をフランカとしておくから任せてと言ってくれている。


朝食後、ヘリットは仕事に出かけ、フランカは家事をする。ラヤーナは、レスリーとユリアと3人で店の方へと向かう。明後日からのお祭りの期間限定で、お昼前にも店を開けるため、少し準備をしておこうと思っていた。店舗内の「ユリアの遊び場」は少し手を入れ、ユリアとレスリーが読み書きの勉強もできるように子供用の机を置き、遊べるようなコーナーをそのまま残しながら、棚などを設置し、絵本や遊び道具をさらに充実させた。子供連れのお客が来ると、子どもたちを主にユリアが、必要によってはレスリーも一緒に面倒を見てくれるため、子連れの客にもゆっくり買い物ができると大好評だ。


「昨日から人が増えているから今日は品物を多めに棚に並べて置いた方がいいわね。レスリー、ユリア、先に品物を奥に取りに行ってもらえる?私は、店内の準備を進めておくわね。」


「「はーい。」」


2人は店の奥にある商品を置いてある部屋にとりに向かった。


「さぁ、準備を進めましょう!」


『ラヤーナ~・誰か来てるのなの~~』


「あら、誰かしら?まだ開店の時間ではないけれど…」


開店時間前であるにもかかわらず、誰かが店の前におり、様子を伺っているようだ。急いで入り口に向かうと、そこにはクラウディオ王子が来ていた。(大けがをしていたところを助け、ギルドに運んだその人)


「え、王子、またいらしたんですか…」


「久しぶりだな、ラヤーナ嬢。」


「久しぶりというほどでも…この間は遠征から戻られた後に来られましたよね。私が森に帰る前日だったので…10日ほど前ですよね…」


「十分久しぶりだろう。」


「…そうですか…」


「客が来てからではそなたも忙しいだろう。わざわざ店が始まる前に来たんだぞ。」


「…おこころづかい、ありがとうございます…」


「この祭りの間は遠征にはいかずに町の警備に廻る。他国からの出入りもあるし、ラヤーナ嬢の薬は貴重なものだ。何かあると困るだろう。この国の民を守るのも王族の役目だからな。」


「そうですか…おつとめ…ごくろうさまでございます…」


「それで、オータムナスの祭りだが、私と」


「ラヤーナ!みてみて、これくらいでいいかな?」


小さな商品を入れた籠を抱えて、ユリアがラヤーナのところへ飛び込んできた。


「あら、ユリア、ありがとう。」


「あ、おうじさま、こんにちは!」


「あ、ああ…ユリアか…」


「王子様、こんにちは。」


「レスリーか、二人とも、よくラヤーナを手伝っているな。」


「おうじさま、ユリアもお兄ちゃんも、ただのおてつだいじゃないよ!じゅうぎょういんだよ!このあいだ、ユリアもギルドで『あんぜんそうち』っていうの、つけてもらったんだ!お兄ちゃんにももうついてるよ!!!」


「そうね、二人とも、お手伝いというレベルではないわよね。立派な従業員だわ。二人がいてくれて、とても助かっているのよ。二人がいなかったら、フランカさんと私だけでは、これだけしっかりお店を回せないもの。」


「うふふ~。ユリア、がんばるね!」


「うん、ぼくもだよ!」


「ねえ、ラヤーナ、おまつりまわるの、たのしみだね!ユリアね、まわりたいところたくさんあるの。」


「私も楽しみよ。オータムナスのお祭りは初めてだから、二人が一緒にまわってくれることになって、とっても助かるわ。すごく楽しみにしているのよ。」


「ぼくもだよ!ユリアと一緒に、お勧めのところへたくさん行こうね!」


「おとうさんとおかあさんには二人でたのしんでもらうんだ!ユリアは、お兄ちゃんと、ラヤーナとたくさん楽しむの!!」


「うふふ、そうね!楽しみね。」


「そ…そうか…お祭りは…子供たちと…そ、それなら私も一緒に君たちと」


「ユリアね、お兄ちゃんとユリアのひみつの場所にラヤーナをつれていくね!目立たないように、こっそりいかないとだめなんだよ。」


「…目立たたないように…?」


「そうなんだよ。ラヤーナなら、僕たちと一緒だったらだいじょうぶだよ。そこはね、大人は来れない場所なんだ。子供たちの秘密の場所だよ。」


「秘密の場所?そんなところがあるの?」


「うん。おまつりで、かってもらったものをみんなに見せるんだよ!こうかんしたりして、とっても楽しいの。」


「そうなの、町の子どもたちがあつまるのね。」


「うん。たくさんじゃないけど仲良しの仲間があるんだ。安全な場所だから大丈夫だよ。お父さんとお母さんは場所を知っているし、ラヤーナも一緒に行こうよ!」


「え、私が行ってもいいのかしら…?」


「すごくちっちゃい子はおかあさんといっしょに来るよ!だからラヤーナならだいじょうぶだよ!!」


「わ、私も参加できないか?」


「え、王子様?だめですね。」


「え、なぜだ?私も一緒に」


「おとなのおとこの人はだめなんだよ。お父さんもばしょはしっているけど、はいったことないよね。」


「うん。お母さんは入ったことあるけど、お父さんはないよ。」


「…そうなのか…それであれば途中までなら」


「おうじさまは、まちの人をまもるおしごとでしょ?まちの人、言ってるよ。おうじさまは、きじゅうとうばつをしているたいちょうさんだって。まちの人をまもっているおしごとだって。すごいね!」


「そ、そうだな。国の民を守るのは王族の務めだからな。町の住人ももちろん国の民だ。皆が健やかに過ごせるように王族の私たちは日々心を砕き、様々な務めを果たしているぞ。」


「すごいね、おにいちゃん。おうじさまって、すごいね。」


「そうだね。やっぱり王子様はすごいんだね。お祭りの時も町の警備をしてくれるんだね。安心してお祭りを楽しめるね!」


「うん。おうじさま、ありがとう!まちをまもってね。おうじさまがおまつりのとき、まもってくれているっておもっていれば、あんしんしてたのしめるね。まちの人も、ほかのくにからの人も、みんなあんしんだね!ユリア、おまつりたのしみなの。」


「…そ…それは…そうだが…」


「あ、ラヤーナ、もうすぐお昼の時間だよ。その後すぐにお店が始まるでしょ。今のうちに並べる品物を確認して欲しいんだ。」


「もうそんな時間なのね。分かったわ、レスリー。クラウディオ王子、鬼獣討伐でまた薬がご入用の際は、ギルドに言づけてくださいね。薬はしっかりと準備させていただきます。」


「…わ、わかった…祭りは…」


「王子がお祭りの間、町を守ってくださると思うと心強いです。子供たちと一緒に初めてのお祭りを楽しんできますね。」


「そ…そうか…」


「あ、ラヤーナ、お母さんが呼んでるよ。お昼だって。」


「はやくいかないと、おかあさんにおこられちゃうよ~~~」


「そうね。王子、それでは失礼します。」


「…また…来る…また…」


「おうじさま、またね。」


「…ああ…また…」







ユリア、兄のレスリーと協力し、王子を撃退する。

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