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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第3章 ラヤーナ争奪戦?
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3-3 お祭りは誰と回る?


「最近町がにぎわっているような気がするのよね。」


『ラティもそう思うの・知らない人いっぱいいるのね~』


「知らない人?」


『そなの~・この町の人じゃない人~・いっぱいいるよ~~~』


「…この町の人じゃない人…」


「あ、ラヤーナさん、このお皿を向こうにお願いします。」


「はい。今持っていきますね。」


「置いたら、レスリーとユリアを呼んできてもらえるかしら?」


「はい。わかりました。」


ラヤーナが町に来るときは別邸に泊まり、食事はフランカが家族の分と一緒に作ってくれることになっている。申し訳ないと一度は断ったのだが、もともと料理が好きらしく、一緒に作ったり、食べたりする人が増えるのが嬉しいらしい。ユリアはまだ小さいので一緒に料理をするのは難しいし、レスリーだけお手伝いさせるとユリアもやりたいとキッチンに入ってきてしまい、以前も何度かそれで怪我をしそうになっているそうだ。

食事の支度をしながら、この世界の一般的な料理を教えてもらったり、お菓子を一緒に作ってみたり、薬茶のヒントなりそうなアイデアを二人で考えたりしている。


「さぁ、お昼をいただきましょう。」


テーブルの上には美味しそうな昼食が並んでいる。

父親が怪我をする以前よりも豊かになった食卓(ユリアが教えてくれた)に4人+1人(←ラティ)で昼食をとり始めた。


「あぁ、そういえば、町にたくさん人が増えているようなんですが、何かあるんですか?」


「あぁ、ラヤーナさんはご存じないのね?」


「何か…?」


「もうすぐね、オータムナスのおまつりだよ!」


「お祭り?オータムナスの?」


「うん、そうだよ。オータムナスのお祭りは、オータムナスとイエムスのちょうど境目の日をまたぐ前後4日間だよ。」


「ええ、そうね。今年はオータムナスの最終日がバーナの日で、イエムスの最初がマーゴの日ね。だから、その週のオーランの日からグーフルの日までの4日間が今年のお祭りの日よ。」


「今年はギーの日はお祭りの日じゃないから関係ないけど、お祭りの時はね、どの曜日でも、お店とかやってるんだよ。特別な日なんだ。」


「なるほど、お祭りは4日間なのね。」


「うん。いっぱいおみせとかでるの!しらないものもたくさんあるよ。」


「そうなのよ。他の町や国から品物を紹介したり、売りに来たりする人たちも多いし、それを楽しみに、町以外からもいろんな人たちがお祭りを楽しみに来るのよ。お祭りは4日間だけれど、その前から露店も並ぶわよ。」


「そうなんですね。」


「うん。オータムナスのお祭りは、どこの町でもやるんだけどね、時期が少しずつ違うんだ。オータムナスの季節なのは、今はこの王国と隣のアウロレリア王国だけだよ。お祭りの時期は4日間しかないから、違う町と被ることはないんだ。他の国は違う季節だよ。」


「レスリーはいろいろと知っているのね、すごいわ。」


「えへへ。」


「ラヤーナさん、お祭りはどうされるの?どなたかと…」


「え、どなたか?…と言いますと?」


「オータムナスのお祭りは、若い人たちが参加されることが多いのよ。もちろん家族での参加も多いですし、一人で気軽に参加する人もいます。でもラヤーナさんくらいの年の人たちは、一緒にオータムナスの祭りを楽しむのは恋人たちということが多いので、ラヤーナさんはそういうご予定は無いのかしらと思ったの。」


「恋人ですか?私は無いですね…全くないです。予定もないので…もし差し支えなければ、レスリーとユリアとお祭りに行ってみたいと思います。」


「あら、子どもたち二人と?」


「あ、ユリア、ラヤーナさんと行きたい!」


「僕も、ラヤーナさんと行きたい!」


「あら…でもそれじゃ…ラヤーナさんにご迷惑では…」


「迷惑ではなく、むしろお願いしたいくらいです。二人ならお祭りのこともわかっていると思いますので、いろいろと案内をお願いしたいです。それに、他の人たちとは行きたくないので…」


「あら、そういえば団長さんとは行かれないの?」


「行かれないです…ちょっと遠慮したいです。」


「騎士団長さん、女性にとても人気があるわよ。」


「…私はちょっと…苦手です。」


「そう?」


「はい…」


「亜人の上位種の方で、強くて正義感があって、素敵な男性だと思うけれど…」


「…私にはちょっと…」


「…まぁ…それなら…そうね…団長さんが苦手だとすると、一緒にお祭りを過ごすのは大変ね…」


「はい。ですから、ぜひ、レスリーとユリアに一緒にいてほしいんです。」


「大丈夫!僕たちでラヤーナさんを守るよ。」


「ユリアがだんちょーおじちゃんをやっつけるからだいじょうぶ。」


「…やっつける必要はないのよ、ユリア…」


「でもおかあさん、おじちゃんしつこいよ?」


「…あら、そうなの?」


「そうだよ。おじちゃん、じーってラヤーナさんいるときに見てるもん。」


「うん、しつこいよ。僕にも、ラヤーナさんの好きな物とか知らないかって、いっつもしつこく聞いてくるよ。」


「………」


「……レスリー、ユリア…ラヤーナさんのことよろしくね…」


「「うん、まかせて、お母さん」」






※フランカさんは団長さんについてはラヤーナへの好意を気付いていたらしい…

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