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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第2章 れっつオープン薬屋さん
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2-47 ラヤーナ 薬屋さんをオープンする

第2章最終話です。


さぁ、今日はいよいよ薬屋をオープンする日だ。

前回、区画ショップで薬を販売した際に、効能の高い薬はギルドショップに常時置いてもらうことや、2週間後店舗をオープンさせ、そちらでは需要の高い緩やかな薬や薬茶、その他の商品を扱うことを宣伝しておいた。


一昨日はこちらに来る直前まで、大量に薬を作っていた。ギルドには騎士団向けのものをこちらに来てすぐに届けてある。騎士団に卸すものはとにかく、効能が高く数もたくさん用意する。この間の森で倒れていたような人たちを少しでも減らさなくてはならない。鬼獣が嫌うような臭い…虫よけならぬ鬼獣除けのようなものも、アイデアはあるがまだ完成していない。逆に鬼獣を集めて、弱らせるもの…鬼獣ホイホイのようなもののアイデアもあるが、こちらもまだ試作段階だ。そのうち完成させて、町の人たちが鬼獣にできるだけ襲われないようにしたいし、騎士団の鬼獣狩りは少しでも楽になるようにしたい。


薬屋の商品として用意した薬茶は種類を増やした。使っている果実の効能が異なるため、薬茶の効能も少しずつ異なっている。ベースの薬草も何種類かで作っているため、薬茶はかなりのラインナップになった。


塗り薬に関しては、特に使い方等の変更はないが、入れ物の大きさを1キュプのもの、3キュプのもの、5キュプのものを用意し、簡単な擦り傷程度の物はとにかく安く売りだすことにした。人間種や亜人の体質として、擦り傷程度の場合は化膿しなければほとんど傷は悪化しないようなので、効能が緩やかで手軽に使ってもらえるものが一家に一つ用意があれば、となるとよいと思っている。エルフやドワーフの人たちはまだ体質のことまではわからないので、彼らへの薬はこれから少しずつ考えていくつもりだ。

飲み薬も、味を工夫し、効能の高さも数種類用意することで、様々な病気に対応できるようにした。特に子供向けの薬は、大人用よりも果実を多めに入れ、飲みやすくするとともに、薬の強さよりも、体の力を補助するようなものを多く用意した。今後、町の人たちの使ってみた感想なども集めながら、薬の改良は継続的にしていきたいと思っている。


「ラヤーナさん、こんな感じでいいかしら?」


「はい、それで大丈夫です。ありがとうございます。」


「ラヤーナ~~~~~、これここでいい?」


「ありがとう、レスリー。そこでいいわ。」


フランカとレスリーに手伝ってもらいながらあと1ルラルほどで開店する店の準備をしていた。

ユリアは店のカウンターから見えるところに子供が遊べるようなスペースを設け、そこで買っておいたおもちゃで遊んでいる。


「これで大体準備はいいと思うわ。レスリーもしばらくはユリアと遊んで…いえ、ユリアが怪我をしないように一緒に遊びながら様子を見たり面倒を見たりしてくれる?」


「うん、わかった!それも…お手伝い?」


「えぇ、もちろんよ。ほら、このカウンターから二人とも見えるでしょ。他にまた違うお手伝いをお願いしたいときはここから呼ぶから、その時は手伝ってくれる?」


「うん。もちろんだよ。僕もお手伝いできるね!」


「えぇ、そうね。頼むわね。」


レスリーに遊びながらユリアを見てもらうことにして、ラヤーナとフランカはカウンターの中に入った。


「商品の金額は…これですね。」


「はい、そうです。このリストは購入されたい方が見えるようにお店の中にも大きいパネルを置きました。このカウンターの中の壁にも同じものを設置したのでお客さんが購入するときも見えると思います。今の魔道具はとても便利ですね。手元のリストと、あの値段一覧パネルが連動するんですね。最初はびっくりしました。」


「私もよ、ラヤーナさん。商売関連の道具は私も初めて見るものが多くて、ヘリットも祖父が生きていたころに手伝っていたようだけれど道具がもう全然違うんですって。」


「そうなんですね。それからこれがお金を入れるエルク回収箱です。これも便利ですよね、コインを自動的に分けてくれるし、お釣りも自動的に出てくるし、それに魔法でこの店から持ち出せないようになっているところもすごいですよね。」


「えぇ、本当に。私少し心配だったのよ。今日はラヤーナさんと一緒だからよいけれど、私とレスリーとユリアでお店番をするときに、売り上げを取られてしまったら…って少し不安だったの。この町は治安が良いとは言っても、時々ものを力づくで盗み出そうとする人もいるから…」


「そうですよね。特にこのお店は女性と子供しかいないので、私も皆さんに何かあったりすると不安だったので、一応ギルドに相談したんです。そうしたら、このエルク回収箱を紹介してもらいましたし、それにお店全体に、安全魔法もかけていただけたので良かったです。」


「本当にありがたいわ。ギルドの安全魔法が掛かっていれば、このお店が襲われることは無いものね。」


「はい。ついでに…と言ってはなんですが、ご自宅の方にも一緒にかけてもらいました。」


「え、そうだったの?」


「はい。薬を求める人は今多いので、ご自宅の方に押しかけたりされたら皆さんにご迷惑をかけてしまいます。それもギルドからの配慮ということらしいので、安心してください。」


「そう、ラヤーナさん、いろいろとありがとう。」


「いえいえ、こちらこそ、こうしてお店を開けるようになったのは、フランカさんが手伝ってくださることになったからです。レスリーにいずれ任せたいと思っていても、さすがにまだ一人では難しいと思っていたので、私の方こそありがたいです。」


準備も整い、あとは店を開くだけだ。

魔法帳はみんなで使えるように登録しておいたので、売れたものとその個数も常時書き込んでいってもらうように、フランカとレスリーには伝えてある。

そして昨日ギルドに納品した時に、今日からお店を開けることは伝えておいた。

お店を開ける日は、ラーゴの日、バーナの日、グーフルの日の週3日で、時間はお昼の後の2ラルから4ラルまでだ。

店舗の商品は基本的にすべてカウンターの中に入れた。万が一の持ち去りを防ぐためだ。

カウンターの中の壁側には、商品の見本(中身は無く入れ物)を並べた。また同じものを、店に入ってすぐの右手に、商品(中身無し)の見本を並べ、それぞれの商品の下には効能の説明のプレートを付けた。薬の入っている入れ物は、同じ種類の物は同じ模様を使い、効果の強さによって色を少しずつ変えた。塗り薬の場合は、効能の高さも種類も同じ場合は、大きさだけ異なる色も模様も同じ入れ物に入れるようにして、購入する人たちにもわかりやすいようにした。これら扱う品物の効能については、フランカが主に薬茶などの効能を、レスリーが薬の効能を覚えており、お客さんから質問されても基本的なことは答えられるようになっている。カウンター内の壁には値段プレートも設置しているので、購入してもらうときにお客からは良く見えるはずだ。

お店のレイアウトは、とりあえず今日のオープンに間に合わせて準備したので今は最低限のものでしかない。今後は様子を見ながら少しずつ手を加えていくつもりだ。特に薬茶については、試飲できるように、テーブルや椅子などもおいおい設置しようと思っている。まだ薬の需要が多いとギルドから聞いているので、薬茶をふるまえるようになるのは少し落ち着いてからになると思うが、今後はいろいろなものを町の人たちに提供していきたいと考えていた。


「さあ、そろそろ時間になったのでお店を開けたいと思います。」


「はい、大丈夫です。」

「ぼくもだいじょうぶ!」

「わたしも~」

『ラティも~~』


いよいよ、薬屋さん、オープンだ!


ようやく2章完結しました!

思っていたよりも話数がだいぶ多くなってしまいました(^^;


また1週間ほどお休みをいただいて、3章を書き始めたいと思います。

3章はキーワードに「恋愛」が追加されます!いよいよ…!!!です。

3章開始までは完結表示をさせていただきます。m(__)m

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