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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第2章 れっつオープン薬屋さん
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2-44 ラヤーナ 外森の家を増改築する


ラヤーナとラティは、外森の家を改築しているところだ。


町の店舗予定の別邸から引き揚げた大量の魔道具をいろいろと調べてみたいが、広げる場所が無いと見ることすらままならない。今はまだ薬の生産と開発に追われていて、道具を見る時間は無いかもしれないが、いずれ少し落ち着いたところで、ゆっくりと見てみたい。そのために、道具を確認する部屋を新しく作っているところだ。


道具を置く部屋は今後道具の改良などもできるように、小さな工房も一緒に作ろうと思っている。この部分だけ、地下を作るか、部屋から直接上がれる2階を作ろうかと悩んでいるところだ。また、薬の要望が非常に増えているため、今まで調剤も材料もその下処理もすべて同じ部屋で進めていたが、材料を保管する場所や出来上がった薬を保管する場所と、大量の素材の下処理ができる部屋をそれぞれ調剤室続きに一部屋ずつ作ることにした。


この外森の家周りは広く、畑も家周りから側とはいっても将来の改築を考え、かなりゆとりをもって作った。そのためこれくらいの増築は畑を移動せずとも場所は十分にある。


一方、町や国の周りでは鬼獣が増えているらしく、それらを討伐するために騎士団が休む時間もないほど働いており、負傷者も増えているらしい。ギルドからは傷薬について飲むもの、塗るもの両方を、そして体力を戻すものなども含め、効能が高く、効果度も高い物を中心に量を増やして欲しいとお願いされている。確かに鬼獣の数は増えている。ラヤーナは森を歩く際、常にアルバスと一緒なので襲われる心配はないが、このところ、鬼獣を狩る量が目に見えて増えているのだ。狂暴化している種も増えている。ギルドに行く際は、また相当量の食肉買取りのお願いをすることになりそうだ。


町や国を守るために騎士団の負傷が増えている…ラヤーナとしては、もっと薬を騎士団に卸そうと考えており、ギルド長とも相談している。販売価格についてはギルドに一任しているので、一体いくらで騎士団に販売しているのかはわからないが、メリルの話では、少しずつ下げていっているところらしい。いつか、効能の高い薬もあまり高くない値段で購入してもらえるようになるとよいと思っている。


そして、実は家の改築の前に、外森の家のすぐ近く、シールドから外れたところに小さな小屋を作った。ギルド長からもらったペンダントは、不思議なことに外森の家でも、精霊の森でも連絡があると光ることができる。どういう仕組みになっているのかわからないが、このペンダントに関してはシールドのブロックとは関係が無いようだ。

このペンダントが光ると、ラヤーナはこの小屋に転移してギルド長に連絡をしている。ギルド長に関しては、ローラ様が信用できる人ということを言っていたので、この小屋にギルド長に限ってだが転移できるように設置もしてある。



『ラヤーナ・こんな感じなのね~』


「ありがとう、ラティ。そう、そう、そんな感じがいいわね。」


先ほどから、ラティとアルバス、ラヤーナの3人で、増改築したばかりの魔道具部屋でテーブルやいすを作っているところだ。大きめの木を外森で切った後カバンに吸い込ませて運び、この部屋に置いた。ラヤーナの魔法にアルバスがこの外森の家で使えるような加護の魔法を足し、椅子やテーブルを作っていた。家具を仕上げる際に、二人の魔法に更にラティが細かいデザインなどの魔法を掛けることで、とても素敵なテーブルと椅子が出来上がった。


「とうとう、魔法で家具を作れるようになってしまったわ…」


『ラヤーナの魔法・上達したのね~・すごいのね~』


『これもレベルを上げるための練習になるだろう。』


『そうなのね~・6になったから・家具まで作れるようになったのね~~~』


「…そうなんだけどね…もうちょっと違うものも作りたいけれど…まだそこまでは無理かな…」


『ちがうの?なに?』


「柔らかいソファとか、ふかふかのベットとか…」


『ふかふか……』


『ふかふか~・ラティもふかふか欲しいの~』


「そうなのよ…こちらのお洋服とか、生地ね、少しゴワゴワしていて、もう少しふかふかとかふわふわしているものがあればいいなって思っているのよね…こっちの世界には、化学繊維は無いから、何かできないか、そのうちゆっくり考えてみるわ。」


『そんなことができるのか?』


「おそらくなんだけど…薬草の中には布を柔らかくできる効果があるものが探せば見つかると思うの。まずは命に関わるほうの薬をしばらく作っていかないといけないからずっと先の話になると思うけれど、世界が平和になったらそういうものも作りたいのよね…」


『作ってなの~・ふかふか・ふわふわ~~~~~』


「ウフフ。早く世界が落ち着くように頑張るわね。」


その後も増改築を進め、最終的に魔道具の部屋は2階を作り1階を工房にし、2階に様々な魔道具を置ける部屋を作った。調剤室は全体で4部屋となった。まず今まで使用していた調剤室はそのまま残し、そこから地下室を作り、素材や、試作中でしばらくそのまま置いておきたい物などを置く場所とした。時間魔法を掛けた大きめの箱がいくつも並び、それぞれいろいろな素材を分類してしまってある。1階の調剤室からはそのまま1階の続きにさらに2つの部屋を作り、1つは出来上がった薬や薬茶など、主に販売するための部屋と、もう1つは調剤用の予備の部屋だ。


そして、2階を拡張し、これまで1階にあった寝室を2階に移動し、風通しもよく光も木々の間から当たる気持ちの良い部屋になった。さらに2階に2部屋ほど作り、予定は無いとはいえ、ローラ様やレーリナが来られるようになったら、あるいは他に訪れることができる人たちが来るようになったらということで客用寝室も作った。ラヤーナの寝室だった1階の部屋は中に置いてあった家具などを移動して空き部屋にしている。まだ何に使うのか決めてはいないが、これは今後ゆっくり考えようと思った。

アルバスの寝床も改良し、さらに広く、寝心地の良い場所にした。ふかふかしたものが作れるようになったら、アルバスの寝床ももっと改良したいと考えていた。


一通り家の改築を終えると、翌日からは薬の作成に取り掛かった。

とにかく鬼獣が増えているということで、薬の需要が高くなっている。町の人からの購入希望者も増えているらしく、できるだけ数を用意し、値段が高騰しないようにする必要がある。魔法レベルが上がったため、薬も一度に大量に作ることができるようになり、数を用意することはそれほど難しくはなくなった。今は、1か月後にオープンするお店におく新しい商品を考えているところだ。今の品数でも十分だが、お店を開くようになったら、町の人たちの要望を聞いて、それに合わせたお茶などの健康ドリンクや、手荒れ用や美肌用のクリームなども作りたい。いくつか試作してみてできてはいるのだが、やはりまだ効果が高すぎるので、もう少し軽い効果の物を試作しているところだ。


あっという間に2週間が過ぎ、ギルドに薬を卸しに町へ行くために、いつものようにアルバスに送ってもらっているところだ。こうして町へ向かっている間に次々と鬼獣が襲ってくる。ローラ様とレーリナに、この状況を伝えているが、二人とも今はどうにもできないらしい。もともと鬼獣は増えたり減ったりの周期があるため、町の人たちも今は鬼獣が増殖する時期だとわかっているようだ。


『…血の匂いがするぞ…』


「さっきの鬼獣のにおいじゃないの?」


『いや、違う。人の血だ。』


「え!誰かまた鬼獣に襲われたのかしら?」


『ラヤーナ~~~~・人が倒れているの・血がいっぱい~~~~~~~~~!!!』


「え…!それは大変だわ。」


『こっちなの~』


「ラティは、どこに人がいるのかわかるのね?」


『わかるの~・急ぐの~・早くなの~~~~~』


「アルバス・おねがいできる?」


『わかっている。乗れ。行くぞ!』


「お願いね。」


ラヤーナ達は、急いで人が倒れている場所へ向かった。


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