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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第1章 ヴェルネールの森を再生しよう
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6 ラヤーナ ギーを刈る (2日目)


その後もしばらく水やりをしていたが、ラヤーナは空腹感を感じ、休憩をとることにした。何となくであるが日の高さからお昼ごろではないかと感じた。


「…ここも太陽は1つなのね…それとも、森の中にいるから見えないだけかしら?」


『・・・ひ・る・・・・ひ・と・つ・・・』


「昼はひとつ?では夜は一つではないの?」


『・・・よ・る・・・い・ろ・い・ろ・・・・』


「いろいろなの?」


『・・・い・ま・・・ふ・た・つ・・・・・』


「…時期によって違うのかしら?」


『・・・き・せ・つ・・・ち・が・う・・・い・ろ・い・ろ・・・』


「そう。いろいろなのね。」


木と話していると、上からラーゴの実が1つ落ちてきた。


「ありがとう。実をいただけるのね。でもあなた、1つしか生っていなかったでしょ。大丈夫なの?4つ生っていたあちらの木にお願いしようと思っていたけれど。」


『・・・だ・い・じ・・ぶ・・・お・は・な・し・・・た・の・し・・・』


「楽しいの?それはうれしいわね。」


『・・・あ・し・た・・・も・と・・げ・ん・き・・な・る・・・』


「元気になってもらえると嬉しいわ。」


『・・・ら・・ご・・・も・・と・・ふ・え・る・・な・る・・・』


「増えるの?元気になるのね。良かった。」


『・・・ま・た・・・お・は・な・し・・・あ・し・た・・・』


「明日もお話したいのね。いいわよ。今日はこの後ギーを刈ろうと思っているから、明日もまた来るからお話しましょうね。」


ラヤーナは話しかけていた木の幹を何度もさする。ラーゴの木は嬉しそうに枝ごとゆさゆさと揺れていた。


ラヤーナは泉の近くにおいてあった麻袋のようなものと鎌のようなものを手に取り、近くの草むらに向かった。ここは昨日探索した時にヨモギに似た草がたくさん生えていたと気づき、本の図鑑でギーという薬草だとわかったものだ。


「…これ、たぶんヨモギよね。ヨモギならいろいろと使えるわ。あーでも、煮ることはまだできそうにもないから、まずは乾燥させておきましょうか。お湯が沸かせるようになればお茶にもできるしねぇ。」


『・・・も・り・が・み・・さ・ま・・・』


「あら…今の声は?」


『・・こ・こ・・・・・・・・・』


「ここ?ギーの葉?」


『・・そ・う・・・や・と・・や・く・そ・う・・・な・れ・る・・・』


「薬草に…なりたいのね。」


『・・な・り・た・い・・・・・・・』


「わかったわ。ここは…頑張って刈りましょう。」


草がざわざわと揺れる。早く早くと急かされているようだ。


「みんな、待っていたのねぇ。薬草になるといっても、まだ乾燥させるくらいしかできないけれど、それでもいいかしら?」


『・・い・い・・い・ま・・そ・れ・・で・・・』


「そうなのね。それじゃ、たくさん刈るわよ!」


『・・う・ふ・ふ・・・・う・ふ・ふ・ふ・・・ふ・ふ・ふ・・』


随分と頑張って刈った気がする。3m四方程度だが、ギーはすっかり刈り取られ、

並べて置いた麻袋の上に広げてある。


『・・う・ふ・ふ・・・・・あ・り・が・と・・・う・ふ・ふ・ふ・・・・・』


「結構な量ね。ふぅ~今日は随分と疲れたわ~。」


薬草が載せてある麻袋の近くに座り込む。


「お腹が空いたけど、それよりも、今は…眠い…」


そう言いながら体は傾き、ラヤーナは睡魔に襲われ眠っていた。


『・・う・ふ・ふ・・・・ら・や・な・・・・あ・り・が・と・・』


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