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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第2章 れっつオープン薬屋さん
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2-41 ラヤーナ ギルドに再び相談をする


「レスリー、夕食をいろいろ買う前に、ギルドに行きたいの。そこで少し待っていてくれる?」


「うん。もちろんいいよ!屋台の食べ物か~。今日の焼肉も美味しかったね!他にもいろいろあるんだよ。父さんが元気な時は色々食べたんだ。」


「そう、じゃあ、あとでレスリーのおすすめを全部用意して、みんなで夕食を楽しみましょうね。」


ラヤーナとレスリーはギルドに向かった。

レスリーをギルドの職員に預け、ラヤーナはメリルとギルド長に相談をすることにした。


「ギルド長、すみません。突然のご相談でお時間をいただいて。」


「気にせんでいいよ。メリルもちょうど時間がとれてよかったの。」


「はい。メリルさんもありがとうございます。」


「いいのよ。また何かあるのでしょう?」


「えぇ…実は…今日一緒に来たレスリーをたまたま鬼獣から助けたんですが………」


ラヤーナがレスリーとその家族を助けたいきさつを二人に話した。


「…………………それで、小通りに面している別邸の方を店舗として貸し出したいということをたまたまお母さまから伺いました。それを伺って、そこでお店を開けないかと思って…お二人に相談したいと思ったんです。」


「ヘリットのところだの。いいんじゃないのかの?」


「ヘリットさん、鬼獣にけがを負わされて体調を崩していましたからね…。それもラヤーナさんの薬で助けられて…やっぱりラヤーナさんはすごいわね!」


「まぁ、ヘリットも奥方のフランカも誠実な人たちじゃ。店もここからそれほど遠くない。いいと思うが、ラヤーナ嬢は町に住むわけではないんだろう?どうする予定かな?」


「はい。そこはもう少し考えないといけないんですが、騎士団やギルドの方で必要だと思われる団体などへの薬の販売はすべてギルド経由でこれまで通りお願いしたいんです。それから、塗り薬や飲み薬などの一部は、ギルドショップで販売していただけないかと思っています。店舗でも販売する予定ですが、今のところ毎日開くことはできないので、緊急ですぐに必要になる薬はギルドショップで手に入るようにしておくと、ケガ人などが急に出ても対応できるかと思います。」


「そうね…ギルドショップでの販売価格は町で販売する中でも最低価格だものね。ラヤーナさん、お店で売る時はどうするの?値段を上げる?」


「そうですね…まず、ギルドショップに置いていただく薬は緊急性が高いことを考えて、効能が高い物を置いていただこうと思います。その代わり、ヘリットさんの別邸をお店にしたところで扱う薬は効果が緩やかなものを中心にする予定です。一応同じ効果の高い物も置きますが、少し値段は上がると思います。レスリーの両親…ヘリットさんとフランカさん…でしたよね…お二人に家賃としてお支払いする分と、できればお店番をお願いするレスリーたちに払う給金程度を上乗せしようかと思っています。」


「レスリーをお店番に?」


「はい。住んでいる家が同じ敷地内ですぐ近くですし、レスリーだけではなくフランカさんにもお店番になってもらえると、お店をもっと開けると思います。長い時間ではなく、フランカさんが手の空きそうな時間を中心に、私が町に来れないときは、一日2ルラル程度開くだけでもいいかなと思います。お店も、毎日ではなく、週に3日程度から始められればと思っています。」


「レスリーたちか…悪くはないの…」


「いつから始める予定なの?」


「まだ、別邸…お店予定の中を片付けたりするので、1か月ほど先になると思いますが、それくらいを目安にお店を始められたらと思います。ただ、ギルドの皆さんには、これまで以上にお世話になると思うので、皆さんの意向をお伺いしたいと思っています。」


「そうね…私はいいと思うわ。ヘリットさん一家はいい人たちだし、場所もそれほど悪くない。店ができれば、ギルドとも連絡を取りやすくなると思うし…」


「はい。この間、魔道具店で通信機を購入してみたんです。それがあると、ギルドへの連絡や、薬の依頼なども受けやすくなると思います。森の家の中ではまだちょっと使えないようなんですが、もう少ししたら使えるようになるかもしれません。」


「距離があるからかしら?それなら長い距離を使える魔道具をギルドで用意するわよ。ラヤーナさんからの預かり金がたくさんあるもの。」


「そうですね…ちょっと考えさせてください。」


「あら、何かまずいことがあるの?」


「あぁ、あの…魔獣がいるので…」


「あ、そうだったわね。魔獣は音に敏感な種類もあるしね…」


「何とかできそうなんですが、ちょっと調整中なので、その件はもう少し待ってください。」


「分かったわ。」


「ギルド長、いかがですか?」


「うむ、いいと思うよ。1か月の間、準備進めていくといい。ギルドも協力しよう。」


「ギルド長、ありがとうございます。よろしくお願いします。」


「メリル、すまんがレスリーを呼んできてくれ、あ、その前にレスリーを連れてこれを用意してくれんか?」


「あぁ、子ども用の安全装置ですね。」


「これからレスリーは店番という仕事を覚えることになるからの。今日ちょうどここにレスリーがいるからの。帰る前に付けておいた方がいいじゃろ。」


「分かりました。ラヤーナさん、1ルラルはかからないと思うけれど、ちょっと待っていてもらえるかしら?レスリーを連れて魔道具店へ行ってくるわ。ここではつけることができないから。」


「儂は、ここで嬢とお茶でも飲んでも待っている。ギルド職員でないと受け付けないからな。メリル頼んだよ。」


「そうなんですね。メリルさん、すみません、よろしくお願いします。」


メリルが部屋を出ていった。


「ギルド長、ありがとうございます。これでお店も何とかなりそうです。」


「そうじゃな。良かったの。それでな嬢、この部屋の奥、儂の執務室というには狭いところじゃが、そこに空間魔法で嬢の森とつなげられんかの。」


「…え……」


「ああ…そうか…シールドがかかっておるから嬢の空間魔法レベルではまだ無理か…」


「……え……」


「あぁ、そう警戒せんでもええよ。そこに居るのはラーゴの精霊だな。儂は大丈夫じゃと嬢にいってくれないかの?」


「!!!!!」


『ラヤーナ・大丈夫なのね~・ギルド長大丈夫・味方ね~・ラティにはわかるのね~』


「え…どうして…」


「まぁ、儂のスキルじゃて…」


「ラーゴの精霊って…」


『ギルド長ね・さっき少し変化解いたのね~・その時ラティわかったの~~~』


「…変化を解く?…それまでは…ラティのことは見えてなかった…?」


『見えてたと思うのね~・でもラティに見えてるってわかったのは・さっきなのね~』


「お~よくしゃべるの。ラティか。よいよい、嬢を守っているのだろう。」


「…!!…あなたは…」


「儂かの…儂は…昔の記憶を持つおいぼれだよ…」


「…いったい…どうして…」


「嬢は…森神人だの…」


「!!!!」


「よく…この世界に戻ってきてくれたの…」


「…ギルド長…戻るって…どうして…」


「儂は、何があっても嬢の味方だよ。二度とあんなことは起こさせないよ。」


「…あんなこと?」


「まぁ、儂のことはおいおいとわかるじゃろうて。どちらにしても薬は今、嬢にしか作れんじゃろうからの…それがこれから先大量に必要にもなろう。これから王国が直接、嬢に手を出してくるかもしれん。薬も嬢も守らんとな…」


「…………………ギルド長…転移の拠点を…執務室に設置します。………森の家近くに……シールドから外れたところに連絡用の建物を建てる予定です……そこにも設置します…」


「そうか。そうしてくれると助かるの。これで行き来が楽になるわい。森の中にはまだ置けんじゃろうからの…。それに…儂からの連絡はどうするかのう…ウーム…おお、そうじゃ、あれがあったわい。」


ギルド長は執務室の机の奥にあったペンダントを取り出した。


「ウム…あいつも戻っておる様じゃの。」


ペンダントに何か魔法をかけているようだ。


「さぁ、これを受け取りなさい。首にかけておくんだよ。」


「…はい…」


「外してはダメだ。それは嬢を守るものだ。よいかな?」


「…わかりました…」


『あ~~~~!・それっ*************』


「え、なに、ラティ?」


「フォッフォッフォッ、ラティ、まだ秘密じゃぞ。」


『わかったなの~・秘密なのね~~~~・ムフフフなのね~~~~~~』


「秘密???何、ムフフって、秘密って、ラティ???」


「悪い意味ではないぞ。そのうちわかる。今はその時では無いんだよ、嬢。」


「………わかりました………」


「それは儂から連絡がある時に光るようになっている。私に連絡がある時にも魔力を込めれば儂に伝わるよ。」


「……そうですか……」


「光ったら魔道具でギルドに連絡をしておいで。」


「はい…」


「さぁ、そろそろメリルたちも戻ってくるじゃろ。お店の方はギルドも手伝うから心配するな。」


「………よろしくお願いします………」





<クイズ>

ラティのセリフ『あ~~~~!・それっ*************』

ギルド長の魔法でラヤーナには聞こえませんでしたが、ラティは、何と言ったのでしょうか?

(3章でその答えが分かる…はずです。)

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