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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第2章 れっつオープン薬屋さん
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2-39 ラヤーナ お礼の申し出を受ける


『お手伝いのお姉さんたち・頑張ったのね~』


「そうね。今回はギルドの人が手伝ってくれてとても助かったわ。」


今回の区画ショップでも品物はよく売れ、少しだけ残った在庫については、ギルドショップで売ってくれることになった。以前の倍以上の薬を用意したが、前回以上に大勢の人たちが押し寄せ、大変だった。今回はギルドの職員が2名、手伝いに来てくれたため、何とか無事に販売することができた。職員が二人も手伝いに来てくれて申し訳ないと思ったのだが、ラヤーナの売り上げから必要経費として二人に特別手当を支給するということにしたため、逆に手伝いをしてくれた二人の女性から感謝されてしまった。


「次回の分は騎士団から500個の注文があるのよね…。鬼獣の被害がひどいらしいから私もできるだけ協力するって言っちゃったし…。数は何とかなると思うけれど、そろそろお店のことを本気で考えないとね。町での分はショップでいろいろな種類のものを売っていきたいけれど、騎士団の分は効果の高いものを中心にまとめて…なのよね…。お店があれば、そこからギルドに大量納品するのももっと楽になると思うのよね…」


『お店のこと・考えるの大変ね~・いっぱいいろいろ・考えるのね~』


「そうね…たくさん考えてどうしたらよいのか決めていきましょう。」


ラヤーナとラティは商品を売り終え、今は町のマーケットに来ている。

タレの材料を探しに来たのだ。

いろいろと材料を物色していると、


「あ、いた!ラヤーナさん。」


「あら、レスリー。こんにちは。お父さんとお母さんはあれから元気?」


「元気だよ。お父さんは仕事に復帰して、嬉しそうだし、お母さんは家でまた僕たちと一緒に過ごしてるんだ。」


「そう、よかったわ。」


「それでね、お父さんとお母さんから、ラヤーナさんにお礼がしたいから家に来て欲しいって。」


「え、お礼なんていいのに…お父さんもお母さんもやっと元気になったんでしょ?無理しないで欲しいの。」


「うん。そうなんだけどね、お父さんもお母さんも無理してないよ。なんかね、うちにいらないものがあるけど、ラヤーナさんならいるかもしれないからってお父さんが言っていた。」


「いらないけど私にはいるもの?何かしら…」


「とりあえず来てみて!」


「えぇ…わかったわ…でも、待って、何か買っていきましょう!」


「え…」


「ちょっとお腹が空いちゃったの。レスリーもお腹空いてない?」


「え…僕は…」


「遠慮しないの。ね、一緒にいろいろ食べ物を買って、お母さんとユリアにも買って、みんなでいただきましょう。レスリーやユリアが元気になると、お父さんもお母さんもうれしいわよ。」


「うん!わかった!!!僕ね、これが好き!」


「…え、焼肉なの?レスリーも?」


「…え、他にも焼肉好きな人いるの?焼肉はみんな好きだよね!」


「えぇ…まぁそうよね…。とりあえず焼肉は大量に買っていきましょう。私は甘いものが欲しいのだけど…」


「お菓子のお勧めあるよ!前はお父さんがお土産に時々買ってきてくれたんだ。」


「そう!そういうのがいいのよ。お菓子、お菓子がいいわ!!!」


ラヤーナとレスリーはいろいろな食べ物を買っていった。

ラティも、これが良い、あれが良い、と言ったので、それも合わせて買っていった。


「お母さん、ただいま!」


「こんにちは。お邪魔します。」


「ラヤーナさん、こんにちは。またいらしてくれてありがとう。」


「いえいえ。本当にお気になさらずに。それよりも、たくさん買ってきました!皆さんで一緒にいただきましょう。」


「あ~~~ユリアの好きなの!お菓子好きっ!!!」


「ウフフ。やっぱり焼肉よりもお菓子よね!」


「ねっ!」


「あらあら…」


まずはみんなで腹ごしらえだ。元気に美味しいものを食べることができる、そのことにレスリーとユリアの母は本当に感謝していた。


「ラヤーナさん、いろいろと買ってきていただいて、逆に申し訳ないわ。」


「いいんですよ。私も、皆さんと一緒に大勢で食べるほうが楽しいですから。」


「ありがとう。それでね、今日レスリーに呼びに行かせたのはあなたへお礼をしたかったの。でもお支払いできるお金は無くて…」


「本当にもう気になさらないでください。」


「お言葉に甘えようかと思ったんだけど、ちょうどよいものを思い出したの。ラヤーナさんに必要かどうかはわからないから、無用な物だったら、本当にお言葉に甘えさせてもらおうって主人と話したんだけれど、もし使えそうなものがあればラヤーナさんにお譲りできればと思ったの。」


「…何を、でしょうか?」


「一緒にこっちに来てくれるかしら?」


「はい…」


母親についていくと、建物の別邸、通りに面している方の家に連れてこられた。


「ここは以前主人の祖父が使っていたところで、何か小さなお店をやっていたらしいの。当時はまだこの家も栄えていたらしくて、いろいろ珍しいものがあって、こちらの店でそういうものを扱っていたらしいのよ。祖父が亡くなり、主人の両親も亡くなって、この別邸がそのまま手付かずになっているの。祖父はいろいろと物を集めるのが好きだったらしくて、魔道具などもあるらしいのよ。私も主人も何度か入って見ているんだけれど、古くて使い方が分からないものが多いし、魔力がなくなってしまってガラクタの物の方が多いの。片付けようにも人手が足りないし、処分すると逆にお金がかかってしまって。だから、本当に私たちにはいらないものなの。それでも、まだ何か使える物があれば、ラヤーナさんに使ってもらえるかもしれないと思って今日お呼びしたのよ。」


「魔道具…ですか?」


「えぇ、他にもいろいろあるようだけれど…古い魔道具の中には大量に魔力が必要なものもあるらしいの。でも、私も主人も魔力は普通の人たちと同じ程度だから使えないしね。それから古い道具もあるようだから、お薬を作ったりするときに、使える物が何かあるかもしれないと思って。何か気に入ったものがあればぜひ持っていってください。」


「…見せていただいて…いいんですか?」


「えぇ、好きなだけ見てください。今日が無理なら、また町にいらっしゃったときでもいいですよ。」


「…今…見せていただいてもいいですか?」


「えぇ、もちろん。今日だけでは足りないようなら、いつでも何度でも来てください。」


「それは申し訳ないですけれど…」


「遠慮しないでね。さあ、どうぞ。」


「はい、それでは…ちょっとワクワクしますね。」


「そうね。ゆっくり見ていってくださいね。」



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