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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第2章 れっつオープン薬屋さん
71/146

2-34 ラヤーナ 魔法書店を訪れる


『昨日すごかったのね~・薬全部なくなっちゃったのね~』


「本当ね、私もびっくりしたわ。まさか全部売れるとは思っていなかったもの。」


『だんちょー・くやしそうだったのね~』


「そうね…残ったものを前回同様全部買い上げるつもりだったようだから…」


そうなのだ。売れ残りがあれば騎士団ですべて買い上げてしまおうと思っていたようだが、前回のことを聞いていた町の人たちが、ショップに大勢購入しに来た。前回より効能は低いがその分、手ごろな価格であり、しかも聖水よりも効果が高く、ずっと使い勝手が良いということが話で伝わり、区画ショップでの販売は2ルラルほどで全部売れてしまった。

あれは昔日本で1度だけ体験した、初売り争奪戦のような凄さだった。二度と体験したくないと思っていたのだが…売り手として参加することになるとは思っていなかった。

次回はもっと個数を用意して、売り方を考えなければと思う。


鬼獣の素材も、今回はできる範囲で食肉用とその他の素材とに分けて買取をしてもらった。今回は素材を分けたため、前回よりもさらに買取金額が増え、所持金がすごい額になってきている。

これは…アルバスに大量の焼肉を持って帰らないといけないかもしれない…


今日は昨日に引き続き、買い物をしているところだ。

今日は魔法書店に向かっている。


『魔法書ね~・強い魔法使えるようになるのね~』


「そうね。また外森の家に戻ったら魔法を練習したいわね。空間も5に上がりそうだけれど、水や風はだいぶ魔力が上がっていると思うの。書が手に入ればいいのだけれど…」


『お店行ってみるのね~』


「どうやって購入できるのか確認しないとね。」


ラヤーナとラティは魔法書店に到着し、店の中に入った。

本は見えるところには置いておらず、木でできた商品一覧表の様な物が置いてある。

…読み書きを練習しておいてよかった…外森の家でも練習していたから…これなら読める…


『ラティも読めるのね~』


ラヤーナの側でパタパタ飛びながらラティも文字を読んでいるようだ。

魔法書は水・火・風・土の4種と、それ以外の魔法書で値段が異なるようだ。

レベルは3種のもの、6,7,8がある。値段はレベル別で特に異なってはいなかった。


「レベルで値段が変わるわけではないのね…」


値段だが、

水、火、風、土の魔法書はそれぞれ1冊1万エルク、

空間、時間、防音、重力はそれぞれ1冊1万2千エルク

治癒は2万エルクだ

その他の魔法書については応相談となっている


応相談?…どういうことだろう…


「おや、いらっしゃい。魔法書の購入希望者かな?」


「あ、はい…」


「ギルドの個人カードを確認させてもらうよ。」


「え…カードですか?」


「あぁ。今はカードを提示してもらって、魔法書を購入できるかの確認をするんだよ。」


ラヤーナはとりあえずカードを見せることにした。

…見えるのは、精霊の指輪で調整されているおもての数字だけのはずだ…


「ウーむ…これは無理だね。魔法書は残念だか売れないよ。レベルが低いよ。5になっていないと売れないことになっているんだ。」


「え、そうなんですか?」


「あぁ、昔は所持魔法やレベル関係なく売っていたんだよ。今はレベル6以上の魔法を使える人自体が減ってきてしまってね、国の方針で魔力や魔法レベルが高い者を保護する意味も含めて魔法書を売る際にはレベルが5になっていることを確認して売るんだよ。」


「…そんな制度になっているんですね…」


「君のレベルは3だからね…これじゃ無理だね…まぁ、手元に置いて飾っておきたいっていう人たちは昔はいたんだけどね…今は持っていてもねえ…昔よりも魔法のレベルを上げること自体難しくなっているんだよ。レベル5でも6に上がるのは本当にわずかなんだよ。7や8はもうこれから現れるかどうかだね。2や3は割とみんないるんだけどね。」


「…そんな…あ…応相談って何でしょうか…この…その他のというところです。」


「ああ、これはね、もうここに書いている魔法-水、火、風、土、空間、時間、防音、重力、治癒-以外の魔法を使える人がいないんだよ。それで置いてあっても欲しい人はいないから、全部王国が管理していて、カードで魔法所持と魔法レベルが確認できたら魔法書を取り寄せて販売するんだよ。値段もね、上のレベルの書を欲しがる人がそもそも少なく需要がないから、特に値段は変わらないよ。」


「…そうなんですね…買って、手元に欲しかったんですけれど…」


「うん。まあね…気持ちはわかるよ、レベルが足りなくても飾っておきたいっていう人たちはいるからね…でもね、悪いね、決まりなんだよ。」


「…それじゃ…仕方ないですよね…」


「ああ。魔法書もね、同じ魔法レベル以上を持っていないと作れないから、そういう意味でも魔法書自体の保管と管理がされるんだよ。数年前だったかな、王国が一斉に通達を出していただろう?」


「そんなことがあったんですか?すみません、私、町に来たのは最近だったので…」


「ああ…鬼獣に襲われて育ったところが町じゃなかったんだろ。ここ数年、そういう人たちも増えてるんだよ。」


「その数年前の一斉通達ってどういうものだったんですか?」


「王国が残っている魔法書を全て管理することになったんだ。魔法書はずっと使えるわけじゃないからね。魔法がかかっているから、よくても100年程度しかもたない。魔力が魔法書からなくなったら、ただの紙だよ。だから魔法書として使えるうちに王国が買い取って、時止めの魔法を魔法書にかけて管理しているんだ。家で飾っておきたい、っていうものもあるかもしれないが、100年たたないうちにただの紙になっちまうからなぁ。それだったら換金しておこうと思うだろ。」


「そんなことがあったんですね…」


「あぁ。まあ、家に本があることを知らずに放置されている魔法書もどっかにあるかもしれないが、どっちにしても、知らずに放置されているだろうから手に入らないよ。魔法書の買取も規定があって、魔力が魔法書にどれくらい残っているかによるからね。残り魔力が少ないと魔法書として使える期間が短くなるから時止めの魔法も効かないんだ。ある程度の魔力が本に残っていないと時止めは効かないからね。そういうものは10エルクにすらならない。だから、数年前の買取で、使わない魔法書はほぼ王国がすべて買い上げて管理しているんだよ。だから可哀そうだけど、レベルが上がらないと魔法書は手に入らないさ。」


「…そうですか…わかりました…いろいろと教えていただいてありがとうございます。」


ラヤーナとラティは魔法書店から出ると、宿屋に戻ってきた。


『…魔法書…ないのね…』


「困ったわね…購入できないみたいだし…」


『ラヤーナの魔法・もっと上がるのなの…』


「えぇ、私もそう感じるんだけど…どうしたらいいのかしばらく考えましょう。まだ空間魔法も時間魔法もレベルを上げる練習をしないといけないし、治癒魔法もこれからだしね。」


『そうなのね…・森に戻ったらみんなに相談するのね…』


「そうね、そうしましょう。」



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