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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第2章 れっつオープン薬屋さん
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2-28 ラヤーナ 時間魔法を使えるようになる


「薬草も果実もたくさん採れたわ…」


『ラヤーナ・いっぱいあるのね~・たくさん作れるのね~』


『これだけあればしばらくいろいろ試せるだろう』


「えぇ…試せるのよ…すごく嬉しいのよ…でも、薬草も果実も…すぐに使わないとだめなのよ。だけど今日中にこれを全部は使いきれない…もったいないわ…今日の夕方はどうしても一度精霊の森に戻りたいし…」


『時間魔法を使えばいいだろう?』


『魔法ね~・時間止めるのね~・箱に時間止める魔法掛けるのね~・薬草と果実を入れるのね~』


「…でも…まだ使えないわ…」


『そんなことはないはずだ。時間魔法は使えるぞ?』


「え…」


『我には感じるぞ?ラヤーナ、時間魔法は発顕しているはずだ。』


ラヤーナはカードを取り出した。指輪を外し、スペルを唱えると…


名前:ラヤーナ・カーシム

レベル:6

スキルレベル:6

魔力レベル:5

年齢:16

種:人

職:薬師

職スキル:薬草の育成(全)

     薬の作成(7)

 薬の開発(6)

 薬の鑑定(5)

魔法:水(5)、火(5)、風(5)、土(5)、空間(4)、時間(1)、治癒(0)

称号:森神人

特殊スキル:精霊の本の記録

      神水の作成

  精霊の指輪の所有

  守護獣との意思疎通


「時間魔法が1になってる…」


『ラヤーナ・時間魔法使えるの~・やってみてなの~』


「…時間魔法…」


『時間魔法は魔法をかける対象があった方がよい。大きいものは魔力を食うぞ。はじめは小さなものがいい。』


「小さなもの…あ…あれを使ってみるわ。」


ラヤーナは大量に作った1キュプの容器が入っている箱を持ってきた。


「この大きさなら…」


ラヤーナは時間が止まるイメージを浮かべ容器に魔力を流す。


「……これ…魔法がかかっているのかしら?」


『時を止める魔法か…容器から魔力を感じるが不安定だな…』


「これだと…よくわからないわね…自分ではどう不安定なのかも見えないし…」


『ラヤーナ・止める魔法じゃないのね~・進む魔法なら見えるのね~』


「進む魔法…あ!時間を早くする魔法なら、入れたものが変化する様子が見えるわね。」


ラヤーナは容器に時が早く進む魔力を流す。イメージは…映像で早送りした時に物の状態が変化していく様子だ。昔見たことのある、あれは確かイチゴだったと思うのだが、カメラが固定されていて、箱の中の皿に置かれたイチゴがだんだんと腐っていく…ちょっとグロテスクだった覚えがある。


『今度はしっかり魔法がかかっているな…何を考えた…?』


「…ちょっと昔ね…以前に見たことを思い出したのよ。」


『……………何となく…お前のイメージしたものが見えたような気が……すごいな…』


「アルバスにもわかった?ちょっとえぐいのよね…」


『…まぁ…いいんじゃないか?…魔法はしっかりとかかっているようだぞ…』


『ラヤーナ~・入れてみるの・試してみるの~~~』


「…そうねぇ…何を入れてみようかしら…入れ物が小さいのよね…」


ラヤーナはたくさん採ってきた果実の中から、オーランを取り出し、それを容器の中に入るように小さく切った。そのうちの1切れを容器の中に入れる。


「………」

『………』

『………』


『…魔法は上手くかかっているようだな…』


『そうだけど~~~・なんか嫌なの~~~・なんか…なの~~~~』


「まぁ、そうよね…入れた瞬間に腐っていく様子が見えるんだものね…」


『時を早く進めることは安定しているようだな。止めるほうはもう少しはっきりとしたイメージがあったほうがいいだろう。』


「はっきりとしたイメージね…」


『イメージなのね~・止まっちゃうのね~・こんな感じね~』


ラティが突然、ぴたっ、と止まった。全く動かず、瞬きもせず、体も羽も動かない。

…羽が羽ばたいていないのに宙に浮いていられるのか…

だが…確かに止まっている…止まっているのは…あ、昔映画をパソコン画面で見ていた時、飲み物が欲しくて静止画にしたことが何度も…それをイメージして動きだけでなく、全部…その画面すべてがフリーズしたようにすれば…


『プハァ~~・羽動かさないで止まるの・大変なの~~~』


『…動きを止めるよりも、羽を動かさずに宙にとどまるほうが大変なのか…』


『ラヤーナ・ヒントになった~?ラティ、頑張ったの~』


「えぇ。イメージがはっきりしたわ。ラティ、ありがとう。やってみるわね。」


ラティが体を張って見せてくれたヒントをもとに、ラヤーナは時が止まる魔法を容器にかけ始める。しっかりとイメージして、静止画のようにその画面に映っているすべてを止める、ここでは容器の中のものを全て止める…ラティが止まっていたように…止める…


「…できた気がするわ…」


『できると思うのね~』


『あぁ、今度は安定しているな。』


「この時間魔法は、できれば今日中にもう少し使えるようになって、ここにあるものを入れて保存できるようにしたいわ。」


『今日1日は時間魔法の練習だな。』


『練習するのね~・時間止めるのね~』


結局、この日は畑の手入れをした程度で、夕方精霊の森に戻るギリギリまで時間魔法を使う練習をした。魔力もほぼ限界まで使い続け、体力も魔力酷使の補完で使われたせいか、ふらふらだ。それでも箱1つ程度、日本の小さめの衣装ケースくらいの大きさに、時を止める魔法が掛けられるようになった。この大きさのものに1日で魔法が掛けられるようになることはすごいらしい。実際、ラヤーナの時間魔法は2に上がっている。

アルバス曰く、ラヤーナの時を止める魔法は正確には完全に時が止まったわけではないらしい。時の進む速度をかなり遅くする魔法、時遅進魔法ということのようだ。時止めの魔法はレベルがもっと必要らしい。それでも箱の中に入れた果実や薬草がしばらくこれで鮮度がもつだけでもラヤーナにとってはありがたい。

ふらふらになりながらも、今日採取した素材を時遅進魔法をかけた食材保存箱にしまうと、残った魔力で精霊の森に戻る。よほど、精霊の森には明日の朝に戻ろうかとも思ったが、レーリナやローラ様たちは朝早くから神殿に行ってしまうことが多いため、やはり今日中に行って明日相談できるようにお願いしておきたい。

アルバスに、明後日のお昼を過ぎた頃に迎えに来てもらうようにお願いし、秘森の入り口まで空間魔法で移動して、森神人の家に戻った。

小屋に戻るとレーリナとローラ様がちょうど戻ったところだったようで、ラヤーナ達を出迎えた。精霊たちが用意してくれた果物を食べ、二人に明日、町での報告と今後の相談があるため時間が欲しいことを伝えた。この辺りでラティが完全にラヤーナのポケットの中で寝てしまい、ラヤーナ自身も起きているのがつらい状態であったため、二人に明日のことをお願いし、そのまま寝室に向かって休むことにした。


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