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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第2章 れっつオープン薬屋さん
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2-9 ラヤーナ 町で買い物をする

『ラヤーナ・見てなの~!いっぱい・いっぱいあるの~!』


今、ラティが見ているのはラーゴの実が山のように積まれているワゴンだ。1つ5エルクで売られている。隣には、オーランやバーナ、マーゴ、グーフルの実もある。この5つの果物は、定番の様だ。値段も1つ5~8エルクで売られている。

少し離れたところにも果物のワゴン露店がある。ここではパイナルやマースカがあり、値段は1つ10エルクからだ。果物は思っている以上に手ごろな値段のため、手に入りやすいものなのかもしれない。またこの辺り一帯は食材のみの露店市場で、常設マーケットになっているようだ。


『あ~・お肉なの~・焼いてるの~』


確かに肉を焼いている匂いがする。そういえばこの世界に来てから食べているものは森で採れる果物と野菜、精霊たちが分けてくれるミルル(ミルク)とエーグ(卵)だ。町ではどうなっているのだろう。いまは…もう精霊の森の中の食べ物だけでなくても大丈夫だと言っていた。今晩の食事もやはり食肉が出るのだろうか?


ラヤーナは香ばしいにおいのする焼肉の店をのぞいてみた。

あと2ルラルしないうちの夕食になるので、食事になってしまうようなものを買うつもりはなかったが、確かに焼肉の香ばしいにおいが美味しそうに漂っている。


「おーお嬢さん、一つどうだい?」


「もう少ししたら夕食になってしまうの…でも1口分、食べてみたいの。一切れでも買える?」


「ああいいよ、今度来たときは串1本分買ってくれればいいさ。7エルクな。」


「ありがとう。」


一串に一口大の肉が5切れ刺さっていて、香ばしいたれの匂いがする。一串で35エルクだ。肉は果物よりも割高なのかもしれない。


ラヤーナは7エルク支払い、小さな串に一切れさしてもらい口に入れた。


「美味しい!!!」


『美味しいのね~』


ラティもラヤーナの周りでスンスンと匂いとラヤーナの精霊気を吸い込んでいるようだ。ラティ曰く、ラヤーナの食べたものはラヤーナの周りからごちそうとして精霊気を取り込むことで味わえるらしい。


「そりゃそうさ。またよろしくな!」


そのまま常設マーケットの中を見てまわった。食材もいろいろあり、森では見たことの無いようなものもあった。食事の屋台もいろいろあって、先ほどの焼肉のようなものや、肉をはさんであるパンのようなものなど、食事になりそうなものもあったし、甘いにおいのするお菓子の様な物もあった。ラティは甘いにおいにつられて危うくシロップのようなツボに体を突っ込みそうになっている。はちみつのようなものが見つかれば、昔日本で作っていたはちみつジンジャーを作れるかもしれない。森で採れる薬草と町で買った食材を合わせても薬が作れるのであれば、いろいろと試してみたい。あとで宿屋に戻ったらラティに聞いてみよう。


エーグとミルルについても、様子が分かった。町にはエーグとミルルを作る工場があるらしい。家畜という概念はなく、特殊能力を持つ亜人がウィーなどの作物と素材を使って、工場で大量生産をしているようだ。そのため、値段も安く安定しており、日常の食材として欠かせないようだ。このエーグとミルルをさらに加工した食品もあるらしい。チーズと思ったものは、シェズと呼ばれており、味見をさせてもらったが味はやっぱりチーズだった。精霊の森のエーグとミルルと質は少し違っているようだが、見た目は似ている。


『このエーグとミルルね~・精霊の森のと同じに使えるの~・味も同じね~』

『でもね~・精霊には食べれないのね~・これは精霊の森の外の生き物の食べ物なのね~・お肉と同じね~・ラヤーナ食べる時はラティも精霊気から食べられるのね~・森のエーグとミルルは特別ね~・薬作る時も特別な力足すのね~』


どうやら食材としては同じように使えるようだ。薬を作る時の効果に違いが出るのかもしれない。


その後は町のお店を見てまわった。店舗は、露店やギルドの販売所とは異なり、それぞれのお店の雰囲気もいろいろあって見てまわるだけでも発見があって楽しい。それに、ギルドショップや区画販売店よりも、値段は少し高くなるが、物がしっかりしたものや、飾りがついているものなどもあり、質もよいものが置いてあるところが多いと感じた。今日は見てまわっただけだが、調剤用の道具を作ってもらうなど、その他にも必要なものがいろいろと出てくればここで買い物ができるだろう。

ラヤーナはとりあえずのものとして、自分の着替えを数着購入しようと思っていた。この世界の女性はゆったりとしたワンピースを着ていることが多い。ラヤーナとしては、調剤もしたいし、森と町を行き来するようになるし、素材をこれから調達していくことを考えると、できればパンツスタイルが良いのだが、なかなか扱っているところが見つからない。ワンピースでもよいが、せめてその下にくるぶしまでの女性用のズボンの様な物を着たい。そう思いながら歩いていると、ちょうど1件の服飾店から女性が出てきた。その女性が着ているものは、まさしくラヤーナが探していた服装だ。


挿絵(By みてみん)


ラヤーナは店のショーウィンドウに展示されている服を見た。あった!ラヤーナが探していたようなものがあったので、急いでその店に入ってみた。


店舗の中にも同じような形の服が置いてあり、色や生地はいろいろとあるようだ。


「この形がお気に入りですか?」


店員に声を掛けられる。


「はい。いろいろと作業をするので、このような形の服を探していたんです。」


「そうですよね!この形は最近出始めたんです。女性の服はまだまだワンピース型で足まであるものというのが主流なんですが、一部の女性からもっと動きやすいようにというご要望が増えて、それでこのような形の服が仕立てられるようになりました。上衣はどうしても長さが必要ですけれど、これでスカート下から小さな虫に足をかまれるということも減りますよ。女性も動きやすいように、上衣のデザインも工夫していますし、生地の種類もいろいろありますので、用途に合わせてご希望の生地であつらえることもできます。すでに出来上がっているものは向こうの棚にありますし、より体にフィットさせたものや、または先ほどお伝えしたように用途に合わせた生地を使ったものがご入用でしたら、少し割増料金になりますがおつくりすることもできます。」


「そうですね…今日は出来上がっているものを見せていただこうと思います。もし作るとなると時間はどれくらいかかりますか?」


「デザインや生地の種類にもよりますが、そこの窓に展示しているようなものでしたら、1週間ほどで出来上がります。」


「そうですか…。明日、一度帰らなくてはいけないので、少し予定を考えて、いずれ作っていただくようにお願いしたいです。今日は向こうの棚にある、仕立て上がっているものを見せていただいてもいいですか?」


「ええどうぞ。大きさは…ああ、こちらの列の棚であれば、体にちょうど合うと思います。奥に試着用の囲いがありますので、そちらで試されるといいですよ。」


ラヤーナは案内された列に並べられている洋服を見ていく。動きやすそうなものだし、今の服のように古めかしくない。とりあえず今日は2,3着買って、あとはゆっくり考えればいい。この町には頻繁に来るようになるだろうし、店舗を構えればもう少し着替えも必要になる。

ラヤーナは体に合った動きやすい服を上下3セット、下着等も着心地のよさそうなものがあったので、それも合わせて購入した。こちらは全部で、2800エルクだった。





お支払いは3万円弱くらいかな…

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