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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第2章 れっつオープン薬屋さん
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2-8 ラヤーナ ギルドショップで買い物をする

「ラヤーナさん、ここがギルドショップです。」


連れてきてもらったお店には、様々な道具が販売されていた。


「ここにあるものは、冒険者も含め基本的に必要なものを販売しています。値段は多分市中で一番安いと思うわ。ここの品物は必要経費しか価格に反映していないから、基本的に必要な道具はまずここで揃えるといいわよ。ここでの支払いは、先ほどの個人カードから引き落とされます。」


「分かりました。ありがとうございます。」


「私からの説明は概ねこんな感じかしら。ショップでの買い物は店員に相談すれば、いろいろと教えてもらえるわ。あぁそうそう、ラヤーナさん、あなたの薬はどれくらいの価格で販売する予定なの?」


「そうですね…少し考えてみますが、できるだけ安く販売したいと思っています。1キュプ100エルクで売れるようならそうしようかと思っていますが、入れ物代込みの値段も考えたいと思いますし、あまり低いのもまずいんですよね…?ええと、他の薬などを取り扱っている方が不利にならないように考えないと、とも思っていますし、それに実は値段よりもまず効能を皆さんに知ってもらわないといけないので、販売区画をお借りするにしても、どうやって薬の効果をわかってもらったらいいのか…」


「ねぇ、薬を町の人たちに安く売りたいというのなら、ギルドも協力するわ。とても効能が良いから儲けるために高く売るつもりならご自由にと思っていたけれど、町の人たちのために安く売ろうっていうのなら、効能を是非知ってもらいたいもの。この国でもね、聖水から薬を作れる者が減ってきているの。治癒魔法を使える者も減っているわ。だから聖水から作られる薬が高価になってきているのよ。」


「ギルドの皆さんに協力していただけるのはとてもありがたいです。私も、町の人たちや国の人たちに、安心してお仕事ができるように、薬をできるだけ安価で気軽に使っていただけるように皆さんにお届けしたいと思っています。」


「そう、それであれば今度相談をしましょう。今日は私もまだ仕事が残っているし、ラヤーナさんも、ショップを見たり町で買い物をしたりしたいでしょう?また次週、次回のラーゴの日からよね、初心者講習でこの町に来られる時に相談でもいいかしら?」


「はい。私もそうしていただけると嬉しいです。ぜひよろしくお願いします。」


「えぇ。ではまた来週ね。あ、それから私の名前はメリルよ。またね、ラヤーナさん。」


「メリルさん、またよろしくお願いします。」


『メリルさん・ありがとなの~・よろしくなの~』


ラティもメリルに向かって(聞こえてはいないだろうが)お礼を言っている。


「さぁ、いろいろ道具を見てまわりましょう。」


ラティは早速ギルドショップの中を飛び回っている。


『ラヤーナ・見てなの~~~~!・キャ~・これもすごいなの~・森にあるのと違うのなの~』


いくら周りに聞こえないとはいえ、ものすごいはしゃぎようだ。

確かにギルドショップに置いてあるものは森にあるものと大きく異なっている。

精霊の森にあったものは、昔の森神人が使っていたもの、つまり1200年以上前のもので、形も悪く使い勝手も今のものと比べれば悪いことが分かる。森の中では経年劣化がないとは言っても、形やデザインなどは時代と共に変化しているはずだ。ギルドショップに置いてあるバケツや畑を耕す鍬など、どう見ても秘森の中にあるものとは異なる。持ってみると重さもだいぶ軽い。付け加えると、ラヤーナが今着ている服も、デザインや色、形などだいぶ古めかしいと感じる。日本にいたころは確かに数年で流行が変化し、古いものはレトロな感じもした。1200年前となると想像が…平安時代の平服をラヤーナが絢音として日本で生活していた時に着たら、それは絶対におかしいはずだ。幸いにそこまでひどい形の変化はないものの、きっと町の人達は変な服を着ていると思っているかもしれない。尤も、村が襲われて生き残った子どもが人里から離れて成長したり、他者や多種族とほとんど交流せずに生活をしたりしている村や種族もいるらしいので、ラヤーナが思うほど、着るものの違いに違和感を持たないで生活をしているのだろう。


とりあえず、森での生活に関しては、精霊たちが元気になってきたこともあり、道具がそれほど必要ではなくなってきているということはある。しかし、これから薬をもっとたくさん作り、種類も増やし、国に広まるほど作るとなると、今のままの道具では心もとない気がした。


とりあえず魔法が使えても、あった方がよいと思う道具は購入することにした。

まず、バケツを5つ。これは最初に精霊の森で入れ物が古いバケツ1つしかなかったことから(初日に至ってはヤシの実もどきの器1つしかなかった)絶対に購入しようと思ったものだ。もし使わなかったとしても、次の森神人のために役に立つはずだ。

その他に、鍬や鋤、スコップ、小さなシャベル、穀物などを入れる袋、葉を集めて入れる大きな袋、先ほどの1キュプ器は10個ほど購入した。その他、調剤に必要になりそうなスプーン類や計り、大鍋や木べらなど、見てほしいと思ったものはすべて購入した。

気づけば新人の社会人1年生が一人暮らしをするための生活道具1式のような買い物になった。

それでも全部で2万エルクにもならず、道具によって高いと感じるものや安いと感じるものもあったが、購入した道具の量を考えるとギルドショップがいくら安いとはいえ、相場は平均で日本での物価の1/10程度ではないかと感じた。


購入したものを全てラヤーナのカバンに入れ、ギルドの引き出しカウンターで宿泊や買い物のためのエルクを少し多めに引き出し、カバンにしまった。その後は、ギルドカフェの区画販売で売られているものを見てまわった。こちらはギルドの個人カードではなく、現金で支払うようになっていた。ここでも、面白そうな道具や小物、ラティが欲しいと言ったキラキラした飾り、持ちやすそうなカバンや肌触りの良い布等、色々なものを購入した。ギルドでの買い物を終えると、町の様子を見ながら宿屋の場所を確認するためにひとまずそこへ向かうことにした。


ギルドから歩いておよそ10ミルほどで紹介された宿屋についた。今晩と、次週1週間お世話になることを確認し、ひとまず今晩の宿泊代を支払っておいた。

夕食時間は6ラルからということだったので、そのくらいに食堂に行けば夕食が取れるということだ。今は4ラルを少し過ぎた頃なので、まだ夕食まで時間がある。宿泊の部屋にも案内され、時間まで部屋で休んでいてもよいし、町を見てきてもよいようだ。時間もまだあるので、町の様子を見に行くことにした。





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