表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
れっつ世界を救おう  作者: Luna
第2章 れっつオープン薬屋さん
39/146

2-3 ラヤーナ はじめて町に行く

アルバスに森の出口までついてきてもらったため、今度は鬼獣に襲われても難なく対処できた。アルバスの強さはどこまでなのか全く分からない。魔法も使えるようだが、大きな鬼獣に対しても、前足の攻撃は1撃、あるいは2、3撃で、鬼獣はみんな倒される。倒した鬼獣はとりあえず素材として売れるらしいのでラヤーナのカバンにみんな入っている。

ヴェルネールの森の中にある精霊の森のことについては、アルバスはおおよそのことを知っていたようだが、実際に中に入れるわけではないため、知識だけだったようだ。彼らは精霊の森のことを秘森、その周りの森のことを外森と呼んでいるらしい。外森を歩くときは必ずアルバスと一緒に行動する、ということになった。今後のことを考え、そのうち外森のどこかに生活できる家を作ろうと思っている。秘森の森神人の小屋も、“小屋”と呼んではいるが、改築を何度かしたため、“家”の大きさになっている。この外森にもそれくらいの大きさの家を作ろうと思う。そうすればアルバスと行動するのがもっと楽になるだろうと思ったからだ。


外森を抜け、町に入った。この町はリエスというらしい。

今日は町の様子を確認して、素材を売る予定だ。

薬も売りたいが、まだ町ではどのように傷や病気を治しているのかよくわかっていないため、その情報も集めたい。レーリナやローラ様から話は聞いたし、ラティも知っていることは教えてくれた。それでも実際に見たわけではなく、自分の目で確認をしてどのように薬を売っていくとよいのかを考えたいと思った。


町の様子を見てみると、いろいろな生き物がいるようだ。この世界ではまとめて“人”と言っているようだが、人間も亜人も様々だ。人間は“人”あるいは“人間種”と呼ばれている。亜人は様々で、その中でも身体に動物の特徴を持ったものが獣人と呼ばれているそうだ。その他に地球で言うところの爬虫類の特徴を持っている爬人、昆虫の特徴を持っている昆人がいる。彼らは特に人化や獣化ということができるというわけではなく、その見た目のまま生活しているらしい。また、見た目は人間種と全く変わらないが体の強さや体力魔力等、持っている能力が非常に高い種族もいる。竜族の竜人や一部の獣人の中の上位種がそれにあたる。彼らの中にはさらに竜化や獣化、そこから人型に自由に変化できる者もいるらしい。この辺りの知識は秘森にいる時にレーリナに教えてもらった。亜人の他にもドワーフやエルフもいるようだ。ドワーフやエルフは亜人としてのくくりに入れてはおらず、一般的に町などに住んでいる『人』と呼んでいる種族は、“人”、“亜人”、“ドワーフ”、“エルフ”、と4種族に分かれるらしい。精霊や女神様、魔獣や鬼獣は“人”の中には入らない。森神人である“自分”はどうなのだろう…。精霊の本には種族は“人”となっていたはずだ。“人”の中でも特殊なのが森神人なのだろう。どちらにしても町に来るときは“人”ということになっている。

異種族でも婚姻ができるようだが、その子どもは親のどちらかの種族になるらしい。確かに親が獣人で子どもが爬人の手をつないで歩いている親子もいるし、ドワーフの父親が猫の獣人の子どもを抱いて歩いている親子もいた。人間種の母親にオオカミの獣人の子どもが連れられて買い物をしている様子もほほえましい。親子そっくりの家族もいるようで、種族が異なっても争わずに仲良く暮らしているようだ。


『ラヤーナ・もうすぐギルドにつくのね~・いろいろ教えてもらえるのね~』


ラヤーナが町の人にギルドのある場所を聞き、その場所に向いながら町の人たちの様子を見ながら歩いていると、ラティがラヤーナに声をかけてきた。

町に住んでいる人たちは基本的に精霊が見えないらしい。昔はいとし子がいたため、見えたものいたようだが、いまはラヤーナしか薬師がいない。アルバスのような守護獣はラティが見えるようだが、魔獣の中でも精霊が見えるものは今非常に少ないとアルバスが言っていた。

歩きながらラヤーナがラティと話していれば、一人で勝手に話をしている変な人だと思われてしまうため、ラティはラヤーナの肩に座って町の様子をきょろきょろと見て楽しんでいたようだったがこれまでは特に話しかけてくるようなことはしていなかった。


「もうすぐギルドに到着だわ。そこでいろいろと教えてもらえるといいけれど…。」


独り言としてもおかしくないように声に出してラティに相槌を打つ。

2人は町にあるギルドの中に入っていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ