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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第1章 ヴェルネールの森を再生しよう
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28 ラヤーナ はじめて動物に会う(40日目)


小屋の周りにも果実が生り始め、森が食事としてラヤーナに用意してくれる実以外にも採れるようになってきた。食事以外の実は、薬を作る際に果汁や果実を混ぜて入れると、甘い香りになるだけではなく、薬の力を高めたりする効果もあるようだ。ラーゴの果汁入りのギーの薬水は、精霊たちに人気の薬で、毎朝必ず用意している。

他にもオーラン、グーフル、マーゴの果汁を入れたものも作っている。バーナの実は乾燥チップスにしてラヤーナのおやつにしたり、粉末状にして薬水に混ぜることもある。精霊たちのリクエストに応じて5種類の薬水を毎日必ず用意しているが、この小屋まで飛んでくることができる精霊たちは、好きな薬水を好きなだけ飲み、精霊たち同士でおしゃべりをして、時には薬水の中にお風呂に入るように浸かって歌を歌っていることもある。


果物の種類も増えており、

チェルル(さくらんぼ)、パシモール(柿)、マースカ(マスカット)、ペーア(梨)、パイナル(パイナップル)、ブルベル(ブルーベリー)、モモル(桃)などが生るようになった。

その他にチェース(栗)やプルー(梅)もある。

薬草畑の横には食用の畑も作り、キャロン(人参)、キュー(きゅうり)、ポテポテ(じゃがいも)も取れるようになった。昨日はラティがメロメロ(メロン)もできるようになったと教えてくれたので、さっそくメロメロ用の畑を作り育てている。


薬草の種類も増えた。精霊の森で採れる果物や野菜、薬草類はすべて何かしらの効果があり、多くのものは体力補給の様だが、魔力アップや特定の魔法の補助、調剤成功率を上げるなど、様々な補助効果がある。薬の作成もいろいろとできるようになった。

ギーは今、様々な方法で薬にしようといろいろと試しているところだ。オバーコ、ドーミも乾燥させたり煎じたりして薬にしている。ハーカやパーセも癖がそれほど強くないため生葉のまま使うこともある。前の世界と同じような効能があれば、咳、貧血、解熱、便秘や下痢にも効くはずだ。自分の体調は全く問題ないため、飲んではいないが、エルクトラドムの世界の薬師として、同じような効能があり副作用はない薬ということが分かる。これも薬師のスキルなのかもしれない。もうすぐ傷を治す薬もできそうだ。森の外に行くようになったら、鬼獣に遭遇することもある可能性を考えると、傷をしっかり治す薬は準備をしておきたいと思う。そのうち町の住人にも薬を使ってもらえるようになればと思っている。


その他にジージャ(生姜)やカーゾウ(甘草)も見つかり、西洋ハーブと言われていた薬草類も増え、薬草畑もだいぶ大きくなってきた。日本ではハーブ類は雑草のような繁殖性があったが、エルクトラドムでは、ハーブ類も畑を作って丁寧に育てる必要がある。その分、効能も高く、こちらの薬草類の方がもっと強い薬が作れるらしい。ラティの話では、瀕死になった生き物も元気に治せるほどの薬ができるということだ。体の欠損部も本人の一部(爪の欠片や髪の毛でもいいらしい)と薬師が作る最上薬を使うと修復することも可能らしいが、その場合は薬師のスキルが非常に高い必要がある。


小屋も少しずつ拡張している。先日の改築では調剤室を作り、薬を作るための調剤テーブルも作った。お風呂ももっと使いやすく改築し、小屋での生活はとても快適に過ごせるようになった。


『ラヤーナ~・こっちね~・こっちなのね~』


「ラティ、今日は何があるの?昨日はメロメロだったわよね。メロン好きなのよね~。メロメロが食べれるようになるのが待ち遠しいわ。」


『今日はね~・メロメロじゃないの~・モフモフなの~~~』


「もふもふ?なにかしら?モフモフした野菜?」


『違うの~・野菜じゃないの~・ラヤーナ・こっち来てなの~』


ラティに案内された場所に行くと、小さな鳥がいた。毛が薄ピンク色でふわふわしている。


「可愛い!本当にモフモフね!ピンク色だけど…エナガかしら?まだ子ども?」


『エナエナなの~・エナエナ大人なの~・精霊の森の・動物の精霊・大人なの・木も草も・精霊全部大人なの~』


「…ラティも…大人なの?」


『ラティ・大人ね~・たくさん知ってるね~・ラヤーナを助けるのね~』


「…そう。ありがとう…(ラティはずっと精霊の子どもだと思っていたわ…)。ラティにはいつも助けられてばかりね。」


『エナエナね~・ラヤーナと一緒に・小屋に来たいって・だからね~・ラヤーナ連れてきたの~』


「エナエナなの?こんにちは。私と、ラティと一緒に小屋に来る?」


『‥いく・・なまえ・・・るる・・えなえなの・せいれい』


「あなたはルルね。もちろんいいわよ。可愛いお友達がまたできたわね。」


ルルとラティはラヤーナの肩に二人で並んで座り、耳元で話し始めた。


『‥らてぃ‥どうぶつ‥せいれい‥ふえる‥みんな‥らやーな‥そば‥きたい‥』


『そうなのね~・ラティわかるのね~・みんなラヤーナすきなのね~』


『‥もり‥げんき‥ちから‥もどる‥かいふく‥はじまる』


「回復が始まるの?」


『‥はじまる‥』


『森にね~・力が戻ってきてるの~・自力で回復・できるようになるの~・すごいの~』


「それはすごいわね!ルルの他にも、動物の精霊が増えるのね。」


『‥もり‥ちから‥ない‥どうぶつ‥せいれい‥ねむる‥』


『そうなの・みんなねむってたの~・でもね・森の力もどってきて・みんな目を覚まし始めたの~・ラヤーナの近くにいたいの~』


「…動物の精霊みんなが小屋の近くで過ごしやすいようにしたほうがいいかしら…」


『‥それ‥いい‥うれしい‥』


『‥みんなね‥自分のおうちあるの~・でも・ラヤーナのところで・お休みもしたいの~・お休みできる場所・つくるといいの~!』


「動物の精霊の休憩所?」


『『‥それ‥!』』


「…小屋に戻ったら、精霊の休憩所を作りましょう。小屋の横は少し開けていたと思うから、そこに作ることにして…ラティ、ルル、お手伝いお願いね。」



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