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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第1章 ヴェルネールの森を再生しよう
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25 ラヤーナ 薬をつくれるようになる(20日目)


小屋に住むようになって5日目、薬草の種類も増え小屋の周りでは薬草の畑が種類ごとに元気に育っている。ラヤーナの土魔法レベルも3まで上がり、薬草たちも楽しそうにおしゃべりしている。

現在畑で育っているのは、ギー、オバーコ、ドーミ、ハーカ(ミント)、パーセ(パセリ)の5種類だ。薬草を摘み、風魔法で乾燥させた薬草茶を飲むようになって、魔法が以前よりもさらに安定し、体がこの世界に馴染んできているのがはっきりと感じ取れるようになった。薬草や木々のおしゃべりも、小屋にいても聞き取れるようになり、ラティと一緒に森のみんなと過ごしている。


薬草茶はまだお茶の段階で、体に良いものではあるが、薬にはなっていないらしい。ラティが時々お茶を飲み、美味けれど、薬じゃない、と言っている。

神水撒きは順調に進み、今は朝の1時間ほどで精霊の森の範囲内すべてに神水を行き渡らすことができるようになった。

今は水撒きの後で、薬草茶を飲みながら一休みしているところだ。この後、薬草畑をもっと広げるために、土魔法で薬草を植える畑を作る予定だ。


『ラヤーナ・今日のお昼はこれね~~~』


おしゃべりがすっかり上手になったラティは、ラヤーナに昼食用の実を持ってきた。


「あら、これは…グーフル…かしら?」


『そうなの~・やっとグーフルの実がとれるの~・ラヤーナ・薬つくれるようになるの~』


「え!グーフルの実を食べると薬を作れるになるの?」


『なるの~・グーフルの実はね~・薬師の人・食べると・薬つくれるようになるの~』


グレープフルーツに似ている実を手に取り、じっくりと眺める。

しばらく眺めた後、食事の時間にはまだ早かったため、そっとテーブルの上に置き、まずは畑を作ってしまおうと、小屋の外に出て準備を始めた。

これから薬を作っていくとなると、まだまだ薬草が足りないと感じた。

もっと畑を広げ、薬草をたくさん採取しないと、この精霊の森にいる精霊たちにふるまうには量が追い付かない。畑を広げ、そのうち風魔法で薬草を刈り取るようになればと思うし、土魔法がもっと使えるようになれば、小屋の改築をして、調剤の部屋や、薬草を補完する保管庫なども欲しい。どうやら4種の魔法をもっと使えるようになると、薬草を保管するビンなども作れるようになれそうなので、早く自分の魔法レベルを上げ、いろいろなスキルを取得したい。


ラティが精霊たちの好みの薬草を教えてくれるため、人気のある薬草の畑は一番広くするつもりだ。薬が作れるようになったら、他の薬草を摘みにラティが案内してくれることにもなっている。さぁ、まずは畑を作ってしまおう。


畑を作る作業が終わると、ラヤーナは小屋に戻り、グーフルの実を食べてみることにする。

以前の世界のグレープルーツに似ているが、酸味はまろやかだがしっかりとあり甘みも強い。グーフルも水分が多く、喉の渇きも癒してくれる。


グーフルを食べ終わると、ラティがラヤーナのことをワクワクした目で見ていた。


『ラヤーナ・どう?グーフルの実・どう?』


「とっても美味しいわよ。前の世界ではグーフルに似た果物は大好きだったの。他の果実もとても美味しいし、この精霊の森の果実はみんなとても美味しいわ。」


『そうなの!美味しいの!それで・それで・ラヤーナ・おくすり・つくれる?』


「あらあら…そうねぇ…どうかしら……あら?」


つくれると?と聞かれて作れるようになったのかはよくわからないが、頭の中にギーの乾燥葉とそれを粉状にするためのすり鉢の様な物が必要だというイメージが浮かぶ。…薬をつくれ…ということかしら…


ラヤーナはキッチンの奥の棚に片付けておいたすり鉢と、保管しておいたギーの乾燥葉を取り出し、すり鉢に葉を入れてみる。すると次に擂りおろす行程と神水を混ぜる行程、その際に精霊たちの楽しそうな様子がイメージとして流れ込んでくる。とてもとても楽しそうに薬水を飲んでいる。本当にうれしそうな精霊の様子が頭に浮かぶ。


「…あぁ、そういうことなのね。精霊たちはずっと待っていたのね。」


薬草から薬を作ってほしくてずっとラヤーナが薬を作れるように待っていてくれたのだ。


「これは本当に初級の薬ね。薬草茶も薬にすると思って作れば、きっとそれも薬になるわ。薬師のスキルは特別なものなのね。精霊たちの声が聞こえないと薬は作れないわ。薬を作る一番大切なことは、精霊の、みんなの声が聞こえて、欲しいものが分かること、そして神水を作った人の手で薬草を扱わないと薬にならないのね。きっと薬師のレベルが上がれば、調剤をしていろいろな薬が作れるようになるわ。」


ラヤーナは早速頭に浮かんだ行程で、薬水を作ってみる。


『ラヤーナ・薬つくれたの・ラティね・薬ほしいの・美味しいの』


「もちろん、いいわよ。ちょっと待ってて。」


ラヤーナは作った薬水を小さな器に移し、ラティの前に置く。


『美味しいの~~~~・待ってたの~~~・ラヤーナ・美味しい~~~~』


「よかった。ねぇ、ラティ。薬を作るには、神水を作れる人でないとだめなのよね。そうすると、薬師の人…その…森神人の子孫たちは…神水を作れるの?」


『いとし子ね~・神水は・少し作れるの・薬つくる分くらいの・少しだけ・少しでも・薬つくれるの~・他の人・神水作れないの・精霊と・お話もできないとだめなの~・だから・薬師は・森神人と・いとし子だけなの~』


「なるほど…そういうことなのね…」


ようやく薬師としての自分がスタートできた気がした。



名前:ラヤーナ・カーシム

レベル:3

スキルレベル:3

魔力レベル3

ねんれい:16

種:人

職:薬師

職スキル:薬草の育成

     薬の作成(1)

魔ほう:水(3)、火(3)、風(3)、土(3)

しょうごう:森神人

とくしゅスキル:精霊の本のきろく

        神水の作成


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