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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第1章 ヴェルネールの森を再生しよう
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23 ラヤーナ 住むところができる(15日目)


ラティに案内してもらった小屋は、小ぶりな2階建てで外観はそれほど大きくはないが、一人で住むには十分な大きさがありそうだ。小屋の周りには、畑の名残のような場所もある。小屋の裏手には小川がある。まずは小屋の中に入って状態を確かめることにした。


小屋に入るとテーブルが置いてあり、正面奥に暖炉のようなものがある。

右手の奥はキッチンになっているようだ。左側には扉があり。正面左奥には階段がある。

階段を上ってみると大きめのベットが置いてある。今夜からここで寝ることができそうだ。

下に戻って左側の扉を開けてみると、お風呂がある。その隣の扉はトイレだ。


「…そういえば…こちらに来てからしてないわね…」


『ラヤーナ・はいせつ・まだないの・体が・まだかんぜん・ないの・もう少し・じかん・ひつようなの』


「体がまだ完全ではないの?」


『エルクトラドムのせかい・なれる・あと少し・なれると・森のそと・いけるの』


「体がまだ慣れていないのね…森の外にもそのうち行けるようになりたいし、この世界のことをもっと知りたいわ。」


『せいれいの森・かじつ・ぜんぶ力になるの・ま力・体力・からだつくる・ぜんぶなるの・だから・はいせつ・ないの』


「精霊森の果実はとくべつなのね。」


『そうなの・とくべつなの・森の外の・たべもの・ふつうなの・はいせつ・ひつようなるの』


「なるほどね。まだ果実も、ラーゴ、オーラン、バーナ、マーゴの4種類だけしか食べたことがないし、図鑑にはグープの実もあったけれど、本当はもっとたくさんの種類の果実があるんでしょう?」


『たくさんあるの・いろいろあるの・森・げんきになると・たくさん・たべれるの』


「もりをげんきにしなくてはね」


『せいれいの森の・かじつ・ぜんぶたべれるようになる・森のそと・いける体になるの』


「そうなのね。まだ4種類だものね…森をもっと元気に、私自身も力をつけてレベルも上げないとだめなのね。」


『ラティ・たくさんおてつだい・するの・ラヤーナと・いっしょなの・こやも・いっしょなの・ラヤーナの・土まほう・レベル上がる・こや・へんか・できるの・大きくできるの!』


「土魔法のレベルが上がると、小屋拡張もできるのね!ここには、キッチンはあるけれど、調剤するための部屋や道具も欲しいし、外の畑だったところも、土を作り直して薬草を育てられるようにしたいわ。ギーやオバーコとドーミが図鑑に載っていたけれど、ギー以外の薬草はこれから探して手に入れないといけないし、薬草はその3種類の他にもいろいろありそうよね。西洋ハーブに似ているものもあったみたいだし、森の中の散策も必要だわ。」


『さんさく・ラティ・あんないするの・やくそう・どこにあるか・わかるの!』


「森の中の案内はラティにお願いするわね。今日は小屋の中をできるだけ片付けておきましょう。小屋の中はホコリもなくて綺麗よね。ここにある道具もすぐに使えそうなものばかりだし…以前ここを使っていた方はそれほど前ではないのかしら?」


『せいれいの森・とくべつなの・こや・こわれない・よごれないの・まえの森神人・ここに来たの・んーと・せんにひゃくねん・まえなの』


「…え…1200年前…って…1年の考え方が日本と違うのかしら…」


『エルクトラドムね・30にちで・ひとつき・ヴェールはひとつき・いまね・アエスタース・6つき・オータムナス・6つき・イエムスはひとつき・きせつ4つでいちねんなの』


「…1年は14か月ということね…今日は私がこちらに来て…15日かしら?」


『そう!ラヤーナ・森にきたの・15にちなの・森げんきになるの・はやいの・うれしいの』


「あと15日で一か月ということは、やっぱり1200年ってものすごく前のことだわ。日本だったら…平安時代かしらねぇ…以前森神人がここに来たのはそれくらい前ということなのね…」


『女神さま・かわったの・森神人・かわるの・かわるとき・いろいろあったの・とってもたいへんだったの・ラヤーナ・きたの・うれしいの・みんな・がんばるの』


「…森のことも、この世界のことも、もっといろいろ知る必要がありそうね。まずは森をもっと元気にすることと、自分がもっと魔力も体力もつけてレベルを上げないといけないわ。そのためには、そうね、まずは生活拠点をきちんと準備しましょう。今日からここで生活をしていくわよ。ラティ、お手伝いお願いね。」


ラヤーナはまず小屋の中の片づけを始めた。

どのような道具があるのかを確認し、使いやすいように置き場所を決め、今必要なさそうなものはキッチンの横にあった小さな扉の中、物置と食糧庫が一緒になっているような場所にしまっておくことにした。次はお風呂だ。森の風が体を綺麗にしてくれるため、身体はいつもきれいな状態だが、やはりお風呂には入りたい。そのうちハーブをうまく育てるようになれば、お風呂に入れてリラックスするのもいい。乾燥したギーの葉を入れてもいいかもしれない。お風呂を見ると、湯舟はあるが、その他のものは何もない。お湯やお水をどうやって入れるのだろう…。


「これ…どうやってお湯をためるのかしら…」


『水まほう・つかうの・ここに・みずたくさん・いれるの・そのあと・火のまほうつかうの・

まほうつかうばしょ・ここなの』


そう言って、ラティが羽をパタパタさせながら、湯舟のすぐ上にある、火のマークがついている小さな扉へ飛んでいく。その小さな扉を開けてみると、ガラスのような器が置いてある。


『ここ・火のまほう・つかうの・火をここに・おいてあげるの・みず・あたたまるの』


「不思議な道具ね。でも…そうすると、この湯舟に入るだけの水を魔法で移動させるか出せるようにならないと使えないわね…移動させるのなら裏の小川の水が使えるかもしれないけれど、水を集めてここにとどめておくのだとしたら魔力が必要だし…まだちょっと難しそうね」


『水まほう・もう少し・れんしゅうするの・レベル・あと1つ上がるの・水のせいせい・できるようになるの』


「せいせい…生成ね!それは水を魔力で生み出せるようになることなの?」


『なるの!でも・たくさんれんしゅう・ひつようなの・森に神水あげるの・やくそう・神水まくの・水まほう・たくさんつかうの・レベルがあがるの!』


「水魔法も練習ね。お風呂にはいりたいもの、頑張るわ。」


その後、一応トイレも確認をした。ラヤーナにはまだ必要なさそうなものだが、見たところ日本にいて使っていたものと大きな差はなさそうだ。使うようになった時に、使い方や他に必要なものがないか確認することにした。


正面の暖炉も火の魔法を使えば付くようだ。薪はどうするのだろう、精霊の森の木とは話をするため、彼らの枝を火にくべるのも抵抗がある。


『まき・いらないの・火のまほうだけ・だいじょうぶなの・でもいまは・アエスタース・あついの・オータムナスの・おわり・イエムス・さむくなったら・つかうの』


「そうね。キッチンの火も同じかしら?お水も魔法?」


『おなじ!ラヤーナ・火のまほう・つかうの・水のまほう・つかうの』


「生活していくためには、魔法の練習は絶対必要ね…」


最期に階段を上り、ベットが使えるか確認をした。

柔らかい上掛けと、枕が置いてあり、すぐに使える状態だ。

クローゼットもあったので、中を覗いてみると服や帽子、かばん、靴下や靴などが置いてあった。

服を手に取り体に当ててみると自分の身体にあっていそうなサイズだ。


『ラヤーナの・きるもの・ぜんぶ・ラヤーナの・森のなか・そと・きれるの』


これで着替えの心配はしなくてもよさそうだ。

そして、クローゼット中には大きな鏡があった。


「鏡だわ…これが…私?」


そこには16才のラヤーナが写っていた。



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