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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第1章 ヴェルネールの森を再生しよう
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22 ラヤーナ ラティと対面する(15日目)


柔らかな光がラヤーナの顔に当たり、朝が来たことが分かった。

でもなぜか、顔の周りがチクチク?フサフサ?した感じがする。何か顔に当たっている?


ラヤーナはゆっくりと目を開けた。目に入ったのは、羽がある小さな可愛い子供がラヤーナの顔の周りを飛んでいる光景だ。ふわふわとした短い髪は薄い赤い色と濃い赤い色が混ざっている。羽は透明だがアウラの光を浴びてキラキラと虹色に輝いていた。淡い緑色のやわらかそうな上衣とズボンのようなものをはいていて、大きさはラヤーナの指程度しかない。手のひらにすっぽりとおさまってしまうようなサイズだ。


「…あら?可愛い妖精さんね。あなたは誰かしら?」


『ラヤーナ!・ようせい・ちがう・せいれい・ラティ・ぼくラティ・やっと・せいれいの姿・ラヤーナに会えた!!!』


「え!ラティなの?びっくりしたわ~。ラティは可愛いのね。精霊…ラーゴの木の精霊だからかしら?髪の色がラーゴの実の色に似ているわ。」


『そう・せいれい・かみ・木のみの色・ラティ・ラーゴの色・ね』


「ウフフ。とても綺麗な色ね。」


『きれい!・ラティ・きれいうれしい・ラティ・いっしょ・ラヤーナ・いどう・いっしょに・いく』


ラヤーナはラーゴの実を一つもらって食べ終わると、神水を撒くために泉に向かった。ラティはラヤーナの肩辺りをふわふわと飛びながら、ラヤーナについてくる。飛びながらおしゃべりをしている姿はとても可愛い。


水魔法と風魔法を使い、森の木々に水を撒く。

時々ラティは飛んでいく水の粒を追いかけてみたり、噴水のように水が昇るとその上に乗ったりと、神水を撒くときに水と一緒に遊んでいる。

またいろいろな方向の木々と話をしているようで、もっとこっちの方へ神水を撒いたほうがいいとか、こっち側は、今日はもう十分だ、ということをラヤーナに伝えてくれる。ラヤーナ自身も何となく神水を撒くときに木々がもっと欲しいときの感情は伝わってくるが、ラティのように、明確にどちらの方向のどこの辺りかまではまだ正確に聞き取ることはできない。


この日はラティの助けもあり、またラヤーナの魔法も上達していることもあって、お昼前までに森へ十分に神水を撒くことができた。森の木々はとてもうれしそうだ。満足している感情がラヤーナにはっきりと伝わってくる。


お昼にバーナをもらい、食べ終わったところでラティがラヤーナを今までとは違う場所に連れて行こうとする。


『ラヤーナ・こっち・くる・ラヤーナ・すむ・どうぐ・いろいろ』


「すむ?住むところ?道具も?」


『森神人・すむところ・せいれいの森・さかいめ・やっといけるようになったの・神水とどいて・いけるようになったの・ラヤーナ・ねる・すむ・できるの!』


「寝るところがようやくできるのね。とっても、とっても嬉しいわ。道具ももっといろいろあるのよね。」


『たくさん・あるの・ラティも・ラヤーナと・いっしょ・すむの!』


「ラティも一緒にいてくれるの?とっても嬉しいわ。」


『薬草・つくれるようになるの・薬草・そだてるの・ラティも・てつだうの』


「えぇ。土魔法で薬草が育つ畑を作れるようになったから、そこで薬草を育てられるわね。あぁ、でもギーの葉はあるけれど、他の薬草はまだどこにあるのかわからないわ。」


『ラティ・ラヤーナ・つれていくの・やくそう・あるところ・わかるの・だいじょうぶ・いまは・ねるところ・さき・つくるの・いろいろ・じゅんび・するの』


ラティに案内をされ、ラヤーナは小さな小屋のある場所まで来る。ラティが境目と言ったように、この小屋のすぐ近くに昨日と今朝、神水を撒いたときに感じた壁のようなものがあることが分かる。この壁が境目なのだろう。


「ラティ、ここは境目の近くなのね。このすぐ近くに壁のようなものを感じるわ。これは何なのかしら…」


『さかいめ・中・せいれいと・森神人と・つがいと・女神さま・これるの・・ほかは・はいれないの・・いま・さかいめ・中・ぜんぶ・あんぜんなの・ラヤーナ・いける・だいじょうぶなの』


「今は安全なのね。それだと、来てすぐの時はまだ境目の中でも全部安全ではなかったのね…」


『あんぜんの・そと・森・力なかったの・さむい・かさかさ・からから・くらい・たいへん・・いまは・さかいめ・中・ぜんぶ・だいじょうぶ!ラヤーナ・神水・たくさん・げんきなの!』


「そう、よかった。まずはこの境目の中で、薬草を探していかないとね。それと薬も作りたいわ。この壁…境目の外はどうなっているのかしら?」


『さかいめ・そと・ふつうの森なの・まじゅう・きじゅう・いるの・ほかのいきもの・いるの・ラヤーナ・まだ・レベル・たりない・ラヤーナ・力もつ・そといけるの・まち・いけるの』


「まずはレベルをあげるということね。まじゅう?きじゅう?生き物かしら?外に行けるようになったら詳しく教えてね。森もようやくここまで神水を撒けるようになって元気を取り戻し始めているけれど、完全に森が力を取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうだわ。」


『さかいめ・中・せいれいの森・さかいめ・そと・ふつうの森・せいれいの森・だいぶ・げんき・もっとげんきになる・せいれいのどうぶつ・でてくる』


「精霊の森の中にも動物がいるのね。それも精霊なのね。神水を撒くだけではなくて、私も、もっと魔法を使えるようになったり、薬を作れるようになったりしないといけないわね。」


『ラヤーナ・がんばる・ラティは・たくさん・おてつだいするの!』


「ありがとう、ラティ。さぁ、まずは小屋の様子を確認してみましょう。今晩はここでゆっくり眠れると嬉しいわ」。




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