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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第1章 ヴェルネールの森を再生しよう
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17 ラヤーナ バーナの実をもらう(6日目)


『・・・ら・や・な・・・こ・ち・・・し・ん・す・い・・ほ・し・い・・・』


「はいはい。今行くわ。」


ラヤーナは神水に変えた水を、魔法を使って撒いていく。みんな神水が美味しいと伝えてくれる。


『・・・ら・や・な・・・あ・り・が・と・・・こ・れ・・・た・べ・る・・・・』


ラヤーナの足元に黄色の実がそっと降りてくる。落ちてくるのではなく、降りてきたのだ。


「これは…バナナ…バーナの実ね!」


『・・・や・と・・・ば・な・・み・・わ・た・す・・・で・き・る・・・』


「ありがとう。とても美味しそうな実ね。でも無理をしてはダメよ。」


『・・・だ・い・じょ・ぶ・・・ら・や・な・・・し・ん・す・い・・・お・ね・が・い・・』


「もっと欲しいのね。今泉で水を汲んでくるから少し待っていて。周りのみんなにも神水をもっと撒くわね。」


ラヤーナは泉から水を汲むと神水に変え、もう一度バーナの木とその周りにたっぷりと神水を撒く。

木々がさわさわと揺れ『お・い・し・い』、『う・れ・し・い』と言っているのが分かる。

もらったバーナの実をポケットに入れ、日が真上に来る時間くらいまで、ラヤーナは神水を撒き、ラティのところへ休憩をするために戻ることにした。


「ラティ、今日はお昼にバーナの実をもらったの。やっと渡せるって言っていたわ。森のみんなは私にいつも大切な実をわけてくれているわよね。神水を撒くだけではなく、他にも何かできないかしら…」


『・・・らやーな・・ばーな・・たべる・・らやーな・・げんき・・もり・・げんき・・』


「そうね。お腹もちょうど空いてきたし、バーナをいただきます。」


これまでラーゴとオーランの実しか食べるものがなく、泉の水を飲んで昨日までの5日間を過ごしてきた。どちらの実も美味しかったし、それ1つで十分満足していたので特に不満はなかったが、食べ物の種類が増えるということは単純にうれしいと思った。


「バーナは精霊の本の果実のページ載っていたわよね。他にもあったと思うけど…」


ラヤーナはバーナを食べ終わると、精霊の本を取り出し、果実のページを開いてみる。


かじつ

・ラーゴ   あまい  体力ほじゅう

・オーラン  あまい  体力ほじゅう

・バーナ   あまい  風まほうをたすける

・マーゴ   あまい  げんきがでる

・グーフル  あまい  げんきがでる

☆光るラーゴ あまい まりょくをあんていさせる


「あっ、こっちも変わっているわ。バーナには風魔法を助ける効果がある?!…それにこの間ラティからもらった光るラーゴの実には魔力を安定させる効果があるのね。マーゴとグーフルは、記述は変わっていないけれど、これは食べたものの表示が変わるのかしら…」


『・・・せいれいのほん・・らやーな・・たすける・・らてぃも・・たすける・・・』


「ラティ、ありがとう。バーナは風魔法を助けるってあるけれど…どういうことかしら?」


『・・・まほう・・・つかう・・・わかる・・・』


「魔法を使ってみればわかるということね。バーナは今頂いたところだから、ちょっとだけやってみましょうか。風も火や水の魔法と同じようにイメージをすればいいのよね…」


ラヤーナは木々や草が風でゆらゆらと揺れる様子を思い浮かべる。この森の草木は自分の意思で動いているのだと思うが、日本にいたころは風が吹くと葉が揺れていた。葉を揺らしているのは風…強い風は葉を落としてしまうほどだが、柔らかく優しい風は、葉を優しく揺らす。

ラヤーナの身体を綺麗な状態してくれる爽やかな風はラヤーナを助けて守ってくれる。

ラヤーナの周りの空気が揺れ、ラヤーナの周りをまわる。そう、この空気が動いて、ラヤーナや森のみんなを守っているのだ。

自分の周りの空気が優しく動くようなイメージを魔力に込めてみる。

するとゆっくりと空気が動く。

まだ弱い微力な風だが、ラヤーナの意思で風を起こすことができた。

もう少し強い風、爽やかな風になるように魔力を込めようとするがその方法がわからない。

すると先ほど食べたバーナの実の匂いがしてきた。

バーナの実は日本で食べたバナナ以上に、甘く、とても美味しそうで、元気が出てくるようなにおいがする。とても美味しそうな匂い…ラヤーナはその匂いを追いかけるように魔力を流し始めた。すると魔力が匂いを追うように空気を動かし、先ほどより強く風が吹く。


「風を起こせたわ!バーナの実はすごいわね。魔力の流し方を匂いで教えてくれたの。」


『・・・らやーな・・かぜ・まほう・・つかう・・・やくそう・・・かんそう・・・』


「風魔法で薬草を乾燥させることができるようになるのね!」


『・・・やくそう・・くすり・・・できる・・・』

『・・・せいれい・・やくそうの・くすり・・すき・・・らてぃも・・すき・・・』

『・・・せいれい・・くすり・・せいれい・・げんき・・・もり・・・げんき・・・』


「そういえば、レーリナが書いていたわね。薬草を育てると森が元気になって、薬草で薬を作ると精霊が元気になる。薬草で薬…うーん…薬にしたいわね…」


『・・・くすり・・せいれいの・・ごちそう・・・せいれい・・げんきになる・・・』


「そうなのね!薬ね…作れるようになりたいわ。私は元の世界では漢方医、こちらの薬師のようなお仕事をしていたのよ。どうやったら薬草から薬を作れるのかしら。元の世界のようなやり方でいいのかしら…」


『・・・くすり・・つくる・・かぜまほう・・・ひつよう・・・』

『・・・れべる・・あがる・・くすり・・つくりかた・・わかる・・・』


「薬を作るには風魔法が使えるようにならないといけないということね。それと、レベルが上がると薬の作り方もわかるようになるということかしら。それなら…うん、そうね。まずは魔法をもっと使えるようになる練習をしないといけないわ。この後は他の場所に神水を撒いて、それからギーの乾燥状態を見てくるわ。魔法の練習はその後、また夕方にやってみるわね。」




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