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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第1章 ヴェルネールの森を再生しよう
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15 ラヤーナ 水魔法の練習をする(5日目)


『・・・ら・や・な・・・し・ん・す・い・・・ま・く・・・』

『・・・も・り・・・た・く・さ・ん・・・げ・ん・き・・・』


「そうね。みんな神水を待っているわ。泉に行って水を汲んで、神水にして、それを撒いてくるわね。」


ラヤーナは泉と木々の間を何度も往復し、水を撒いていく。

昨日使えるようになった神水を作るスキルを活用して、バケツの中の水を神水にし、ヤシの実もどきの器でどんどんと水を撒く。手で撒くよりはずっと早い。今までは1本の木に何度か手で水をすくって撒いていたが、今は器で1回水を撒けば木々が『ありがとう』と返事をしてくれる。

バケツの水が早くなくなる分、泉との往復回数が増えるがそれでも昨日までよりずっと早く木々をまわれる。その分、回れる範囲も広くなる。


昨日までよりもずっと多くの木々をまわり、休憩をとるためラティのそばに行く。今日はオーランの実が置いてあった。


「こうして食事をとるための実をいただけるのはとてもありがたいわ。1つ食べるだけで普通に食事をしているくらい元気になるのも不思議よね。」


『・・・い・ま・・・ま・だ・・・ら・ご・・お・ら・ん・・・だ・け・・・』

『・・・も・・す・こ・し・・・ば・な・・・で・き・る・・・』


「もうすぐバーナもいただけるようになるのね!楽しみだわ。」


休憩の後はもう少しだけ水を撒きにまわり、その後は薬草を刈ることにする。

最初に刈り取った草は、明日にはよい状態になりそうだ。


『・・・う・ふ・ふ・・・や・く・そ・う・・・や・と・・・う・ふ・ふ・・・』

『・・・う・ふ・ふ・・・も・・・す・こ・し・・・う・ふ・ふ・・・』


ギーの葉も元気に育っていて、最初に刈ったものよりも、葉も色が濃く、大きな葉になっている。

これらの葉も刈って、麻袋に並べていく。

乾燥させると随分と小さくなる。あんなにたくさん刈って、乾燥させるために広げておいたものが乾くとわずかな量になる。


「私って薬師なのよね…。日本にいた時のように薬を作れればよいのだけれど、こちらの世界ではどうやって薬を作るのかしら。調剤するには、乾燥させたり、煎じたり、その他にもいろいろとあるけれど…乾燥…そういえば時々風が私の周りをまわって体がすっきりすることがあるわ。それも風魔法のようなものかしら。それなら薬草を乾燥するときにも使えるのかしら?」


『・・・う・ふ・ふ・・・か・ん・そ・う・・・う・ふ・ふ・・・や・く・そ・う・・・』


「…できそうね。風魔法はまだ使ったことがないし、火魔法も水魔法もまだしっかりと使いこなせているわけではないから、もっと魔法を使えるように頑張るほうを先にしたほうがいいわね。」


ラヤーナは刈った薬草を並べ終えると、ラティのところへ戻ることにする。

魔法の練習をするときは、ラティのそばにいて練習するほうが、アドバイスをもらえるし、上達するコツがわかりやすい。


「ラティ、魔法の練習をしたいの。まだアドバイスを頂戴ね。」


『・・・ら・や・な・・・ま・ほ・う・・・れ・ん・しゅ・・・』

『・・・ら・てぃ・・・て・つ・だ・う・・・た・の・し・・・』


「ラティはお手伝いしてくれるのが楽しいのね。私は助かるからとてもうれしいわ。よろしくね」


ラヤーナは水を撒けるようにするための練習を繰り返した。

始めは、まず自分で水を集め、それを撒いてみようとしたが、集まる水の量が少なすぎて一本分の木、ラティに撒く量にしかならない。撒ける範囲も、自分の手で撒くときと同じ範囲にしか撒くことができない。


「…これでは泉で水を汲んで器で撒いていく方が楽だわ。魔法はこの1回分だけで随分と疲れる気がするの。まだ慣れていないからだと思うけれど、魔法1回分でバケツ1回分の体力くらいかしら…」


『・・・ら・や・な・・・ま・だ・・・ま・ほ・う・・・よ・わ・い・・・』

『・・・ま・ほ・う・・・し・ん・す・い・・・ま・く・だ・け・・・つ・か・う・・・』


「水魔法を、水を集めるためではなく、撒くだけのために使うということね。確かに、水を集めるところでだいぶ疲れる気がしていたの。撒くだけならそこまで疲れないかもしれないわね。」


ラヤーナはまずバケツから器で水を汲み、その器の中にある水を魔法で撒くようにイメージをする。


「器の水が…そうね…小さな粒になってシャワーのように周りに飛んでいくの…噴水のように…水が器から立ち上がって、その水がそのまま粒になって周りに飛んでいくの…」


ラヤーナがイメージを声に出し、器を通して水に魔力を流し込む。すると器から水が噴水のように飛び出し、周りに水が撒かれていく。器に入っていた水がすべてラヤーナの近くの木々に飛んで行った。


「すごいわっ!!!水が飛んで行ったの。ラティ、これならたくさん撒けるかもしれないわ。魔法を使った後もそれほど疲れた感覚はないから、今度は器よりももっとたくさん入っているバケツの水を神水にしてから同じようにやってみるわね!」


バケツの水をスキルを使い神水にし、先ほどと同じように噴水をイメージしながら水が飛んでいくように魔法を流す。バケツから綺麗に水が立ち上がり、先ほどよりももう少し広い範囲で神水が撒かれていく。


『・・・し・ん・す・い・・・お・い・し・い・・・』

『・・・し・ん・す・い・・・た・く・さ・ん・・・』

『・・・し・ん・す・い・・・と・と・い・た・・・』

『・・・し・ん・す・い・・・う・れ・し・い・・・』


「ああ!これならたくさん撒けるわ!さっきよりは少し体が疲れるけれど、今朝バケツの水を神水にして器で撒いていた時ほどではないから、これでもっと神水を森のみんなに降らせることができるわね!」


『・・・ら・や・な・・・し・ん・す・い・・・た・く・さ・ん・・・お・い・し・い・・・』


「うフフフ、そうね!せっかくだからあと少しだけ水魔法の練習をしながら森に神水を撒いていくわ。少し疲れてきたから、できるところまで撒いていくわね。」


ラヤーナは泉で水を汲み、神水にした後、水魔法でシャワーのように森に神水を撒いていった。

暗く足元が見えなくなるまで続け、ラティのところへ戻ったところで疲れて横になる。魔法とスキルとたくさん使ったため、すぐに眠くなる。また明日も頑張ろう…そう思いながら眠りに落ちた。



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