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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第1章 ヴェルネールの森を再生しよう
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13 ラヤーナ 神水を作る2(4日目)

「さぁ、今度は手で触れなくても神水を作れるのか、試してみましょう。」


ラヤーナは先ほどの器の水を目の前に置く。まだ神水になっていない水だ。


「願うと神水になるのよね。」


ラヤーナは『神水になるように』と願う。しかし水は変化しない。


「…願うってどういうことなのかしら…こう…なんていうのかしら、呪文のようなものとかが必要なのかしら…」


『・・・・ら・や・な・・・か・ん・が・え・る・・・き・も・ち・・・・』


「…気持ち?願うということだけではないのかしら?」


『・・・・も・り・が・み・び・と・・も・り・・・ま・も・る・・・・お・も・い・』


「森を守る…想い?」


ラヤーナは『森を守る想い』というものを考えてみる。

地球でおそらく寿命を全うし、この世界に呼ばれた。

はじめてここに来たときは、何となく森に元気がないと感じるだけでそれ以上はよくわからずにいたが、2,3日経つと森の木々が疲れている、渇いている、そう感じた。

まだ4日しかたっていないが、神水を撒くと、うれしそうな声がたくさん聞こえ、困っているときはアドバイスをもらったり、声は聞こえなくてもさわさわと返事を返したりしてくれる。

森が元気になるともっと話ができる。きっとみんなと楽しくなる。

まだ会ったこと、見たことはないが、森にいるのは木々だけではなく、その他にもいろいろな生き物がいると感覚でわかる。彼らともっと仲良くなり、いろいろなことを知りたいし、彼らと楽しく過ごしていきたい。

森が、木々が、草花が、まだ見たことがない生き物が、みんなが幸せに、元気に過ごせることがラヤーナの望みであり、今ラヤーナができる森を守ることであり、森への想いだ。

森全体が元気になってほしい。

そう思っていると、器がキラキラと光る。一瞬ではなく、まだ光っている。

器をよく見ると、光っているのは器ではなく、器に入っている水が光っている。

それだけではない。汲んできたバケツの水も光っている。


「ああ、そういうことなのね。これが…森を想うという私の気持ちで、これが願い。それが届くと神水になるのね。…神水は…とても…とても綺麗なものなのね…」


『・・・・し・ん・す・い・・・ら・や・な・・・つ・く・る・・・き・れ・い・・・』

『・・・ら・や・な・・・し・ん・す・い・・・げ・ん・き・・・お・い・し・い・・』


「森を大切に想う気持ちが願いとなって神水に変える力になるのね。初めて作った神水、あなたにあげるわね。いつも助けてくれてありがとう。」


ラヤーナは光る実をくれたラーゴの木に感謝の気持ちを込めてバケツに入っている神水をたっぷりと撒く。


『・・・ら・や・な・・・と・て・も・・・お・い・し・い・・・・・』

『・・・た・く・さ・ん・・・げ・ん・き・・・あ・り・が・と・・』


「うふふ。よかった。暗くなってきたからなのかしら、神水を撒いて、あなたが少し光っているのが分かるわ。元気になってきたのね。」


『・・・た・く・さ・ん・・・げ・ん・き・・・う・れ・し・い・・』


また残っている神水を近くの他の木々にも撒いていく。

神水が作れるのかもう一度確認するためにバケツに水を汲み、ラーゴの木の近くに戻る。

同じように神水になるように、森への気持ちを想い、願いをすると神水を作ることができた。


「神水を作れるようになったから、森の他の木々にも神水を飲んでもらえるように、水魔法のレベルを上げるための練習をたくさんしていかないとね。」


ラヤーナは今できた神水を他の木々に撒き、ラーゴの木の近くに座る。

もうここがラヤーナの休憩する定位置になっている。精霊の本もここに置くようにしている。


「明日は水の魔法が使えるようにたくさん練習したいわ。まずは神水を作れるようになったから、バケツと器を使うと手酌よりは少し早く水を撒けると思うの。魔法の練習をもっとたくさんして、いずれは水魔法で神水をシャワーのように撒けるようになるといいと思うの。明日また頑張るわ。」


ラヤーナは疲れたのかラーゴの木の横でそのまま横になる。

明日もたくさん森の木に水を撒いて喜んでもらいたい、そう思いながら眠りに落ちる。


『・・・ら・や・な・・・・・・た・く・さ・ん・・・が・ん・ば・る・・』

『・・・ら・てぃ・・・ら・や・な・・・て・つ・だ・う・・・』



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