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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第3章 ラヤーナ争奪戦?
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3-50 新しいスキル


こんな…こんなことが…魔術師たちが一斉にやられる…そんなことがあるのか?


「くそっ!貴様ら…俺がみな消しさってやる!」


ゲルハルトの闘気がこれまでよりもずっと大きくなり、邪悪な気配も強くなる。


「此奴、邪悪化しておるぞ!」


「ギルド長、下がれ!」


『ラヤーナ、防御を最大限に!』


『ラティもいっぱい魔法掛けるの~~~~』


「分かったわ!」


邪悪な気がゲルハルトから放たれ、ラヤーナ達の立っている辺りを取り囲むように巡っていく。


「セヴェリ!」


そのもやもやとした気の中から突然強い攻撃の剣が飛んできた。


「ギルド長!」


その剣は容赦なく、ラヤーナ達に向かって飛んで来る。

シールドに更に強い防御魔法を重ね掛けをしても、全てのゲルハルトの剣を防ぐことはできず、いくつかの剣はそのシールドをすり抜けて、ギルド長やラヤーナに襲い掛かってくる。ラヤーナへの剣はセヴェリやアルバスが守り、ギルド長への剣はギルド長自らが応戦し、跳ね返している。


…ギルド長って凄い人だったのね…


セヴェリが強い魔法や剣の使い手ということはわかっていたし、ギルド長もおそらく強い人なのだろうということは想像をしていたが、これほど強い人だとは思わなかった。そういえば、ギルド長は自分の身と引き換えにこの世界を守ったヴァルテリの師匠だったとも言っていたはず…。


『ラヤーナ、此奴は強い。防御は最大限のものを維持しろ。』


「わ、わかったわ。」


「セヴェリ…此奴、なかなかじゃのぉ。」


「おい、油断はするなよ。」


「お主もの。」 


ゲルハルトの剣は魔力を帯び、ラヤーナ達を取り囲んだ暗い闇の中から次々と攻撃が繰り出され、セヴェリを襲ってくる。どうやらゲルハルトの狙いはセヴェリの様だ。


「こいつは俺が相手をする。ギルド長は魔剣士隊を頼む!」


「分かった…数が多くて面倒なんじゃが…そうもいっていられんわい。」


「ラヤーナ!ギルド長の後方に行け。アルバス、ギルド長と共に魔剣士隊を頼む。」


『わかった。』


「セヴェリさんが!」


「俺のことは自分で何とかする。行け。」


ゲルハルトにはセヴェリが対峙し、残りの者たちで魔剣士隊を相手にする。アルバスは主にラヤーナを守り、必要に応じてギルド長をサポートしている。ラヤーナとラティは防御に関する魔法をできる限り維持し、戦いの邪魔にならないように補助魔法を掛けるだけだ。自分が表に出ても足手まといになってしまうが、何かできないのだろうか…。先ほどの魔力を吸収する道具は使ってしまい、手元に残りはないし…。そもそもこのゲルハルトには魔力吸収の道具が反応しなかった。…この人は害をなすものではないのか…?だから道具が反応しない?または…あ、さっきアルバスが言っていた邪な盾があるからなのかもしれない…。それよりもこの魔剣士隊を何とかしないと…。とにかく、何か…何かできないのだろうか…。


ラヤーナは必至で魔法防御と身体強化の魔法を自分や仲間たちに掛け続けた。ギルド長とアルバスは魔剣士隊からラヤーナを守りながら戦っているが、相手の数が多く、苦戦している。何とか…何か私のスキルでできることがあればいいのに…


その時、魔剣士隊の隊長らしき者が放った魔法剣がラヤーナ達を守っているシールドを裂き、さらなる剣がラヤーナを襲ってくる。ギルド長が何とか剣を防ぎ、アルバスがラヤーナを剣から放たれる魔法から守るが、その一部がラヤーナの身体に直接当たった。


「うっ!!!」


「嬢!」


『ラヤーナ!』


『ラヤーナ~~~』


「あ、だ、大丈夫…です…」


『すまん…魔法を防ぎ切れなかった…』


「私は大丈夫です!ギルド長とアルバスが守ってくれているから。だから大丈夫です!」


裂かれたシールドを再び張り直し、アルバスとギルド長は魔剣士たちとの対峙を続けている。


…あ…あれ…もしかしたら…。

先ほど魔剣士の魔法剣から魔法の攻撃を受けてしまったとき、ラヤーナの指が光り、身体が何かを覚えたように暖かくなった。何か、新しいスキルが…新しいスキルって確か…魔法の学習だった…はずだ…

自分はいったい何の魔法を学習したんだろう…


再び先ほどの魔剣士がシールドを裂くように魔法剣を放ち、シールドが弱ったところで再び魔法剣を放った。


「あ!これだわ…」


『ラヤーナ、魔法で己を守れ!』


「嬢、避けるんじゃ!」


『ラヤーナ~~~・危ないのなの~~~~』


「大丈夫よ!ギルド長!今ので魔法覚えました!」


「は?なんじゃ?」


「ギルド長の剣に今の攻撃魔法を乗せます!」


「なんじゃと?嬢!どういうことじゃ?」


『来るぞ!』


「ギルド長の剣に魔法を付加します!先ほどの魔剣士からの攻撃と同じです!」


「嬢、儂は魔剣士ではないぞ。剣に魔法は乗らんのじゃ。」


「大丈夫です。やってみてください。ギルド長!剣に魔力を込めて!私の魔法でそこに付加します!行きます!」


「…わかったよ…」


ギルド長が剣に魔力を込めるとこれまでにはなかった感覚が剣から流れてくる。


「なんじゃこれは?まぁ、よい。こ奴らをいい加減片付けんとな!」


ギルド長が魔力を込めて剣を振り下ろすと、そこから魔剣士隊に向けて剣で切り裂く力が放たれた。


「…なんじゃこりゃ…」


その一撃で複数の魔剣士たちが傷を負ったようだった。


「…嬢…」


「ギルド長、まだ相手はたくさんいるのでよろしくお願いします。」


「そうじゃの…まだまだたくさんおるようだのぉ…嬢の期待には応えんとなぁ。」


「アルバスもお願い!」


『我にもその付加魔法を掛けるか…』


「アルバスはその爪でこうげきをするでしょう?そこに掛けるわ!」


『…そうか…わかった…ラヤーナを守るため、あの者に加勢をしよう。』


「お願いね、アルバス!」


ラヤーナはアルバスの前足に付加魔法を掛けた。するとアルバスが攻撃しようと前足を振り下ろすとそこから魔力が剣のように流れ出し、複数の相手を同時に切り裂くような攻撃が繰り出された。


『…我の守護対象は…我に加護まで与えるか…』


「全くのぉ…」


『おじいちゃん~~~・また攻撃が来るのねぇ~~~』


「おお、わかっておるよ、ラティ。大丈夫じゃ。儂とアルバスとでさっさと此奴らを片付けてしまおうのぉ。セヴェリ一人であの怪物は大変じゃからの。頼むぞ、守護獣殿。」


『あぁ。わかっている。いくぞ。』


ラヤーナの付加魔法で魔法剣攻撃(模倣)を使えるようになったギルド長とアルバスは魔剣隊への対峙を再開させた。


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