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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第3章 ラヤーナ争奪戦?
133/146

3-48 コリファーレ隊


「第三隊までやられただと!」


「はい…」


「どういうことだ…。いや…おそらくセヴェリ達もそろそろ消耗しているはずだ。」


「そうかもしれませんが…こちらが想定していたよりも遥かに早い時間で第三隊までやられています…中将…ご指示を…」


「…私が直接でよう。魔術隊、魔剣士隊、魔弓隊の出撃準備をさせよ。森に直接向かい、私がこれらの隊の指揮を執る。」


「すべての隊は出撃の準備ができております。」


「そうか。では出撃する。」


「はっ。」




「…セヴェリ…お主、さらに体力が化け物になっておるのぉ…」


「…ギルド長…自分の年を考えたら人のことは言えんだろ。」


「…いやぁ…嬢に傷を治してもらってからのぉ…こう…体に力がみなぎっての。昔を思い出したんじゃよ。また空を飛べるようにもなったしの。」


「…そうだな…」


「…セヴェリ…」


「…来たな…雑魚…ではないな。」


「…あれじゃな…ねばねば…じゃな。」


「なんだ、それは?」


「嬢が言っておったろ?べったり…じゃったか?」


「……あぁ…あれか…ラヤーナが言ったのは、ねっとり…だな。」


「そうそう、そ奴じゃよ。」


「…穏便に済ます気は、相手にはなさそうだな。」


「そうじゃな。まぁ、こまったもんじゃよ…」


「……」


「セヴェリ、いくぞ。」


「あぁ。」



『ラヤーナ…敵が来る…』


『今度は強いの~~~・あ~~~・ネトネトの人~~~~』


「ネトネト?」


『怖い王様と一緒にいた人~~~~』


「…あぁ…あの…自分のことをイケメンと思っている残念な人のことね…」


『ラヤーナはその者のことをそう思ったのか…』


「え…だって…顔はいいのかもしれないけど…それだけだったから…」


『それだけか…。だが…この気はかなりの使い手だぞ…』


「…それは…王の護衛をするくらいだからそうなんだろうけど…ちょっと受け付けない人なのよね…こう…自分に酔っているっていうのか何というのか…」


「………」


『魔法防御と身体強化は忘れるな。』


「もちろんよ。シールドも張り直したし、ギルド長やセヴェリさんたちにも防御を掛けたわ。」


『そうか…』


「あ…他にも使えそうな魔道具を持ってきているの。敵の様子を見ながらちょっと何が使えるか考えてみるわね。」


『………』


「なに?」


『いや…先ほどの道具は…いろいろと…予想を超える物だったからな…』


「そう?でも…私だって自分で自分のことをもっと守れるようになりたいし…みんなのことを守れるようになりたいの。アルバスとセヴェリさんの負担が大きいもの。今だって…」


『我はラヤーナの守護獣だ。守られることを躊躇する必要はない。』


「でも…」


『来るぞ!』


目の前に突然弓が飛んできた。

シールドを張ってはずだが、そのまま矢は落ちずに、なおもシールドの中に入ろうとしている。


『魔弓か…』


『これ・魔法が掛かっている弓なのね~』


「え…ど…どうしたら…」


同じような矢が次々とシールドに刺さってくる。


「ど、どうしたらいいの…矢が落ちずにシールドを通り抜けようとしている…」


『…ラヤーナ、シールドの火の耐性を上げると同時に、中に居る我らを熱から守ることができるか?』


「すぐにできるわ!」


ラヤーナが魔力を流すと、張っているシールドの質が変わる。

アルバスはそのシールドに、炎を纏わせた。強力な青い炎があっという間にシールドを、ラヤーナ達を包み込んだ。すると刺さっていた矢に次々と炎が燃え移り、瞬く間に塵となっていく。


それでも矢が飛んで来るが、シールドを包んでいる炎はだんだんと大きくなり、矢が飛んで来る方向へ、飛んで来る矢を飲み込みながら向かっていった。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」「うわぁぁぁぁぁぁぁ!た、助けてくれっ…」


青い炎は敵陣の隊に届くと、あっという間に隊全体を包み込み…………敵陣は人も道具も全て塵となった。離れているとはいえ、その光景にラヤーナは愕然とした。


「人が…隊が…全部…塵に…アルバスの炎は…」


『…あの者たちは…すでに浸食されていたのか…』


「浸食?」


『…すでに、この界の理から外れていた者たちなのだな…』


「え、アルバス、どういうこと?」


『我の青炎は聖なる炎。森神人を守り、森を守り、この世界を守るための特別なものだ。邪悪なものだけを燃やし、操られている者の気を戻す。矢も同様。それが炎に巻かれ塵になり、人も同様に塵になっていくということは、すでに理から外れ、元には戻らぬほどに侵されていたということだ。』


「…コリファーレの人たちは…」


『どこまで浸食されているのかはわからぬ。だが…予想以上に搾取されているな…』


「搾取をされる…それは…魔力吸収の魔方陣が…」


『あぁ…、それもあるだろう。青炎は聖なる力だが…邪悪な盾が強力な場合は効かぬ。』


「邪悪な盾?」


『おそらく…あの者…ラティが言っていたあの者はその盾があるだろう。強力な邪の力を感じる。』


「邪悪な力って…」


『この世界の理から外れている力であり、この世界を壊そうとする力だ。』


「コリファーレの人たちは、その邪悪な力におかされてしまったということ?」


『そうだな。』


「…世界の理から外れて…それはもう…この世界に…エルクトラドムに受けて入れてもらっていない…そうなってしまったということ?」


『あぁ。』


「コリファーレの人たちは…みんな?」


『少なくとも…ここに来る者たちは…な…』


「そう…」


王やゲルハルトから感じた魔方陣は、この世界のものではないということはもちろんだが、邪な力が入っていたとは…。

ラヤーナが感じた王たちの魔方陣から感じた、ぞわぞわするような不快な感覚はこの力が理由だったのかもしれない。

コリファーレの人たちは本当に全員邪なものになってしまったんだろうか…



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