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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第1章 ヴェルネールの森を再生しよう
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10 ラヤーナ 魔法と格闘する2(4日目)

「いつもの実もおいしいけれど、この光るラーゴの実は酸味が強くて、これもおいしいわね!」


『・・・う・れ・し・い・・・・ら・・ご・の・み・・・お・い・し・い・・・』


「…あら、あなたちょっと疲れてしまったの?この実を作るために少し無理をさせてしまったのかしら。疲れているってあなたから感じるわ。」


『・・・・し・ん・す・い・・・・ほ・し・い・・・』


「もちろんいいわよ。待ってね、すぐ泉で汲んでくるわ」


ラヤーナは泉で水を汲み、いつものように手ですくいながら光るラーゴの実をくれた木にたっぷりと水を撒いていく。


『・・・・し・ん・す・い・・お・い・し・い・・・げ・ん・き・・・』


「そう、よかった。元気になったのね。あなたも無理をしないでね。」


『・・・・あ・り・が・と・・・ら・や・な・・・ま・ほ・う・・こ・こ・で・・・』


「あ、魔法ね。夕方から練習しようと思っていたけれど…そうね、せっかく光る実をいただいたのだし、水撒きと薬草摘みはあとにして、先に今日はここで練習をしてみようかしら。」


ラヤーナは昨日と同じように魔法の流れを感じながら指先に集中する。するといつもは魔力があちこちに飛び出そうとするような感じがあるのに、今はスムーズに指先に集まってくる。それに魔力の流れが今までよりずっときれいに滑らかな流れで、昨日までとはこんなに違うものなのかと思った。


「すごいわね!昨日と全然違うわ。魔力の流れ方が綺麗で、すごくスムーズだもの。あなたからもらったラーゴの実のおかげね!ちょっとやってみるわね。」


そういうと、指先に火を灯すようなイメージを思い浮かべた。するとすぐに小さな火が指先に灯る。その火はとても安定して、ラヤーナの魔力が少しずつ指先に流れて火が灯り続けている。


「すごい、すごいわ!今度は灯したり消したりしてみるわね!」


ラヤーナはその火を灯したり、消したりを何度も繰り返した。ラヤーナが思うように火が動く。


「魔力を使うってようやくわかった気がするわ。これを、この世界の人は普通にできるのね。今はすごく自然な感覚で使えるわ。ありがとう。」


『・・・・う・れ・し・い・・・ら・や・な・・・ま・ほ・う・・つ・か・う・・・』


「もう少し練習して慣れておきたいわね。」


『・・・ら・や・な・・・ま・ほ・う・・こ・こ・で・・つ・か・う・・・』


「ありがとう。そうね、魔法の練習はここでするわ。アドバイスがあったらまたお願いね。もう少し練習したら、今日は薬草摘みと水撒きをもう少ししておきたいわ。」


『・・・も・り・・・う・れ・し・い・・・・・た・く・さ・ん・・う・れ・し・い・・・・』


その後ラヤーナは火の魔法を少し練習し慣れたところでいったん練習をやめると、薬草が生えている場所へ移動して摘み、麻袋の上に置いた。先日摘んだ薬草は不思議なことに風が吹いて飛び散らかるようなことにはなっていない。こちらはだいぶ乾燥してきているが、もう少し乾燥させたいため、1つの麻袋の端にまとめそのまま置き、他の麻袋の上に先ほど摘んだ薬草を広げておく。薬草を摘んだ後は昨日より少し広い範囲まで木々に水を撒いた。入れ物が木のバケツ1つのため、泉との往復には時間がかかってしまうが、樹木や木々が嬉しそうに葉を揺らしたり、声が聞こえる木の嬉しそうなお礼の言葉を聞いたりすると、できる限り水を撒いていこうと思った。


『・・・し・ん・す・・・・お・い・し・・・あ・り・が・と・・・・』


本当にうれしそうな声が聞こえる。

できればもっとたくさんの木々や草に水を撒いていきたい。

日も暮れ始めたのでまた明日水を撒こうと考え、ラヤーナは光る実をくれたラーゴの木の場所へ戻っていった。



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