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れっつ世界を救おう  作者: Luna
第3章 ラヤーナ争奪戦?
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3-30 アルバスとセヴェリ


精霊の森でローラ様とレーリナに話をし、今後について薬を作る以外でもいろいろとアドバイスをもらった。自分の身に…この世界全体に…思っていた以上に危険が迫ってきているのだと知り、自分の持っている力を早く引き上げないと…という焦りが出てくる。

薬をまずは作る…それはわかっている…今日も森の家に戻ったらすぐに薬づくりに取り掛かるつもりだ。だが、もうそれだけではだめなような気がする…


「…ーな…、ラヤーナ」


「あ、はい。」


「どうした…」


「あ、セヴェリさん…すみません…」


『ラヤーナ…考えすぎるな…まず自分のできることをすればいい…』


『そうなのね~・女神様もレーリナも言ってたのね~・ラヤーナは頑張っているのね~』


「…でも…もっと頑張らないとだめなの…みんなを…守らないと…」


「ラヤーナ…あまり自分を追い詰めるな。ラヤーナの身に関してなら俺が側にいる。アルバスもいるだろう。騎士団も店の方で護衛についている。ヴェルネリアの騎士団も裏で動いているらしい。」


「そう…ですか…でも…コリファーレの…」


「コリファーレからの刺客にも十分注意をしている。アルバスはこの森の住人だ。この森にいるべきではないものがいれば気づくだろう。」


『そうだな…ラヤーナの力が上がったため、我の魔力も上がった。この森の中においてであれば、異物が紛れ込めば感じ取れよう。』


「そう…そうよね…」


『そなの~~~・今日は薬いっぱい作るのね~・森の中を歩いて帰るの~・素材をいっぱい持って帰るためね~』


「あ、そうだったわ。素材をたくさん採っていかないと…たくさん薬を作ってギルドに送るわ。他の魔法も練習しておきたいから急いで採取しないとね。」


今日もラヤーナは収納するための魔法カバンをたくさん持ってきている。昨日町で購入した大量のものの整理は大変だったが、素材なども今は十分な量があるので、森で材料を採取すれば大量に薬を作ることができるだろう。そう、まずは薬を作ることが先決だ。


ラヤーナ達は森の中の素材がたくさんある箇所を順番にまわり、次々と採取してカバンに入れていく。お昼までには森の家に戻るが、午前中はこのまま採取の時間に費やすつもりだ。


『セヴェリ…』


「…来たか…」


アルバスとセヴェリは何かを感じ取ったようだが、ラヤーナはひたすら採取していて気付いていない。


「俺が行く。ラヤーナを頼む。」


『わかった。』


しばらくセヴェリはラヤーナの側を離れていたが、すぐに戻ってきた。


『早かったな…』


「雑魚だ…」


『ふむ…お主…予想以上だな…』


「そうか…」


『…今度は…鬼獣か…』


「操られているな…」


『…フム…肉集めをするか…我が行こう…ラヤーナの側に…』


「分かった…」


ラヤーナとラティはしばらく材料を集めていたが、カバンにいっぱいになったため、鬼獣などを見張っているので…と少し離れて護衛をしていたアルバスとセヴェリところへ戻ることにした。


『いっぱい採れたのね~~~~』


「そうね!これだけあればしばらくは薬づくりに集中できるわ。アルバスたちも近くの鬼獣を順番に狩ってくれるって言っていたから、そっちの素材も少しは集まったかしらね。」


ラティがアルバスたちを見つけて飛んでいこうとしたが…


『え~~~~~~~・すごいのなのね~~~~~~~~!!!』


『こっちも大量だ…』


「え!何これ!!アルバス、セヴェリさん、これどうしたの…」


そこには大量の鬼獣の肉と素材が山になっていた。


「害虫退治をしていただけだ。」


『今日は多かったな…』


「…そうだけど…でも量が…少しでも集まればって思っていたけれど…少しどころかしばらくは必要ないくらいよね…」


『ラヤーナ~・薬作るのね~~~・お肉も素材もたくさんね~~~』


「…この鬼獣…解体してお肉と素材にしちゃいましょ。…今日の夕食は…お肉たっぷりのシチューね。」


『しちゅ~~~・しちゅ~~~・おにくがたっぷり~~~~~』


『薬草もたっぷり入れてくれ。』


「…今日のシチューは薬草もたっぷりだけど…セヴェリさん、いい?」


「ラヤーナが作ってくれるのであれば、なんでもかまわん。作ってもらうだけでもありがたい。」


…あれ…また…んー…何だろう…


「…そう…ですか……まぁ…アルバスには好評のシチューですし、薬草ももちろんですが他にもいろいろと入れるので身体にもよいですよ。」


「そうか。楽しみだな。」


ラヤーナはセヴェリに手伝ってもらいながら鬼獣を肉と素材に分け、カバンに収納してから森の家に戻った。

家に戻ってからも大量の食材を保管ボックスに仕分けるなど大変だ。セヴェリはこの家には入ってこれないため、手伝ってもらう人もおらず、一人でしまうしかない。


食材や素材の片づけが終わり、簡単な昼食を作るとアルバスと一緒に、セヴェリの家に持っていった。


「…セヴェリさんも森の家の中に入れればいいのに…」


『無理だな。』


「無理だ。」


『入れないのね~』


「…そうよね…それはわかっているのよ…」


「こればかりは仕方がないな。」


「…そうよね……そうなのよね………わかってはいるんだけど………」


「………」


「……だって…安心感が…アルバスもいてくれて…ラティもいるし……セヴェリさんも一緒だったら…何も心配しなくてもいいくらい安心できて………」


『ラヤーナ~・心配ないのね~・アルバス側にいるのね~・セヴェリ必ず近くにいるのね~・ラティもいるのね~・大丈夫なのね~』


『ラヤーナ…、心配するな。不安なのであろう。』


「…不安…やっぱり不安なのかしら…」


「自分で気づいていないだけだ。あれだけの鬼獣の肉が山になっていれば、自分の状況がどういうことなのか感じたんだろう。」


「…そう…なの…鬼獣もだけれど…セヴェリさん、森の中の敵もなんとかしてくれたんでしょ?アルバスと一緒に私を守ってくれて…」


「ラヤーナ、大丈夫だ。今は薬を作ることに集中しろ。その間ここは俺たちで守る。今朝、大量に小バエ退治をしたんだ。しばらくはそう騒がしくはならない。」


『あぁ。五月蠅いのはあらかた片づけた。今はうるさい気配もほとんどない。薬をつくるんだろう?』


「そうなの…そうなんだけれど…」


『ラヤーナ~・薬作るのラティもお手伝いするのね~・それで魔法の練習するのね~・魔道具もいっぱいあるから使い方考えるのね~』


「あ、魔法の練習!そうだったわ。防御と身体強化も使えるようになりたいし…それに、他の魔法も8まで上げないと光と闇の魔法が使えるようにならないから練習…よね。それに魔道具の仕組みも教わったからいろいろ分解してみたいし…」


「魔法の練習は俺が相手をしよう。」


「セヴェリさん、教えてくれる?」


「いや、教えることができる魔法はない。だが、魔法を使う練習の助けはできるだろう。魔法防御と身体強化を教わるのはアルバスからだな。」


「あ、そういえば、この2つの魔法はアルバスから教わればいいってギルド長が言っていたわね…」


『魔法防御と身体強化か…我は人に教えたことはないぞ…』


「そこは俺が手伝う。」


『ならば早く薬を作り終わるのだな。さすれば学びの時間も取れよう。』


「わかったわ!たくさん薬を作ってしまいましょう!!!もっと魔法のレベルを上げることができれば、自分の身をしっかりと守れるようになる…そうすればみんなの足を引っ張らないで済むわ。」


「ラヤーナ…心配しなくてもいい。お前のことは俺が守る。アルバスもいる。」


「セヴェリさん、ありがとうございます。でも私も頑張りたいんです。みんなのために、この町の人たち、この世界の人たちのために、できることは何でもやります。」


「…そうか…わかった。」


『ラヤーナ~・頑張るのね~・ラティも頑張るのね~』


「さぁ、まずは薬をたくさん作るわよ!!!」


ラヤーナの不安はセヴェリもアルバスも、ラティも理解していた。

おそらく何かに狙われる、という見えない恐怖があるのだろう。


「さぁ、薬を作ってこい。森の方は俺が見ておく。」


『我はラヤーナの側にいる。心配しないで薬を作れ。』


『ラティもいるのね~・時々家の外のセヴェリの様子を見てくるから心配ないのね~』


みんなに支えられ、ラヤーナはとにかく薬をたくさん作ろうと森の家に戻り、作業に取り掛かった。



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